佐藤さんの疑問(2)教育費や生活費もかかるし返済が不安、本当に返せる?

「住宅購入でかかる費用の全体像が分かりました!無理せず返せる金額も分かったのですが、今後の子どもにかかるお金や生活費が上がることも視野に入れると、まだ本当に返せるか不安です...」

FPからのアドバイス(2)家計診断からライフプランを作成しましょう

住宅購入において、単純に土地と建物の予算を決めず、住宅を購入した後でも安心して暮らせる総額の資金計画を立てることが大事です。

現在の家計から今後の収支を計算することが必要ですが、複雑な計算になりますので個人で行う場合にはライフプランのシミュレーションツールを活用すると良いと思います。

相談者:佐藤様の予算を確認

それでは、ご相談者の佐藤さんはいくらの予算が組めるか計算してみましょう。以下の順番で考えると適正な予算が組めます。

(1)安心して毎月返済できる金額を返済負担率から考える

【計算方法】毎月返済額=年収×25%(年収負担率)÷12カ月。ボーナス時加算なしの場合。借入額は金利0.5%、35年返済として試算。

350万円×25%÷12カ月=72,916円 住宅ローン借入額 約2810万円

この金額では、土地+建物を考えると都内で購入は難しいです。そのため、今回の場合は夫婦の年収を合算させる「収入合算」を検討した方が良いでしょう。「収入合算」とは、夫婦や親子などで収入を合算し、世帯収入を増やすことで住宅ローンの借入可能額を増やすことができます。そうすると以下の計算式になります。

700万円×25%÷12カ月=145,833円 住宅ローン借入額 約5620万円

※金融機関によっては「本人の収入の50%まで」という条件もありますが、今回は「合算者の収入全部」という設定にします。

(2)購入時に現金で用意する金額を考える

【計算方法】物件価格を5000万、購入時諸費用は物件価格の8%に設定、生活費を30万として試算。

「購入時諸費用」・・・物件価格×10%=5500万×8%=440万
「生活予備資金」・・・生活費×6カ月分=30万×6カ月分=180万
(「住宅ローンの頭金」・・・物件価格×10%=5000万×10%=500万)
※頭金は必ず用意しなければならないというものではありません

つまり、今回の場合は夫婦二人で手元に620万円の現預金があれば、土地と建物で総額5620万円の予算を組める、ということになります。この金額であれば、場所次第で都内でも注文住宅を建てることができます。

佐藤さんの感想

「何となくで予算を決めるのではなくて、やはり具体的にシミュレーションして金額を出し、自分で考えられなかったことをFPさんから聞くと、非常に参考になりますね。その予算で住宅購入を考えた場合のライフプランシミュレーションが見たいので、引き続きご相談させてください!」

まとめ

相談者の佐藤様は適正な金額を出した後でも少し不安に思われていたので、ライフプラン・シミュレーションソフトで今後の返済が本当に返せるのか、ということも一緒に確認しました。その結果大変ご納得されて、今は土地探しから住宅購入を勧めています。

住宅購入では、土地+建物+資金をセットで考えることが重要です。もし「資金計画を何となく決めている」「住宅購入した後だけど、今後の返済が不安...」という方がいらっしゃいましたら、頼れるFPと相談して今後の予算や対策を検討されることをおススメします。

この記事を執筆したカウンセラー紹介


山内壮(やまうちそう)
所属:株式会社マネープランナーズ

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