【15:15】明日香村の古墳といえばここ!「石舞台古墳」
「稲渕棚田」から車を走らせること約5分。明日香村の国営公園に隣接している特別史跡「石舞台古墳(いしぶたいこふん)」に到着です。
古墳というと、土に埋まっているイメージをお持ちかもしれませんが、「石舞台古墳」はビジュアルが特殊です。もともとは墳丘墓でしたが、現在、盛り土の大半が失われ、石室がむき出しの状態。7世紀頃に絶妙なバランスで組み立てられた巨岩が、今も当時のまま残っているんです。
石の重さを計算すると、合計2,300トン。2トントラックで換算すると1150台という、とてつもなくスケールの大きな古墳です。
石室の内部に入ってみると、外は寒いのに、中はほんわか暖かさを感じます。そして、なんと言っても迫力がスゴイ。古代からこの状態だったと思うと、荘厳な気持ちになりますよね。
「石舞台古墳」の被葬者については諸説ありますが、有力候補は、蘇我馬子(そがのうまこ)です。
人の手できれいに磨かれた石の側面や、ここまで巨岩を運ぶ労力や資金力を考えると、やはり豪族・蘇我氏のお墓に違いない……そんな未知なる世界への“ワクワク感”を感じられずにいられません。
【16:00】一大“古代史ブーム”を沸き起こした「高松塚古墳」へ
次にやってきたのは、「石舞台古墳」から車で10分と近い「高松塚古墳」。始めにご紹介した「飛鳥駅」の駅前にあるパネルのモチーフになった、明日香村では有名すぎる古墳です。
外観は可愛らしいコロンとした形。作られたのは7~8世紀ごろで、1972年に地元の人が生姜を埋蔵するために穴を掘ったところ、偶然見つかったのがきっかけで、本格的に調査が始まりました。
ここで見つかった壁画は、そのままだとカビなどによる劣化が進んでしまうため、石室ごとに解体して別の場所で保存されることに。そのため、今は中は空っぽで、取り出した壁画は年に数回、「高松塚古墳壁画修復作業室」で限定公開しています。
ただし、人数も日数も限られるため、壁画を見るのは至難の業。毎回、抽選になるほどの人気で、なかなか見ることができません。……そう聞くと、俄然、興味がわきませんか?
今回は特別に、修理作業室の公開見学に参加したので、その様子もご紹介します。
流れとしては、セミナールームで10分間ガイダンス映像を見た後で、壁画修復室へ向かいます。見学時間は10分だけ。
ドキドキしながら、修復室の窓をのぞくと、むかし日本史の教科書で見た「飛鳥美人」が目の前に…!! 肉眼でもくっきりと顔が分かるので、ちょっと目がウルウルしてしまいます。
そして、嬉しいのは、出口付近のテントで、職員の方に質問できること!あれこれいろんな「?」を解決できて、より飛鳥時代を身近に感じられる貴重な時間でした。
古代ファンの方は、HPをチェックして、修復作業室公開日の抽選にチャレンジを!
【16:45】気軽にのぼれる「甘樫丘」で絶景を
さて、古墳を満喫した後は、明日香村が誇る絶景スポットへ向かいます。
「甘樫丘(あまかしのおか)」は、標高約150mの低山ながら、素晴らしい景色が望める場所。道もしっかり舗装されていて、軽い気持ちで訪ねられます。
しかも散策ルートには、万葉集に出てくるハイレベルなクイズが盛りだくさん。一応、ヒントもありますが、死ぬほど難しい…。笑 友達同士でクイズにトライすれば、わいわい盛り上がれそうです。
ゆるゆると15分ほど歩くと、頂上に到着。石のベンチも置かれていて、ゆっくり座りながら景色を眺められます。
お盆をひっくり返したように見えるのが「天の香具山(あまのかぐやま)」、その左側に見えるのが「耳成山(みみなしやま)」、さらにすーっと目線を動かせば「畝傍山(うねびやま)」、大和三山が。
そして、ぐるっと反対側に回ると、のどかな明日香村の景色が広がります。
今から1400年前の飛鳥時代。この場所には、古代政治権力を握った蘇我入鹿(そがのいるか)や蘇我蝦夷(そがのえみし)の邸宅がありました。
ここに家を建てたのは、政治の中心地だった飛鳥エリアを見下ろせるから。この景色を蘇我氏も見ていたのかも……と想像すると、じんわりと歴史ロマンが染み渡ります。
ちなみに、この季節「甘樫丘」にはコキア畑があり、もりっと可愛らしいコキアが植えられています。秋から冬にかけては、真っ赤に色づくので、SNSやHPで確認しながらタイミングを合わせて訪れるのもおすすめですよ。
他の季節は、菜の花やひなげし(ポピー)、秋桜(コスモス)などが植えられています。その季節の美しい景色が楽しめる「映え」スポットです! ※植えられる植物は、その年により変わることがあります。
【18:00】「...pani (テンテンテンパニ)」で特製「飛鳥鍋」の夕食
ほどよく運動をしたら、お腹がぺこぺこに。夕食をいただきに、「飛鳥駅」の駅前ロータリーにある「...pani (テンテンテンパニ)」へやってきました。
こちらは、土・日曜と火・水曜のみ営業しているテイクアウトスタイルのお店。いつもは旬のフルーツを取り入れた季節のスムージーやフルーツティーなどを提供していますが、冬は完全予約制で、オリジナル飛鳥鍋 (ひとり鍋)を食べられます。
女性オーナーが作る飛鳥鍋は、疲れた体を芯から元気にしてくれる、からだ想いのヘルシー鍋。豆腐をミキサーにかけて牛乳でわり、大和肉鶏の出汁でことこと煮こみ洋風に。自家製玄米餅の巾着や手作りの若鶏のつくねも、ここでしか味わえないご馳走です。
そして、シメのリゾットがまたおしい!お米ひと粒ひと粒に、様々なうまみがたっぷり。「胃袋がもっと欲しい!」と思わずにはいられません。
さらに、これだけでは終わりません。食後のデザートは、なんとフルーツたっぷりのパフェ!旅の終わりに、フレッシュなフルーツに満たされて、なんとも幸せな気分……♪
「家の近くに、こんなお店があったら良いのに!」そう思わせてくれる名店です。
<半日でも大満足の明日香村へ!>
わずか半日で、充実度が高い時間を過ごせる明日香村。人が多すぎないので、安心安全に観光できますよ。次回2回目は、ちょっとディープな明日香村をご紹介します。お楽しみに!