頼まれてもいないのに、人にいろいろとアドバイスや知識を押し付ける教え魔。実際に、自分自身が教え魔になっていた経験をした人もいるのではないだろうか?

さらに、困っている人を見てみぬふりできないと言いながら、アドバイスを押し付けていることに気付いていない場合も少なくない。なかには、あとから思えば教え魔だったのかもしれないと反省している人も多い。

  • 知らない人にアドバイスをしてしまう教え魔になってしまったことがある?

    知らない人にアドバイスをしてしまう教え魔になってしまったことがある?

今回は、マイナビニュース会員男女1,010人に自分が教え魔になってしまったときについて調査を実施。調査結果で聞けた、具体的なエピソードを紹介する。

自分が教え魔になった(知らない人に教えた)ことはありますか?

  • 自分が教え魔になった(知らない人に教えた)ことはありますか?

    自分が教え魔になった(知らない人に教えた)ことはありますか?

「はい」 268人/26.5%
「いいえ」 742人/73.5%

自分自身が教え魔になったことがあると答えた人は、26.5%とわずかだった。

教え魔になった場所やエピソードを教えてください

教え魔になった場所や具体的なエピソードを割合の多い順に紹介しよう。

「その他(自由回答)」24.6%

・「図書館で、利用者からちょっと複雑な調べごとを依頼されると、資料調査・検索するなどして答えていくのだが、本の世界は調べれば調べるほど広く深く広がるもので、もしかしたら度が過ぎたかもしれない」(男性/68歳/島根県)
・「喫茶店の隣に座っている人が、あまりにパソコン操作に不慣れに感じで見ていたイライラしたから手伝ってあげようと勝手に思った」(男性/69歳/岐阜県)
・「セルフのガソリンスタンド。長いことタッチパネルの操作が分からない老夫婦が給油できない状態だったので、見て見ぬふりができなくなった。自分勝手なおせっかいで、一から操作画面の使い方を指導し始めてしまい、相手からは非常に迷惑がられた。熱血指導になり、まるで嫌がらせのような対応になってしまった」(男性/53歳/富山県)
・「車での移動中に、友人が投資信託をやると聞いた。私の方が知識はあったためいらないことまで語ってしまった」(男性/43歳/奈良県)
・「野球観戦中に、出ている選手が分からないと言っていたので、選手の経歴や実績を教えた」(男性/57歳/埼玉県)

最も多かったその他の回答から、実にさまざまな場所で教え魔になる可能性があることが分かった。親切心から声をかけたものの、相手には迷惑がられてしまったと客観的に判断している人も多い。

「SNSやオンライン」17.5%

・「LINEなどのメッセージで、時計についてアドバイスを受けたときに、いろいろ余計なことまで指導してしまった。僕も時計好きだったから」(男性/39歳/栃木県)
・「Twitter上で、いやまだまだ株式を分かっていないとか、相場はこういうものだとか……」(男性/44歳/東京都)
・「SNSで、昔からファンのアニメについて教え魔になったかも。最近ファンになった人に、私の知っていることを教えたくなった。(ちょっと自慢したくなったのが本音……)
」(女性/47歳/東京都)
・「オンラインゲーム上で、教え魔になってしまった。難しいゲームはなどはやりがいがあるのでつい……」(男性/27歳/大阪府)
・「ネット掲示板。事実と異なることを、さも本当のように書いているので事実をソースと共に教えた」(男性/61歳/埼玉県)

SNSやオンラインは、教え魔に出会った人も教え魔になった人も多い。対面しない分、接しやすくなるのかもしれない。余計なことまで伝えてしまったと反省している声も見られた。特に、オンラインゲームはヒートアップしやすくなる環境なだけに、教え魔にならないように感情をセーブしたい。

「釣りや将棋など趣味の集まり」17.2%

・「将棋会場。知っているので教えたくなってしまってつい……」(男性/40歳/53歳)
・「将棋道場にて、自分の指し方など自信が持てないというのでその時の考え方や形勢判断など参考になりそうなことをアドバイスされた」(男性/64歳/宮城県)
・「園芸会場。話が弾むついでに押し付けすぎたと気付いた」(男性/48歳/山梨県)
・「競馬の初心者にレクチャーしてしまう」(男性/46歳/京都府)
・「海の磯場。全くの素人だったので、竿の投げ方や、リールの舞い方、誘い方を教えたことがある」(男性/57歳/大阪府)

趣味の集まりでは「相手にももっとうまくなってほしい!」と教え魔になっている人が多くいた。特に、右も左も分からないような初心者に対して口を出してしまったという声が目立つ。

「ゴルフなどのスポーツ施設」16.0%

・「ゴルフ初心者に対して、自分も別に専門家でもないのに、飛距離を出すにはどう打てばいいのかを今から考えれば少々お説教がましく語ってしまった」(男性/62歳/東京都)
・「初めてゴルフを始める人に、まず考え方、素振りなど必要以上に教え魔になっていた。部下に対して、それがコミュニケーションの一つだと思っていた」(男性/64歳/愛知県)
・「クライミングジム。あまり難しくないレベルのルートなのに、何度も登っては失敗ばかりしているのを見て、効率の良い登り方を教えてあげた。相手もその登り方で登れるようになった」(男性/70歳/大阪府)
・「マラソンの仕方などを指導してしまった。見ていてイライラしてしまい、ついつい口を出してしまった」(男性/56歳/神奈川県)
・「ボウリング場で立ち位置や投げ方が基本から外れていたので口を出してしまった」(女性/55歳/栃木県)

