飛鳥時代のスーパースター、聖徳太子。その“ふるさと”といえば、奈良県のほぼ真ん中に位置する「明日香村」です。村内は歴史的に見ても、ビッグネームなスポットが多く、“村まるごと遺跡”といっても過言ではないほど、見どころが多い場所。ひとたび古墳や遺跡の見学会を行えば、村の人口よりも多い、1万人クラスの歴史ファンが全国から大集結することも……!

  • 初めての明日香村観光 おすすめモデルコース編

また近年は、おしゃれなカフェも急増中。歴史ファンならずとも、ゆるい時間を過ごせる「チル旅」の旅先としても注目です。

今回は、そんな「明日香村」にフォーカス。全6回に分けて、さまざまな視点から楽しみ方をご紹介します。第1回目のテーマは、初めて訪れる人におすすめの半日モデルコース。「明日香村」のイロハを知る旅へ、お連れします!

【13:00】古都ならではの駅!ほっこり感漂う「飛鳥駅」

  • 国宝「高松塚古墳」の壁画をモチーフにした、かわいらしいパネルがお出迎え

喧騒から抜け出して、のどかな町並みが広がる明日香村へ。

まず足を運んだのは、旅の玄関口となる近鉄吉野線「飛鳥駅」。こちらの駅は、駅前がきれいに整備され、広々としています。

棚田状の花壇に無造作に置かれたパネルは、かつて極彩色壁画の出現により日本で空前の“古代史ブーム”を巻き起こした、あの国宝「高松塚古墳」の壁画がモチーフです。

パネルに近づいてみると、女子群像や男子群像の登場人物だけでなく、東西南北の壁に描かれた四神まで!さすが、古都・明日香村。ほっこりしてるけど、実はスゴイ。駅前の装飾もオンリーワンです。

  • 何かと便利な「飛鳥総合案内所 飛鳥びとの館」

駅前にある「飛鳥総合案内所 飛鳥びとの館」は、「道の駅 飛鳥」の施設の一つ。観光パンフレットも豊富にあり、明日香村のお土産もたくさん。コンシェルジュが常駐しているので、旅の相談を気軽にできるのも嬉しいところです。

あちこち観光したい人なら、ここでお得に明日香村巡りができる「飛鳥王国パスポート」を入手するのがベスト。1冊100円で、各種割引チケット付き。観光ポイント、スタンプ帳、MAPなどなど、いろいろ活用できます。

【13:30】「あすか夢販売所」でご当地ソフトクリームを満喫

  • 甘酸っぱいイチゴ感がはんぱない!

「道の駅 飛鳥」の「あすか夢販売所」には、明日香村へ来たらぜひ一度は食べてほしいソフトクリームがあるんです。

それが、この「あすかルビーのソフトクリーム」。奈良が誇る赤い宝石「あすかルビー」を使ったソフトクリームで、フレッシュないちごをがぶっとかじっているような贅沢な味わい。一口ごとに甘い幸せを感じられます。

【14:15】フォトジェニックな日本の原風景が広がる「稲渕棚田」

  • 多くのカメラマンが足を運ぶ人気の棚田

「飛鳥駅」から車で約10分。やってきたのは、奈良県で唯一、日本の棚田百選に選ばれた、奥飛鳥にある「稲渕棚田」です。

美しい里山の風景に、ふわりと風香る稲の香り……。秋の彼岸頃には、田んぼのあぜに真っ赤な彼岸花が咲き誇り、田んぼに水が入る初夏(6月始め頃)の田植えの時期には、きれいな水鏡が広がります。

  • 9月中旬のコンテスト終了後も、11月上旬ごろまで展示されるので、長い間楽しめるのが嬉しい!

「稲渕棚田」で“ゆるさ”をとことん楽しむイベントといえば、秋に行われる「案山子コンテスト」。毎年、その年に話題になった人物や人気キャラの案山子が登場し、見る人の目を楽しませています。

2021年は「マスクの似合う案山子」がテーマ。棚田のあちこちに、マスクを付けたスポーツ選手や時の総理大臣、アニメのキャラたちが、明日香村で独自の進化を遂げています。

ちなみに「優秀賞」の一つは、圧倒的パワーを放つ、鬼滅の刃の炭治郎&禰豆子でした。よく見ると、分身しすぎた禰豆子も、ちゃんと全員マスクを付けています。

  • えっ、お、お、大谷選手?

「案山子コンテスト」の目玉、ジャンボ案山子にも注目です。青空の下、突如出現した高さ5mの巨大な案山子は、もしや……!?と思ったら、やはり二刀流の大谷翔平選手でした。

明日香村の案山子は、それぞれクセが強く、オリジナリティーあふれる力作&傑作ぞろい。旅にユーモアを求める人なら、きっとじわじわとハマってしまうはず。

2022年のジャンボ案山子は、やはりビッグボス新庄監督なのでしょうか……。来年のコンテストにも期待が高まります。

  • 「案山子ロード」の先には、想像を超える絶景が

さらに、どんどん案山子ロードを歩いていくと、棚田を一望できる「朝風(あさかぜ)峠」にたどり着きます。

視界いっぱいに広がる、壮大な田園風景にうっとり。「映え」という言葉では収まりきらない、大きな感動が味わえますよ。