ドラマや映画で「韓流」というフレーズを聞くと、ラブロマンスが思い浮かぶ人も多いでしょう。実際に地上波で気軽に見ることができる作品は、恋愛ものか王朝時代の歴史ものが人気が高いようです。日本で紹介される韓流映画も代表的な作品はラブロマンスが多いのですが、韓国映画業界はそのほかのジャンルでも優れた作品を提供しております。

韓国で製作されるアクション映画は、敵となる相手を陥れる策略の冷徹さと、徹底して叩きのめすやり方に、恐怖を感じることもあるかもしれません。また、日本と大きく違うのは、迫力あるアクションシーンです。韓国ではリアルよりも、見せることに重点を置いているため大迫力に驚かされます。

今回はマイナビニュース男女会員にアンケートを実施し、面白かった韓国のアクション映画とその理由を聞いてみました。

韓国のアクション映画を視聴したことはありますか?

「はい」(24.9%)
「いいえ」(75.1%)

調査の結果、マイナビニュース会員のうち韓国アクション映画を観た経験がある人は24.9%と、意外と少ないことがわかりました。やはり、韓流映画=ラブロマンスのイメージが強いのかもしれません。韓国アクション映画を観た会員に人気のあった作品をご紹介します。

  • 韓国アクション映画の名作トップ10を一挙紹介

    韓国アクション映画の名作トップ10を一挙紹介

おすすめしたくなるような韓国アクション映画のランキング

1位『グエムル -漢江の怪物-』(2006年公開/17.8%)
2位『シルミド/SILMIDO』(2003年公開/10.0%)
3位『チング 永遠の絆』(2013年公開/7.8%)
3位『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年公開/7.8%)
5位『オールド・ボーイ』(2003年公開/6.7%)
6位『アジョシ』(2010年公開/5.6%)
6位『殺人の告白』(2012年公開/5.6%)
8位『EXIT』(2019年公開/4.4%)
8位『哀しき獣』(2010年公開/4.4%)
9位『神弓-KAMIYUMI-』(2011年公開/4.4%)
9位『V.I.P. 修羅の獣たち』(2017年公開/4.4%)
9位『コンフィデンシャル/共助』(2017年公開/4.4%)

続いて、その作品を選んだ理由を作品ごとに紹介していきましょう。

1位『グエムル -漢江の怪物-』

ソウルを流れる漢江(ハンガン)に、突然正体不明の巨大怪物「グエムル」が現れ、人々を襲う。主人公カンドゥはさらわれた娘を救うため、家族で力を合わせてグエムルに立ち向かう。

出演/ソン・ガンホ、ピョン・ヒボン、パク・ヘイル、ペ・ドゥナ、コ・アソン、イ・ジェウン
監督/ポン・ジュノ
公開年/2006年

・「迫力あるところ」(46歳男性/生命保険・損害保険/専門サービス関連
・「ストーリーもよかった」(49歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「ハラハラして楽しい」(49歳男性/コンピューター機器/技能工・運輸・設備関連
・「韓国の怪物のSF映画は珍しいので観たが大変面白かった」(61歳男性/フードビジネス/IT関連技術職)
・「演技がよかった」(58歳男性/その他/フリーター)
・「出演者がファンの人ばかりだったのでより楽しめた。ハラハラドキドキして面白かった」(45歳女性/その他/フリーター)
・「映像が綺麗で日本の特撮映画とは比べ物にならないと思った」(44歳男性/その他/その他)

2位『シルミド/SILMIDO』

韓国で実際にあった政府による金日成暗殺計画と、特殊工作部隊の反乱事件のシルミド事件を映画化した作品。1968年4月、韓国大統領府は金日成を暗殺するために死刑囚ら31人をシルミド(実尾島)に集め、684部隊と呼ばれる極秘特殊部隊を結成。3年間の過酷な訓練に耐えた彼らに、いよいよ実行命令が下されるが……。

出演/ソル・ギョング、アン・ソンギ、ホ・ジュノ、チョン・ジェヨン
監督/カン・ウソク
公開年/2003年

・「息をつかせない展開のスピード」(63歳男性/重電・産業用電気機器/事務・企画・経営関連)
・「面白かった」(51歳/物流・倉庫/事務・企画・経営関連)
・「チープなところもあったが、実話を基にした映画だったので緊迫感があって楽しめました。」(45歳男性/その他/その他)

