JR京葉線の新習志野~海浜幕張間で開業予定の新駅、幕張豊砂駅の建設工事が進んでいる。駅前の商業施設「イオンモール幕張新都心」からも、一部の場所で新駅や京葉線の列車を見ることが可能。高架となる上りホームの屋根など確認できる。

  • 工事の進む幕張豊砂駅を京葉線の上り列車が通過

新習志野~海浜幕張間の新駅に関して、千葉県・イオンモール・千葉市の3者を構成員とする「幕張新都心拡大地区新駅設置協議会」とJR東日本が2018年4月に基本協定を締結し、2020年7月下旬に本格着工。開業予定時期を2023年春とし、建設工事を進めている。今年6月に駅名案の募集が行われ、幕張新都心の「幕張」と、「イオンモール幕張新都心」の所在地でもある地域名「豊砂」を組み合わせた「幕張豊砂(まくはりとよすな)」を駅名とすることが決まった。

幕張豊砂駅は新習志野駅から約1.7km、海浜幕張駅からも約1.7kmの距離にあり、所在地は「千葉市美浜区浜田内」。駅舎は鉄骨造り1階建てとされ、線路・ホームの南側、「イオンモール幕張新都心」の「ファミリーモール」に面した場所に設置される。新駅予定地と「ファミリーモール」に挟まれた土地は現在、駐車場やバスロータリーなどに使用され、「イオンモール幕張新都心ファミリーモール」バス停から海浜幕張駅や新習志野駅・津田沼駅などへバスが運行される。将来的に駅前広場が整備され、新駅開業と同時期の供用開始をめざすという。

「イオンモール幕張新都心」は「グランドモール」「ペットモール」「ファミリーモール」「アクティブモール」の4エリアで構成され、国内最大級ともいわれる商業施設。幕張豊砂駅に最も近い「ファミリーモール」では、3階の「スカイパーク」をはじめ、「ペットモール」への連絡通路からも工事の進む新駅を見ることができる。幕張豊砂駅が開業することで、「イオンモール幕張新都心」や「コストコホールセール幕張倉庫店」といった商業施設への利便性が向上するほか、周辺道路の混雑緩和なども期待される。

  • 新駅予定地と「ファミリーモール」に挟まれた土地がバスロータリーとして使用され、海浜幕張駅や新習志野駅・津田沼駅などへ向けてバスが運行されている

  • 高架となる上りホームでは、屋根の一部が姿を現している。場所によっては京葉車両センターに留置された車両も見える

新駅の北側に京葉線の車両基地である京葉車両センターがある。新習志野~海浜幕張間では、途中で下り線が地上、上り線が高架となる区間があり、幕張豊砂駅もこの区間に設置される。駅南側からだと、京葉線の上り列車は地上からでも眺められるが、下り列車はほとんど見えない。

「幕張新都心拡大地区新駅設置協議会」とJR東日本千葉支社が2020年10月に発表した「幕張新都心拡大地区新駅の事業進捗について」で示された中央部断面図を見ると、下りホームは線路南側の地上、上りホームは線路北側の高架上に設置され、エレベーター等で下りホーム・上りホームを行き来できる構造になっている。ホームは10両対応。エレベーターの他に多機能トイレも設置される。