――共演されている「人間キャスト」の方々についてのお話を聞かせてください。世古口凌さん演じるステイシーはトジテンド側の刺客として登場し、ステイシーザーにチェンジしてゼンカイザーと戦いますが、サトシと名乗って駄菓子カフェ「カラフル」に現れるなど、憎めないキャラとして描かれていますね。

世古口くんと初めてお会いしたときは、なんてキレイな顔なんだ!って思いました。同い年くらいなのかなと思っていたら、まさかの3歳年上だと知ってビックリ(笑)。すごく気さくで、こちらが気を遣うこともぜんぜんなくて、自然とフランクに接することができました。介人としても僕としても、ステイシーは何がなんでも倒さなければならない「敵」という感じじゃないんですよね。どうしたらステイシーと分かり合うことができるんだろうって思いのほうが強いです。世古口くんも僕に対して「敵と味方」の関係性を意識して演じていないんじゃないかと思います。ステイシーはヤッちゃん(介人の祖母・ヤツデ)に惹かれるものを感じて「カラフル」に出没しますけれど、これからの展開がどうなるか、今後を楽しみにしていてほしいです。

――並行世界を旅する「界賊」として派手に登場したゾックス・ゴールドツイカー役の増子敦貴さんは、華麗でリズミカルなダンスを採り入れたアクションでツーカイザーにチェンジするという美味しい役どころですね。

ヨホホイヨホホイ♪の歌とダンスで全部いいところを持っていかれます。増子くんはいつも強気なゾックスとはまったく性格が違って、最初会ったときはすごい人見知り全開だったんです。びっくりするくらい大人しくて、子犬ちゃんのようでした(笑)。特に気を遣わなくても大丈夫な世古口くんとは正反対で。スーツアクターさんと一緒にアクション練習しようよ!って誘ったら「僕、太陽嫌いなんだ。マイケル・ジャクソンも太陽が苦手だし」とか言い出して、だから何なんだ!って(笑)。天然っぷりが強烈な人でした。でも、撮影で一緒にいることが一番多く、僕とは同い年なのゲームやアニメの話で意気投合し、今ではお互い気軽に言葉を交わす仲になりました。

――ゾックスの妹・フリントを演じる森日菜美さんの印象はいかがですか。

日菜美ちゃんは、すごく自分を貫いている子だと思います。演技についても、監督から指示された動きをそのままやるのではなく、こういう考えがありますと自分の意見をしっかり言える人。そうやって、監督やスタッフと話し合ってフリントのキャラクターを作り上げようとしているんですね。一方で、撮影の合間にあっちゃんと日菜美ちゃんと僕で「親指ゲーム」とかスマホのゲーム、しりとりとかやったりするんですけど、そんなとき日菜美ちゃんのかわいい一面が見えたりしますね。まったく物怖じしない性格で、誰に対してもしっかりぶつかってくれる。男子3人の中にいても、特に気を遣ったり遣われたりしないから、一緒にお芝居をしていて楽しいです。

――とても個性の強い人たちがレギュラー入りしましたが、これまでも強烈な個性のキカイノイドたちをすんなり受け入れてきた介人だけに、どんな人でもウェルカムな感じがあって、すばらしいですね。

介人とキカイノイド4人とのチームワークが固まりつつあるタイミングで「人間キャラ」が参加して、今の雰囲気がどうなっちゃうのかなとか、どう接したらいいんだろうとか心配していたこともありました。でも、ステイシーもゾックスもフリントもみんな個性が強くて、最初からみんな自分のキャラをつかんでいましたから、すぐに「大丈夫だな」と思いました。介人は介人のやりたいことが以前と変わらずできますし、みんなもやりたいことをやっているので、すごくいい雰囲気だなって思っています。

――介人やキカイノイドの拠点で、ステイシーの密かな憩いの場でもある「カラフル」でいつもはつらつとした笑顔をふりまいているヤツデ役・榊原郁恵さんも『機界戦隊ゼンカイジャー』になくてはならない存在ですね。

郁恵さんが撮影所に来られる日は、現場の雰囲気がとても明るくなるんです。まさにスタッフさんにとっては、憧れのアイドルですから。完全に、目がハートになっている方もいらっしゃいますね(笑)。とにかく、現場での立ち振る舞い、みんなとの接し方がすばらしいんです。撮影が長く続いて、疲れているはずなのにずっと笑顔を絶やさなかったり、合間にいろんな人たちがボケると、しっかりツッコミで対応してくださったり……。周りの空気をパッと明るくする達人なんですね。介人のおばあちゃん役ということもあって、僕に対しても親しみをもって接してくださいますし、自分も郁恵さんに頼ってしまう部分がすごく多いです。スタッフ、キャストみんなが思っているはずですが、「壁」をまったく感じさせない親しみやすさが、本当にすごい。いつか無意識に「おばあちゃん」って呼んでしまいそうになるかもしれない(笑)。とても幸せな現場にいるなあって、いつも思います。

――劇中では「ピザすきやき」をはじめとするいくつかの料理が登場することがありますが、食事シーンではみなさん実際に食べていたりするのでしょうか?

みんなで食べています。どれも美味しいんですよ。劇中では、別に食べなくてもいいシーンもありますけれど、シーンが終わったら「あ、食べます」みたいな(笑)。撮影しながらも、この料理どうやって食べようか考えながら芝居をしているときがありますね。ジュランたちも、撮影中は食べられない分、撮り終わったとたんガツガツ食べ始めるんです。次のシーンの段取り、始めるよ~って言われても、みんな口モグモグさせながら集まってたりして、楽しいですよ(笑)。