――ルナの幼なじみであり、メカやアイテムを設計・開発する天才エンジニア、ヒジリ アキトを演じる金子隼也さんは知的な雰囲気のある好漢ですね。

アキト役は、ケンゴ役との組み合わせを考えて金子くんに決まりました。アキトとケンゴが対照的な2人なので、お互いが並んだときどういう風に見えるかをいろいろと考えていたんです。金子くんは照れ屋で、かわいいんですよ。演技経験は少なかったのですが、新しい才能を見つけていくのも僕たちの仕事ですからね。ウルトラマンが大好きで、とてもマジメで一生懸命に取り組んでいる。これから大いに活躍してくれることを期待しています。

――オンライン発表会見の席では隊員のみなさんがノリのいいトークを繰り広げていましたが、中でもひときわひょうきんな一面を発揮していたのが、戦闘メカGUTSファルコンを遠隔操縦する女性隊員ナナセ ヒマリ役の春川芽生さんでした。

芽生ちゃんは『ウルトラマンギンガS』(2014年)で地底の民ビクトリアンのヒヨリを演じ、田口(清隆)監督の第6、7話と、僕の撮った第15、16(最終)話に出演しました。ボーイッシュで目力が強く、一方でかわいい面も持ち合わせています。僕が総監督を務めた舞台『NINJA ZONE~RISE OF THE KUNOICHI WARRIOR~』(2018年)で、忍者チームをまとめるリーダー的存在で出演してもらったんですけど、それがすごく良くて、翌年の『NINJA ZONE~FATE OF THE KUNOICHI WARRIOR~』(2019年)では役をグッと大きくして、劇中で歌唱シーンも用意しました。そうすると、こちらが期待している以上のことを見事にやってくれるんです。普段から明るく、頭の回転も早いんです。何かこちらが言葉をかけると、的確な"返し"が飛んできます。ヒマリには、ユナとは違った女性隊員の魅力を打ち出すよう、頑張ってもらおうと思っています。

――個性豊かな隊員たちを束ねる隊長タツミ セイヤ役の高木勝也さんは、厳しさと優しさを備えたよき兄貴分という印象です。

彼も『NINJA ZONE~RISE OF THE KUNOICHI WARRIOR~』で服部半蔵を演じてもらったときからのお付き合いです。長い経験と確かな演技力に裏打ちされた存在感を有していますし、若い役者たちの面倒見もいい。チームのまとめ役として、申し分ない人ですね。

――細貝圭さん演じる謎のトレジャーハンター・イグニスは、作品の中でどんな行動を取るのでしょうか?

イグニスに関しては、放送前の段階では明かすことのできない謎が多いのですが、今後とても重要な役割を果たす存在になる、とだけ言っておきましょう。細貝くんとは『宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド』(2018年)などでもご一緒していて、とても信頼のおける俳優さんです。イグニスはたたずまいで強いインパクトを与えないといけない難しい役ですが、彼ならば安心です。勝也くんや細貝くんのように経験のある年上メンバーが加わることにより、若い寺坂くんや金子くんたちによい刺激を与え、いろんなことがプラスに働くのではないかと考えています。

――レギュラーキャストが勢ぞろいされたオンライン発表会では、みなさんの和気あいあいとしたムードが伝わってくるかのような、楽しいコメントの応酬がありました。現場の雰囲気もあのように明るく楽しい感じなのでしょうか。

そうですね。今回のメンバーは本当に濃くて、明るい人たちがそろっていて、僕自身もGUTS-SELECT基地のシーンを撮るのが毎回楽しみなんです。大ベテランの宅麻伸さんまでもみんなに混ざって、盛り上がってますから(笑)。

――発表された情報の中で特に気になるのが、トリガーの敵として立ちはだかる「闇の3巨人」の存在です。『ウルトラマンティガ』の劇場版『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』(2000年)でティガを苦しめた闇の巨人……愛憎戦士カミーラ、剛力戦士ダーラム、俊敏戦士ヒュドラを思わせる、妖艶戦士カルミラ、剛力闘士ダーゴン、俊敏策士ヒュドラムを『トリガー』に登場させた狙いとは?

『ティガ』はテレビシリーズ全52話に加え、映画『THE FINAL ODYSSEY』で物語の"完結"を見ています。そこで『ティガ』を目指す『トリガー』としては、映画に出てきた闇の3巨人を重要な存在と捉え、新規デザインを起こして登場させることにしました。

――ティガとは過去に浅からぬ因縁があり、残忍なだけでなく悲劇的な要素も盛り込まれた女戦士カミーラはたくさんのファンから好評を得ましたから、その系譜を継ぐセクシーな女戦士カルミラにも熱狂的なファンがつきそうですね。

そうなるとうれしですね! カルミラはデザインもいいですし、とても魅力的なキャラクターになると確信しています。カルミラのスーツアクターを務める安川桃香は、新人ながら170cmの高身長とスレンダーなスタイルで、とてもよい表現力を備えています。カミーラを演じたのは僕の奥さん(梛野素子さん)なので、とても思い入れがありますし、その系譜を受け継ぐカルミラもカッコいいキャラクターに育てないといけないなと思って、日々いっしょに頑張っています。

――ケンゴが変身に用いる「GUTSスパークレンス」はハイパーガンモードになるほか、GUTSハイパーキーの交換でタイプチェンジを表現できる優れたアイテムですし、トリガーが怪獣と戦う際に使用する「サークルアームズ」もタイプチェンジに応じた3種類のモード(マルチソード、パワークロー、スカイアロー)に変形可能な、カッコいい武器です。ナースデッセイ号やGUTSファルコンも含め、本作での商品展開についてはどんなご感想を抱かれましたか。

各種商品展開にもかなりの力が入れられている印象ですね。やはり『ウルトラマン』55周年、『ウルトラマンティガ』25周年という「看板」は大きいなと思いました。いろいろなパートの方々が熱を込め、みなさんが『トリガー』を大きく育てていきたいという思いを強めつつ、作品作りに取り組んでいます。

――いよいよ第1話の放送が始まります。坂本監督からファンのみなさんに向け、最後にひとことメッセージをお願いします。

先ほど完成した第1話を観た関係者からは、とても高い評価をいただきました。『ティガ』の系譜を継ぐ作品としてプレッシャーはありますけれど、出来栄えには自信がありますので、ぜひたくさんの方たちにお楽しみいただきたいですね。

(C)円谷プロ (C)ウルトラマントリガー製作委員会・テレビ東京