3位『チング 永遠の絆』

『友へ チング』の12年ぶりの続編。裏社会で生きる3世代の男たちの壮絶な人生を描く。親友を殺害した罪で服役していたジュンソクがプサンへ戻るが、組織は変貌していた。彼は組織のトップに立つウンギとの抗争を決意する……。

出演/ユ・オソン、キム・ウビン、チュ・ジンモ
監督/クァク・キョンテク
公開年/2013年

・「熱い友情がよかった」(59歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「男の友情を感じた」(42歳男性/フードビジネス(洋食)/販売・サービス関連)

3位『新感染 ファイナル・エクスプレス』

ソウルとプサンを結ぶ高速鉄道の中で謎のウイルスが発生。走行中の列車内に感染者があふれ、乗客たちを襲い始める……。感染拡大による恐怖とカオスを描いたサバイバルパニックアクション。

出演/コン・ユ、キム・スアン、チョン・ユミ、マ・ドンソク
監督/ヨン・サンホ
公開年/2016年

・「新鮮な気持ちでアクションを見られて楽しかった」(65歳男性/総合電機/事務・企画・経営関連)
・「興味がわきました」(61歳男性/通信機器/事務・企画・経営関連)
・「感染が拡大していくゾンビ映画で映像に迫力があった」(44歳男性/サービス(その他)/その他技術職)
・「猛スピードで追いかけてくるゾンビが新鮮味があって驚いた」(31歳男性/コンピューター機器/IT関連技術職)

5位『オールド・ボーイ』

土屋ガロンと嶺岸信明の漫画を映画化。15年間も監禁されていた男オ・デスが、突然解放され、謎の男ウジンが5日間で監禁された理由を説き明かせと命がけのゲームを提案する。

出演/チェ・ミンシク、ユ・ジテ、カン・ヘジョン、キム・ビョンオク
監督/パク・チャヌク
公開年/2003年

・「かなりよかった」(48歳男性/不動産/営業関連)
・「いつも邦画ばかり観ていたので、韓国映画の良さがわかりました」(46歳女性/不動産/事務・企画・経営関連)
・「独特な描写がよかった」(48歳男性/その他/その他)

6位『アジョシ』

心に闇を抱え、孤独に暮らしている男テシク。「アジョシ(おじさん)」と呼び、唯一慕ってくれっている少女ソミを、犯罪組織から救い出すために戦う。

出演/ウォンビン、キム・セロン、キム・ヒウォン、ソン・ヨンチャン、キム・テフン
監督/イ・ジョンボム
公開年/2010年

・「とても感動する素晴らしい映画でした。」(47歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「ウョンビンがカッコよかった」(40歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「スリルがあって面白い」(41歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「俳優さんが好きだから」(48歳女性/その他/その他・専業主婦等)

6位『殺人の告白』

「華城連続殺人事件」から着想を得たフィクション映画。時効を迎えた15年前の連続殺人事件の犯人だと名乗り出た男が告白本を出版。一躍時の人となるが、真犯人だと主張する人物が現れる。

出演/パク・シフ、チョン・ジェヨン、キム・ヨンエ、チャン・グァン
監督/チョン・ビョンギル
公開年/2012年

・「主人公の演技がよかった」(52歳男性/銀行/営業関連)
・「とても魅力的な内容でした」(47歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/鉱業・金属製品・鉄鋼)
・「緻密な描き方に感銘を受けた」(50歳女性/その他/事務・企画・経営関連)

8位『EXIT』

とある都市に原因不明の有毒ガスが蔓延した。高層ビル群の上層階で生き延びた人々の脱出劇を描いたサバイバルアクション。ヨンナムとウィジュはロッククライミングの技術を使い、ビルを上へ上へと高層ビル群を登っていくが……。

出演/チョ・ジョンソク、ユナ、コ・ドゥシム、パク・イナン、キム・ジヨン
監督/イ・サングン
公開年/2019年

・「韓国映画独特のアクションが面白かった」(56歳男性/不動産/その他・専業主婦等)
・「もう一度見たい」(55歳男性/その他/その他)
・「大変面白いです」(50歳男性/サービス(その他)/事務・企画・経営関連)

