読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『アンラッキーガール!』(毎週木曜23:59~)に出演する女優の若月佑美。福原遥、高梨臨とともに、とにかくツイてなさすぎる“世界一不運”な女性を演じているが、そんな今作に前向きな気持ちになれるという魅力を感じている。

グループを卒業して3年。思い描いていた活動ができているという彼女は、女優業や二科展8年連続入選の実力を持つ絵にとどまらず、「マルチにいろんなところで全力を尽くしたい」と、飽くなき好奇心を覗かせた――。

  • 『アンラッキーガール!』に出演する若月佑美 撮影:蔦野裕

    『アンラッキーガール!』に出演する若月佑美 撮影:蔦野裕

■役に入り込んで苦手な料理も「おいしい」

――まずは、台本を読んでの印象を教えてください。

最初は自分のセリフ関係なく読んでいたんですが、続きがすごく気になるめちゃくちゃ面白い脚本だなと思って! バカリズムさんが語りとして、ストーリーテラーの立ち位置でいらっしゃって、それも絵本や漫画を読んでいるような気持ちになって面白いなと思ったのが第一印象ですね。

――体を張るシーンも結構ありますよね。

そうなんです。戦いでも何でもないのにアクション部のスタッフの方が現場にずっといらっしゃるんです。私は男運がない女性の役なんですけど、すでに男性から2度ほど投げられて、路上に転がりました(笑)

――路上にマットなどは敷いてあったのですか?

敷いてるときもあるんですけど、地面が映っちゃうので、普通にそのままアスファルトに転がされてます(笑)

――なかなか大変な撮影ですね! 福原遥さんはクランクインで泥だらけになっていましたし。

私の役は最初、それを他人事だと思って笑ってるんですけど、そんなことはなく、どんどん巻き込まれていきます。

――以前はバラエティで結構体張ることもありましたよね。

粉かけられたり、クリーム砲浴びたり、クリームパイを食らったこともありますから(笑)

――もうドーンと来いっていう感じですか?

そうですね。でも、女優というお仕事をさせていただくようになって、何でもできちゃう気がするんですよ。普段、自分が苦手なことでも、気持ちが切り替わるというか、違うスイッチが入って全然やれちゃうんです。

――そこまで役に入り込めるんですね。

例えば私、トマトが苦手なんですけど、トマトが出てくる料理も「おいしい」って言って全然食べられるようになりますね。それはお仕事としてやらせていただいているので、自分の勝手な事情でイエス・ノーを決めるのは違うと思うのと、自分のやる役が好きなら私も好きにならなきゃと思って自然に食べられるんです。

――その役を経験して、嫌いな食べ物が克服できるわけじゃないんですね。

はい。元に戻りますね(笑)

――「男運ゼロでダメな男を好きになってしまう」という役柄ですが、そのあたりも含めて今回演じる香さんに共感するところはありますか?

香ちゃんは運という目に見えないもののせいもあるんですけど、半分は本人が持ってる性格がゆえにというところもあるんですよね。世話好きだったり、尽くしたがりだったり、誰かに愛されるために自分もその分だけ愛さなきゃいけない、返さなきゃいけないという気持ちになっちゃう、ちょっと自己否定があるような子なんです。私も自分に自信がなかったり、自分のことをそこまで好きではなくて、すごく世話好きで、男女問わず何でもしてあげたくなっちゃうので、香ちゃんの気持ちはすごく分かります。だから、役としては考えやすかったです。

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■まさかのうっかり…薬局の扉に突っ込む

――“アンラッキーガール”な部分も共感しますか?

私はちっちゃいことでアンラッキーなことが結構あるんですよ。お風呂のお湯をためたと思ったらフタが閉まってないとか、遠征のときはいつもシャンプーとトリートメントとボディソープを持参していくんですけど、全部ボディソープだったときもあって、そのときは発狂しました(笑)

――結果としては不運ですが、原因はご自身のうっかりでもありますね(笑)

そうなんです。基本はしっかりしてるタイプではあるんですけど、たまにぶっ飛ばしますね(笑)。疲れてるときに本当に分かりやすく出ちゃうタイプで、階段から落ちたりもします。1人で落ちて誰にも言えなくて恥ずかしいから、マネージャーさんに「今、階段落ちました」ってよく連絡するんです。窓ガラスがあるのに気づかなくて、薬局の扉に突っ込んだこともありました(笑)

――えっ!? これまでの役柄からもしっかり者のイメージがあるので、意外です。

ちょいちょいてんやわんやしてしまうところも、今回の役柄に似てると思います。ありがたいことに(笑)

――今回のドラマを通して、「運命」というものに対しての考え方に変化はありましたか?

自分が不幸になると「何で私だけこうならなきゃいけないの?」って思ってしまいがちなんですけど、幸(福原)のセリフで「私の不運で、別の誰かがラッキーになってるんじゃないかって」というのがあって、とても素晴らしい考え方だなと思ったんです。たしかに、自分もそう思って奮い立たせることがあったり、勝負があるときって勝つ人がいるためには負ける人がいなきゃいけないということもあるから、幸のセリフをいっぱい聞いてそういう生き方ができたらとっても素敵だろうなって思いました。

――見ている人も前向きになれるドラマですね。

誰かのためにもなれるし、誰も傷つけないし、何なら自分の気持ちも守れて負の連鎖にいかない感じがとても魅力的ですよね。放送が深い時間なので、そういうときこそ先入観なく見れて、いろんな思いを巡らせることもできるし、ただただ何も考えずに笑うことで良いほうに作用することもあると思うので、ぜひ見ている方にもいろんな感情をゲットしてほしいなと思います。