女優の小野莉奈が、大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で吉沢亮演じる主人公・渋沢栄一の長女・歌子を好演。渋沢家のシーンで存在感を放っている。大河ドラマ初出演となった小野にとって、本作出演はどのような経験になったのか話を聞いた。

  • 小野莉奈 撮影:辰根東醐

――大河ドラマ初出演となりましたが、抱いていたイメージと違って驚いたことなどありましたか?

イメージと違ったということは特になかったですが、セットや衣装がすごいなと思いました。視聴者として見ていたときからすごいと思っていましたが、カメラに映っていないところまで細かく作られていて感動しました。セットや衣装などで時代を感じることができるおかげで、歌子になれているんだなと思います。

――小野さんは現在21歳。うたを17歳からご自身の年齢のはるか上まで演じられますが、実年齢と離れた年齢を演じる難しさは感じましたか?

年齢差を埋めることへの難しさはありませんでした。歌子の性格という土台をしっかりと築き上げることのほうが大変でした。

――その土台があった上で、年齢が上がっていく変化をどのように演じましたか?

歌子の心情を表面的ではなく内側から読み取ることが大事だと思っていて、一つ一つのシーンが組み合わさって役が見えてくるので、心情を見落とさないように一つ一つ集中して取り組むことを意識しました。そうやって心情を読み取っていくと自然と大人になっていくので、内面的なところをしっかり追うようにしています。

――幅広い年齢を演じるのも大河ドラマならではだと思いますが、『青天を衝け』に出演したことで女優さんとして成長できているなという手応えは感じていますか?

手応えは全然なく、もっともっと学んでいかなければいけないなと思っています。自分自身の意識として、あまり満足しないように、自信は持たないようにしています。

――ご自身の女優人生において、どんな経験になりましたか?

時代モノの作品が初めてですし、実在された方を演じるのも初めてで、新しい経験をたくさんさせていただいて新鮮な気持ちです。仕事を始めて約4年ですが、新鮮な気持ちを久しぶりに感じたような気がしていて、作品を通してとてもワクワク楽しくて、改めて女優というお仕事が楽しいなと思える作品になりました。

――どんなときに楽しいなと感じましたか?

常に楽しいと感じています。リハのときも、衣装さんやメイクさんと話しているときも楽しいですし、歌子を演じる前後も含めて全部が楽しいです。どの作品でも楽しいと思うことが多いですが、役の掘り下げ方など学んできた今までの経験のおかげで、今回また違う形で取り組めていて、そういうことも楽しいなと思います。

――演じた歌子さん、もしくは栄一さん&千代さんから学べたことや影響を受けたことはありますか?

栄一さんも千代さんも、自分のためではなく人のために生きたいという思いが強い方で、その考え方はとても尊敬しています。人のために生きる姿を見て、こういう方がいたから今の日本ができているんだなと思いました。