女優の剛力彩芽が7日、東京・初台の新国立劇場小劇場で行われた舞台『2つの「ヒ」キゲキ』(同所にて10月14日まで上演)の囲み取材に、水野美紀、矢島弘一氏、和田雅成とともに出席した。

  • 前列左から矢島弘一、剛力彩芽、和田雅成、水野美紀、後列左から水原ゆき、宮下貴浩、真凛、富田翔、椎名鯛造、福田ユミ

本作は、共通のテーマ「悲喜劇」に応じて、水野と矢島氏の2人がそれぞれ脚本を書き下ろし、1幕と2幕でひとつの作品として上演。その2つの別々の物語がリンクしていく2作品同時上演作品となり、1幕『パンティーアナキズム』の脚本・演出を担当した矢島氏は「女子高生のヒエラルキーから、そのあと成長したときに、とある事件をきっかけに桜子(剛力)がどう成長していくかという話です」と説明し、水野は「とある劇場で本番中に事故が起きて、舞台上で演技中だった役者さんたちがみんな死んでしまって、その役者さんたちを成仏させるべく、画策するおばちゃんたちのお話で、ある日突然、普通からはみ出してしまった人たちが、どうやって幸せになっていけばいいかというのを根底に思いながら書いた作品です」と紹介。

そんな2作に出演する剛力と和田は、それぞれの役どころを聞かれると、和田は「矢島さんの作品では、剛力さん演じる桜子のクラスメイトの男子で、桜子に影響を与える人物です。水野さんの作品では主人公のタクト・聖という役をやらせていただいて、僕の持っているものすべてで勝負させていただいています」と気合を入れ、剛力は「矢島さんの作品では、常に何かに葛藤していて、眉間にシワが寄っているような女の子で、ただその感情は誰しもが持っているものだと思うので、そこをバランスよく表現できたらいいなと思っています。水野さんの作品では小田島Xという役で、難しい役ではあるんですけど、根底にあるものは母性です。真逆なキャラクターを演じさせていただくので、めちゃくちゃやり甲斐があるなと思いながら、どっちも人の感情というものがちゃんと伝わったらいいなと思ってお芝居をしています」と目を輝かせた。

また、女子高生役を演じると聞いた際、どのように思ったかと尋ねられた剛力は「"大丈夫かな…"って思いました(笑)。久しぶりの制服だったので、"大丈夫かな…"って思いながら、でも衣装合わせをやったときに『全然イケるね』って言っていただけたので、安心して女子高生になりきろうって思っています」と声を弾ませ、2幕の役には母性があると紹介したことから、自身も母性を感じる瞬間はあるか質問されると「私は仲がいい子は後輩の子が多いので、母性と言っていいのかわからないんですけど、面倒を見るのは好きです。でも子どもとかも大好きなので、そういったところでは、自分自身にも少なからずあるのかなという気はしています」と笑顔で語った。

さらに、同舞台のタイトル『2つの「ヒ」キゲキ』にちなみ、自身の人生を振り返ると悲劇と喜劇のどちらが多かったか質問された剛力は「喜劇。毎日楽しいですよ。悲劇はあまりない気がします」とキッパリ。和田は「やっぱり悲劇が多かったですね(笑)。でも生きているとどっちも経験するんですけど、今はそれすらも楽しめるようになりました。どっちも喜劇に変えられるようになりましたね」と語った。