ゴルフ練習場やテニスでの教え魔はめずらしくない。実際、教え魔になったと自覚している人も多い。ただ悪気があるわけではなく、親切心からという人がほとんど。

下記のような声もあった。

・「自分が教えてもらって助かったことがあったので」(男性/64歳/千葉県)

助けてあげたいという気持ちから、教え魔になる人が少なくないのだろう。

「ゲームセンターなどの商業施設」13.8%

・「ゲームセンター。あまりにも下手くそでお金がもったいなくかわいそうだと思い、ゲームの攻略法を教えてあげた」(男性/52歳/東京都)
・「困っている様子の子供がいたので、こうやるんだよと教えてあげました」(女性/46歳/神奈川県)
・「家電店で、PCの使い方があまり分かっていない店員がいたのでつい教えてしまった」(女性/46歳/埼玉県)

ゲームセンターなどの商業施設においても、相手が分からなそうだったから・困っていたからという声が多かった。

なかには、下記のような声もある。

・「自分がやられて嫌だったはずなのに、いつの間にかビリヤード場で自分も同じことをしていた」(男性/41歳/埼玉県)

困っている人を目の前にすると、口を出さずにはいられないのかもしれない。

・「ゲームが下手くそだった」(男性/49歳/東京都)
・「操作がひどい」(男性/42歳/京都府)

といった高圧的な声もあったが、人には得手不得手があることを忘れないようにしたい。

「コンサートなどの音楽会場」6.0%

・「アーティストのことをあまり知らないようだったので、こちらとしては教えたつもりだったが教え魔に該当するのかもしれない」(男性/41歳/埼玉県)
・「音楽鑑賞が趣味で、好きなアーティストのことは徹底的に調べて良く知っている。そのため、ついライブ会場で知り合った人や一緒に行った人に、好きなアーティストの知っていることを熱く語ってしまう」(女性/44歳/埼玉県)
・「好きなアーティストのことは、つい熱く語ってしまう」(男性/56歳/兵庫県)

コンサートなどの音楽会場のエピソードも、趣味の集まりに近い内容だった。もっと知ってもらいたい・自分の知っていることをみんなに共有したいといった気持ちから、ついつい熱く語ってしまったという人が目立った。

「美術館などの芸術会場」4.9%

・「美術館で、ハンドブックを持っていたので、絵画や彫刻についてのうんちくを教えてあげました」(男性/57歳/千葉県)
・「2人で鑑賞している人が、作風に対して間違った解釈をしている声が聞こえたので説明をしてしまった」(男性/51歳/大阪府)
・「博物館にいた見ず知らずの子供に、得意分野の展示物について話して聞かせた」(女性/30歳/大阪府)

美術館などは、知識がなくても楽しめる場所である。しかし、知識がある人は「教えてあげたい」という欲が抑えきれないのだろう。あまりくわしくなさそうな人を見つけると、うんちくを語りたくなる人が多いようだ。美術館などの楽しみ方は個人の自由であるため、煙たがられてしまうのも仕方ない。

総評

教え魔を迷惑に思う一方で、自分が「教えたい」という欲に負けてしまう人がいると分かった。教え魔になったことについて、申し訳ないと思う人もいる。困っている人を助けた内容も多かったため、一概に迷惑な教え魔ばかりではないことを知ってもらいたい。

また、教え魔を迷惑に思う人だけではない。時と場合によっては、教え魔をありがたいと思うケースもある。とはいえ、上から目線になったり過剰な干渉などを嫌がったりする人も多い。

・「時と場合によると思います。基本的に干渉や介入は不快に感じますがその時の自分の機嫌次第ですね。上から目線や敬意に欠ける人はお断りですね」(男性/51歳/沖縄県)
・「自分がお願いして教えてもらうのはいいのですが、何も頼んでいないのに一方的に教えてくるのは納得がいかないし、遭遇したときにいつ話を終わらせるかのタイミングが難しい」(男性/63歳/東京都)
・「そのときの気分で、軽く聞けるときと嫌だなと思うときがある」(女性/58歳/大阪府)

ありがたいけれど迷惑になってしまうケースがあると認識しておきたい。また、下記のような考えを持っている人も少なくなかった。

・「良かれと思ってやることが、他人にとってありがた迷惑なことが多々あるので、自分も気をつけたい」(男性/56歳/神奈川県)
・「気持ちはありがたいが個人の楽しみを奪うことになりかねない。良かれと思っていても相手の気持ちは分からない。年配の方だと断るのが難しい。自分が人に教えたりアドバイスしたりするときは、いつもそのあたりを心がけています」(男性/52歳/大阪府)

教え魔と呼ばれないように、人へ何かを教えるときは、相手の気持ちや立場、時間などに配慮した会話を心がけたいものだ。

調査時期: 2021年4月1日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 1,010人
調査方法: インターネットログイン式アンケート