前田は、三生のこれまでの道のりを振り返り「三生が成長したというよりは、地元の人たちに見守られていくなかで、徐々に殻を脱いでいくことができたのではないかと。ようやくちゃんとお坊さんになると決め、みんなに髪を剃ってもらい、町の人に慕われる副住職になっていくのですが、きっとこれからも三生は、まだまだ成長していくと思っています」と、三生として地元の人々への感謝の思いを口にした。

また、寺を継ぐことに対する三生の心の迷いについて「僕自身も幼稚園の頃からお芝居を始めましたが、最初はお芝居することが楽しいという以前に、オーディションに受かるのが楽しいというところから始まりました。その後、俳優という仕事を意識し出して、家業ではないにしろ、なんとなく自分の行く道があるといった学生時代を過ごしてきました。僕も俳優業を仕事にするかどうかで悩んだ時期もあったので、そこは共感できるところはありました」と言う。

さらに前田は、今後の三生について「三生の台詞で『般若心経はテクノだよ』という台詞があるのですが、三生らしい捉え方だなと。震災の時、実家の寺での親父の役割を見て、怖気づいて一度は逃げ出した三生ですが、それを乗り越えるだけじゃなくて、そこに新たな楽しみを見つけるというか、幼なじみに笑って話せるくらい自分の仕事に誇りを持っている点がいいですね。そういう三生の素直さや熱さが、僕はすごく好きです」と語った。

一方で、昔から地元が大好きで、地元に就職すると決めていた悠人。有言実行で公務員となった悠人について高田は「悠人は、地元愛が職に結びついて、役所に務めることになったわけです。そこは夢が叶ったわけですが、これからはただ地元が好きだということだけではなく、地域に尽くしていくから、地元への思いもどんどん成長してきているのかなと。1つのことを追求する探究心は、個人的にも共感できるし、悠人の好きなところでもあります」と悠人の頼もしさを語った。

いよいよ終盤にかけて盛り上がりを見せてきた『おかえりモネ』。モネが会社でプレゼンをした「あなたの街の気象予報士、全国津々浦々計画」は果たして実現するのか。今後の展開に注目だ。

■前田航基(まえだ・こうき)
1998年12月13日生まれ、大阪府出身。子役としてデビュー。2007年に弟の旺志郎とお笑いコンビ・まえだまえだを結成し、芸人としても活動。2011年に映画『奇跡』で弟と共に映画主演を務める。主なドラマ出演作はNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』(17)、『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(18)、映画は『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』(15)、『ハルチカ』(17)、『人狼ゲーム ラヴァーズ』(17)、『町田くんの世界』(19)、『任侠学園』(19)、『キネマの神様』(21)など。
■高田彪我(たかだ・ひょうが)
2001年10月23日生まれ、東京都出身。2014年に田中雅功とのフォークデュオ・さくらしめじとして音楽活動を開始。連続ドラマ『5→9~私に恋したお坊さん~』(15)でドラマ初出演。そのほかのドラマ出演作は『家族ノカタチ』(16)、『FAKE MOTION-卓球の王将-』(20)など。

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