国民年金の支払いが難しいときは減免してもらえますが、後で追納すべきか迷う方も多いでしょう。1年分をまとめて追納すると20万円前後を支払うことになります。
追納の負担は大きいものの、主に2つのメリットがあり、できる限り追納をするのがおすすめです。追納の方法や注意点もあわせて解説します。
国民年金を追納するメリット2つ
減免した期間分については、満額支払った場合と比べて、年金の受給額が減少してしまいます。追納をすることで、将来の年金の受給額を満額に近づけることができます。
年金を受け取れるのか不安に思う方もいると思いますが、国が社会保障制度として運営する、規模の大きい制度です。国が消滅しないかぎり、破たんする可能性はかなり低いです。
2つ目のメリットとして、所得税・住民税の節税につながります。追納をした分も「社会保険料控除」として、所得から差し引いてもらえるからです。
自営業者や個人事業主などの方は、利益が大きくなった年に国民年金を追納することで、上手に節税できます。
国民年金を追納する方法・手順
追納をするには、お住まいの近くの年金事務所で申し込みをします。後日、納付書を受け取れるので、郵便局などに持参して支払う流れです。
申請書類は、日本年金機構のホームページからダウンロードできます。手続きの際には、マイナンバーカード、または通知カード+運転免許証などの身分証明書の提示が必要です。
追納するときの注意点
まず支払い方法について、追納では方法が限定されます。納付書を使っての支払いになるので、クレジットカードや口座振替はできません。
次に減免されてから10年を超えた分については追納ができません。2021年7月時点であれば、2011年7月以降の分のみ追納が可能です。
3点目として減免された年の翌年度から3年度を経過すると、追納額に加算額が上乗せされます。早めに追納をしたほうがお得ですね。
任意加入制度を利用するのもおすすめ
受給額を満額に近づけるには、任意加入制度 を利用する方法もあります。60歳時点で年金の納付期間が40年に満たない場合、60歳以降でも年金の加入が可能です。
減免されてから10年を超えてしまい追納ができない分についても、任意加入によってカバーできます。
また任意加入制度なら一度の納付ではなく、毎月での支払いが可能です。追納が難しい場合にも利用してみてはいかがでしょうか。