日本テレビの藤井貴彦アナウンサーが、19日に放送される日本テレビ系特番『今だから話します キャスター大集合SP』(21:00~)で、高校サッカー選手との秘話を明かす。

  • 藤井貴彦アナウンサー=日本テレビ提供

報道の最前線で11年間ニュースを伝えてきた藤井アナは、入社から16年間はスポーツの実況を担当してきた。その実況人生で、今でも忘れられない選手がいた。

2009年の全国高校サッカー選手権決勝「広島皆実 対 鹿児島城西」の実況を務めた藤井アナ。中でも、鹿児島城西13番の伊地知蓮選手が印象的だったという。大会前、伊地知選手を取材した藤井アナは、伊地知選手が決勝に行ったら「実況で絶対に話すからね」と約束したエピソードがあった。

母子家庭の長男で育った伊地知選手。母・恵子さんは女手一つで4人兄弟を育てていた。家計が苦しい中でも、母はサッカーのためにと息子を実家のある奄美大島から鹿児島に送り出してくれた。その取材を元に、藤井アナは決勝戦の実況で伊地知選手のあるエピソードを伝えた。

「背番号13の伊地知選手は、鹿児島に下宿させてもらった、わがままを言ったので早く親孝行がしたいと。下宿生活の中でレシートを貯めて、自分がどれだけ生活費を使っていたか数えていたという親孝行な選手です」(藤井アナ実況)

あれから12年、31歳になった伊地知さんのその後を追うと、現在は奄美黄島で陸上自衛隊員になり、母を支えていた。

当時について、伊地知さんは「藤井アナのことはもちろん覚えています。決勝に行ったら絶対話すからねって約束をして、絶対話さないだろうなと思っていたんですけど、実際に放送を見て本当に話してくれたんだなと思って感動しました。藤井アナが自分の話をしてくれて、そこですごく救われたというのはあります」と語る。

この言葉を聞いた藤井アナはスタジオで大粒の涙を流し、伊地知さんへの思いを話す。

さらに番組では、藤井アナが今だから話せる「後悔しすぎていまだに一度も見返していない実況」、キャスター人生に大きな影響を与えたバンクーバー五輪開会式での秘話も明らかになる。