8位『哀しき獣』

借金返済のため、危険を顧みず韓国に密入国した韓国系中国人が、罠にはめられて警察や黒幕から追われる身となってしまうクライムサスペンス。中国に帰るため、黄海を目指して戦い抜く男をハ・ジョンウが熱演している。

出演/ハ・ジョンウ、キム・ユンソク、チョ・ソンハ
監督/ナ・ホンジン
公開年/2010年

・「ストーリーも良くなかなかの面白い作品でした」(51歳男性/その他/その他)
・「追い詰められた主人公が殺人へと手を染めていく過程がハラハラドキドキしました!」(41歳男性/食品/営業関連(営業・MR・人材・コールセンター他)
・「韓国のアクション映画はこの作品しか観ていないが、とても心に残っているので他の作品も観てみたい」(45歳女性/銀行/事務・企画・経営関連(マーケティング・経理・企画・経営他))

9位『神弓-KAMIYUMI-』

17世紀丙子の乱を舞台にした、朝鮮の弓士と清の精鋭部隊の戦いを描くアクション。清の軍隊に妹を拉致された兄・ナミは妹を救うために清に戦いを挑む。「曲射」を操る主人公が清から来た弓の名手とのバトルを描いている。

出演/パク・ヘイル、ムン・チェウォン、リュ・スンリョン、キム・ムヨル、大谷亮平
監督/キム・ハンミン
公開年/2011年

・「迫力があった」(47歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「かっこいい」(44歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連(生産・製造・運輸・警備・農林他))

9位『V.I.P. 修羅の獣たち』

韓国国家情報院と米CIAの企てで韓国へ亡命した北朝鮮エリート高官の息子、キム・グァンイル。やがて発生した連続殺人事件の容疑者としてキムの名が浮上する。国家情報院のパク・ジェヒョクはキムを保護し、捜査網をすり抜けていくが……。

出演/チャン・ドンゴン、キム・ミョンミン、イ・ジョンソク、パク・ヒスン、ピーター・ストーメア
監督/パク・フンジョン
公開年/2017年

・「私の興味がある北朝鮮が舞台であったから。主役の男性の演技が素晴らしかった。また最後の展開がびっくりして最後までハラハラドキドキしながら見れた。ただ、内容としてはどうかと思うのだが……」(45歳男性/通信関連/事務・企画・経営関連)
・「迫力があってドキドキする」(47歳女性/設計/IT関連技術職)
・「楽しいです」(38歳女性/その他/その他・その他専業主婦)
・「迫力があった」(51歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)

9位『コンフィデンシャル/共助』

北朝鮮から国際犯罪者の逮捕要請を受けた韓国は、歴史上初となる南北共助捜査を極秘に契約し、両国の刑事はコンビを組んで操作をあたることに。しかし、韓国側から選ばれた刑事のカン・ジンテには、北朝鮮の本当の思惑を探るため偽装捜査という指令が下っていた。

出演/ヒョンビン、ユ・ヘジン、キム・ジュヒョク、ユナ、チャン・ヨンナム
監督/キム・ソンフン
公開年/2017年

・「楽しめました」(44歳男性/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「迫力があってよかった」(42歳男性/その他/その他)

トップはアカデミー賞監督ポン・ジュノ×ソン・ガンホの2006年作品

第1位になった『グエムル -漢江の怪物-』は、アカデミー作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』の監督ポン・ジュノと主演俳優ソン・ガンホが2006年にタッグを組んだ作品です。『パラサイト 半地下の家族』はブラックコメディー・スリラーですが、『グエムル -漢江の怪物-』もアクション・サスペンスのなかに社会に対する風刺が盛り込まれています。

ランクインした映画は、硬派なアクション映画が多く、圧倒的に男性の感想が多かったです。女性からは、お気に入りの俳優目当てで鑑賞したけれど、ストーリーも面白かったという声が聞かれました。激しい暴力描写なども多く好みは別れますが、韓国の社会や文化を知るという楽しみ方もできるのが韓国アクション映画の特徴と言えるでしょう。

調査時期: 2021年6月27日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計503人
調査方法: インターネットログイン式アンケート