PARCO PRODUCE『ブライトン・ビーチ回顧録』のフォトコールが18日に東京・東京芸術劇場 プレイハウスで行われ、佐藤勝利、松下由樹、入野自由、小山ゆうな(演出)が取材に応じた。

  • 左から松下由樹、佐藤勝利、入野自由

    左から松下由樹、佐藤勝利、入野自由

同作はブロードウェイの大御所作家ニール・サイモンによるコメディ。サイモンの少年時代を描いたとされ、貧しくもたくましく生きるユダヤ人一家と、性に目覚め、戸惑いながらも成長してゆく思春期のユージンの姿を描いた。ブロードウェイでの上演は1,306回を数える大ヒット作で、83年の初演でユージンを演じたマシュー・ブロデリックはその年のトニー賞を受賞、85年にはPARCO劇場にて日本初演され、大好評を博した。佐藤勝利、松下由樹、入野自由、須藤理彩、川島海荷、 岩田華怜、神保悟志が出演する。

佐藤が14歳のユージン、入野が兄のスタンリーを演じるが、入野が「観ていただくと分かると思うんですが、まさに一緒だなと思っています。というのも、兄ではあるんですけど、基本的にユージンにいろいろ助けてもらったりとか、色々サポートしてもらっていて」と説明すると、佐藤も「めちゃくちゃ助けてます」とニヤリ。

佐藤は「自由くんはゲネプロ前とかに『大丈夫だよ』『お前ならいける』と毎回励ましてくださるんです。でも、袖でスタンリーの登場のタイミングの自由くんを見たら、この世の終わりぐらいに緊張していて。誰がアドバイスをしてたんだろう? というくらい」と暴露し、入野は「昨日やらかしたからね」と苦笑する。佐藤は「僕も緊張しいなんですけど、僕よりも緊張していた方を見て、逆に緊張しなくなって。お互い励まし合いながら」と明かした。

入野も「舞台上でもそうですけど、勝利くんのこの笑顔を見ると『大丈夫』と。年齢感を意識するよりも稽古場でコミュニケーションをとってきたありのままを、そのまま舞台上で伝えていけば、きっといい作品になると信じております」と2人の関係性に自信を見せ、母親役の松下も「本当にかわいい2人の息子で、見とれないように気をつけています」と語った。

初のストレートプレイ主演という佐藤は「全部が初めてだったので、稽古の始め方からどういうふうに進んでいくのかというところまで、今日も含めて本当に毎日新鮮で、皆さんに支えてもらい、質問しながら今日まで来れました」と振り返る。「小山さんやスタッフさんからアドバイスをもらう時間を『ノート』と言うとか、衣装合わせが『衣装パレード』とか」と新しく覚えた言葉もあり、「僕、パレードに参加するのかな? 街を巡り歩くのかな? と思うくらい。わからないワードは全部自由くんに質問してました」とまさに支え合っていたようだ。

一方、ムードメーカーとしての入野について、佐藤は「自由くんが稽古場でたまにすごいミスをするので……」と紹介し、入野は「やめろやめろ!」とツッコミ。佐藤は「僕がそれにツッコんで、自由くんのおかげで楽しくできている。そこで皆一致団結する」と感謝する。入野は「そのやりとりを積み重ねていったところに兄弟感が生まれた気がして、いっぱいミスして良かったなと思います」と締めていた。