――『M-1グランプリ2019』で決勝に進出。一番の変化は何でしたか?
三島:安堵でしたね。これであと向こう10年くらい営業に行けると、それはまず思いました。
南條:仕事量が激増しましたので、決勝後の1カ月くらいで、それまでの芸人生活全部くらいの稼ぎがあったかもしれない。仕事の量だけでなく、内容も変わりました。
――今年はいかがでしょう? 意気込みのほどは?
南條:出ます!
三島:今年は会場を賑やかせればという感じです。
南條:1回目はまぐれみたいなところもあり、2回出れば実力を証明できると思うので、出るからには優勝ですね。
三島:僕はそこまで……。
――どういうことでしょう?(笑)
三島:前回で顔は売れました。2回目は1回目ほどのパンチ力はないと思うので、お祭り感覚で出たいかな。大会を盛り上げる感じで出たい。
南條:本人がこう言っているので気持ちは変えられないですが、上を目指して頑張ります!
――この狂言風スタイルの伸びしろと言いますか、可能性は感じますか?
南條:まだまだやれることがありそうだなと思っています。今まではネタを考えることが芸人の仕事だと思っていたのですが、先輩たちを見ていると、芸を磨いているというよりは技を磨く時期にシフトしている。それがこれからの課題というか、今まではネタを作ればゴールという考え方が、同じネタでもやり方によって面白くさせるというか、そういう努力をしたい。和牛さんのネタを見ていても、細かい調整がすごい。まるで精密機器をいじっているかのようです。上手に磨いていけたらいいなと思います。
――8月18日には初のDVD『すゑひろがりず結成拾周年全国行脚~諸国漫遊記~』が発売になりますが、全国ツアーの初日である4月8日のなんばグランド花月公演の模様を収録したものだそうですね。
南條:これはもう感動の幕開けで、大阪で単独ライブを初めてやったのですが、伝統あるNGKでご時世柄、間引いていましたが満席で。とんでもない大きさの拍手やったので、圧倒されましたね。その幕が上がる瞬間をまずお楽しみください。そこだけの10秒のDVDでもいいくらいです(笑)
三島:初回限定版はいろいろと特典も付きます。重箱、めちゃくちゃかっこいいです。洗ってお弁当箱にしてほしいですね。
――最後に、今後の野望を教えてください。
三島:師匠みたいになりたいとずっと思っていまして、早く師匠になって、寄席に出ている時のあの感じ。フラッと来て、フラッと笑いをかっさらって、合間は喫茶店に行ったりして、あの生活に早くなりたい。
南條:弟子を取りたいとかはない?師匠クラスの芸人になりたい?
三島:弟子はない。楽屋で師匠クラスが3~4人集まっていると、楽しそうにしゃべっているんですよ。本当にあこがれますね。人生最高やろうなと。もしかしたらご本人の中ではプレッシャーとかあるのかもしれませんが、見ているだけで本当にいいなあと。
南條:僕はこの芸風を突き詰めながら、新しいことも取り入れたいですね。同じにならないように狂言をやりつつ、ちょっとずつ新しい要素を取り入れたり、飽きられないようにしたい。10年後、まったく違う感じになっていてもいいかなと。そういう成長の仕方をしたいです。
2011年結成のお笑いコンビ。ボケ・扇子担当の三島達矢と、ツッコミ・小鼓担当の南條庄助で構成。伝統芸能風スタイルで進める独自の笑いで人気を得る。東京進出後は、大宮ラクーンよしもと劇場の専属芸人「大宮セブン」として活動し、2019年の『M-1グランプリ2019』では決勝に進出。全国区の知名度を得る。今年は自身初となる全国ツアー『すゑひろがりず結成拾周年全国行脚~諸国漫遊記~』を開催。その初日である4月8日になんばグランド花月で行われた公演を収録したDVDを8月18日に発売。また、デビュー・デジタルシングル「雅ーMIYABIー」を8月19日にリリースする。