特撮テレビドラマ『仮面ライダーゼロワン』(2019年)のスピンオフ作品として製作された東映Vシネクスト『ゼロワンOthers 仮面ライダーバルカン&バルキリー』(監督:筧昌也)のBlu-ray&DVDソフトが、東映ビデオから11月10日に発売される。

本作は『仮面ライダー滅亡迅雷』に続く『ゼロワンOthers』シリーズの第2弾にして、『仮面ライダーゼロワン』の完結編となるエピソード。今回は、仮面ライダーゼロワン/飛電或人(演:高橋文哉)とは異なる立場で人類とヒューマギアのために命を懸けて戦う2人の仮面ライダー、仮面ライダーバルカン/不破諫(演:岡田龍太郎)と仮面ライダーバルキリー/刃唯阿(演:井桁弘恵)にスポットが当てられた。

  • 井桁弘恵(いげた・ひろえ)。1997年2月3日生まれ、福岡県出身。数々のCMに出演し、女性ファッション雑誌のモデルとしても活躍。女優として映画『デスフォレスト 恐怖の森5』『ひだまりが聴こえる』『4月の君、スピカ。』などに出演。『イソップの思うツボ』(2019年)で主演を務めた。ドラマ出演は『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』『警視庁・捜査一課長』『お耳に合いましたら。』など。特技はテニス・博多弁・美味しそうに食べること。撮影:大門徹

不可解な暴走を始めた仮面ライダー滅亡迅雷は、次の標的をA.I.M.S.隊長・仮面ライダーバルキリー/刃唯阿に定めていた。さらに、いまや ZAIA エンタープライズの呪縛から逃れた兵士型ヒューマギア=ソルドたちも、自由を求めてA.I.M.S.との全面戦争に乗り出していく。一方、滅亡迅雷.net の4人の壮絶なる最期を目撃した不破諫は彼らの真意に気づき始めていた。あくまで自らの正義を貫き、仮面ライダー滅亡迅雷やソルドたちとの戦いを拒み続ける唯阿の運命は如何に。そして、ひとつの覚悟を決めた諫は仮面ライダーバルカンとして、最後の使命を果たそうとしていた――。

公開記念インタビュー、今回は仮面ライダーバルキリー/刃唯阿役・井桁弘恵にご登場いただいた。ZAIAエンタープライズジャパンの元社長・天津垓(演:桜木那智)の支配から逃れ、自分の信じる正義を貫く道を歩き出した唯阿は、人間とヒューマギアの区別なく、共に等しく心のある“命”として守るため、全力を尽くす。努めてクールにふるまい、自身の内なる感情を他人に見せまいとする気丈な唯阿のキャラクターは、本作でも印象的に描かれている。唯阿の最後の戦いを描いた本作の見どころや、『仮面ライダーゼロワン』で唯阿を演じた1年以上もの期間で井桁が“つかんだもの”を尋ねてみた。

――本作『バルカン&バルキリー』で井桁さんが特に強く印象に残ったシーンがあれば教えてください。

(不破諫との)同時変身をする直前、唯阿を狙った仮面ライダー滅亡迅雷の攻撃を不破が阻止するシーンですね。最初はあんな風に素面でのアクションがガッツリあったわけではなかったんです。不破が滅亡迅雷に飛びかかって、転がって止める……という動きになった時点で、唯阿はそこに立っているだけでいいのかなと思ってしまって、私も横方向に転がる動きをやりたいです、と提案したんです。もちろん自分からやりたいと言ったわけですから、ヘマはできないなと覚悟して、これで最後だからやるしかない!と勢いをつけて臨みました。

――ご自分からアクションの提案をされるというのは、やはりテレビシリーズを1年間こなしてきた経験あってのことなのでしょうね。

そうですね。テレビシリーズの撮影が始まったころなら、こんなことやりたいと思っても技術的にできない可能性があるし、だったら言わないほうがいい……みたいに考えていましたが、1年間でいろいろなアクションを経験し、アスファルトの上で転がるというのも感覚をつかんでいるので、ぜひやらせてほしいと申し出たんです。あの場面では、唯阿がただ不破に守られているだけではいけない、いたくないと強く思いました。

――回想シーンとして、唯阿の大学生時代の姿が出てきました。現在のカッコいいスーツ姿や戦闘服姿を見慣れていたものですから、普通の大学生風の衣装には強いインパクトがありました。

衣装はいくつか候補を出していただいた中から、リアルな女子大生っぽいものにしました。派手ではなく、かといってめっちゃダサいこともないという……。唯阿はA.I.M.S.の技術顧問になるくらいですから、大学時代はすごく勉強を頑張っていたはずで、あまり外見には注意を払っていなかったんじゃないか、と考えて役作りをしました。

わりと、私の姉がそういうタイプなんです。勉強するのが大好きで、お金はファッションよりも勉強に費やす感じ。私の洋服を“お下がり”で着たりするんです(笑)。そんな姉を参考にして、真面目な雰囲気が伝わるような衣装を選びました。

そういえば、あのシーンの唯阿はメガネをかけていたでしょう。あれには裏話があって、最初に決めていた小道具がなぜか現場で用意できなくて、テストのときはリオン(演:ジェイ・ウエスト/『仮面ライダー滅亡迅雷』に登場)がかけていたサングラスで代用してたんですよ。でも、いくらなんでもこれじゃないでしょって(笑)。最終的に、スタッフさんのかけていたメガネを使わせてもらったんですけど、本物のメガネですから度がキツくて、演技をするのがたいへんでした。終わったら、眼がクラクラしていました。