あるアーティストが大好きな有名人を招き、そのアーティストの魅力を解剖するトークを展開しながら、プロのミュージシャンとそのアーティスト“っぽいウタ”を実際に制作する、中京テレビの新バラエティ番組『#っぽいウタ』(17日スタート、毎週土曜23:30~ ※TVerなど配信)。MCのおぎやはぎと、演出の藪木健太郎氏(共同テレビ)は、『やりかた大図鑑』『うつけもん』『オサレもん』(フジテレビ)と、たびたびタッグを組んできた関係だ。

このほど、都内のスタジオで行われた初回収録後に取材に応じ、番組の手応えや、“っぽい”と言われることの喜びなど、自由すぎるトークを繰り広げた――。

  • おぎやはぎの小木博明(左)と矢作兼=中京テレビ提供

■「おぎやはぎ一択」だった

――今回、おぎやはぎさんを起用した狙いは何でしょうか?

藪木:最初“っぽいウタ”を作る番組をやりましょうとなって、どストレートにいかない人で、どなたがこの番組の軸になってくれるといいのかなと思ったときに、真っ先に名前が浮かんだのがおぎやはぎさんで(笑)。(ネタ番組を数多く手掛けてきて)僕も真正面から「音楽番組やります」っていうのは恥ずかしいところがあるんですけど、この恥ずかしさを共有してくれるし、ずらし方をちゃんと持ってらっしゃる方というのが、もうこのおふたりしか浮かばなかったんです。それで提案してみたら「いいですね」と言ってくださったので。

浅田大道プロデューサー:一択でした(笑)

小木:たしかに最初に打ち合わせ来たとき、藪木さん照れくさそうに「音楽番組なんです…」って言ってた(笑)

藪木:だから「っぽいねぇ」って言ってるのが誰っぽいかと言ったら、おぎやはぎさんだったという(笑)

矢作:そうかあ。縁だね。こうやってぴったりイメージがわく番組って。

小木:ありがたい話です。

――おぎやはぎさんから見て、「自分たちっぽいな」と思う芸人さんはいますか?

矢作:オズワルド見たときに「っぽいなあ」と思いましたよね。やっぱり“っぽい”のが出てくると好意的に見れるよね。

小木:うれしいよね、“っぽい”人ってたしかに。

矢作:あと「象さんのポット」もよく言われたでしょ?

小木:(立川)談志師匠にも何か言われたよね。

矢作:(リーガル)千太・万吉でしょ?

小木:ちょっと分かんないけど、“っぽい”らしいですよ。

  • 藪木健太郎氏(左)と浅田大道プロデューサー=同

■裏側をカメラに追われて起きたM-1の悲劇

――今回の番組が音楽のアーティストがテーマですが、“っぽい”芸人さんのネタを作るのはどうですか?

矢作:芸人って、他人の“っぽい”ネタをすぐ作れると思いますよ。でも、俺たち(テンポが)速い人はできないもんな。NON STYLEとか、キングコングとか超練習したようなネタってすごい難しそう。

小木:っぽいボケは分かるんだけど、あのテンポは無理だな。

矢作:できそうなのって言ったら誰だろうね?

小木:うーん、あの沖縄の2人…

――スリムクラブですか?

矢作:あれできる(笑)。もっと間、取れるな。

小木:あれはいけると思うな。ボケ3つくらいしかいらない(笑)

藪木:でも、圧倒的に「おぎやはぎっぽいね」って言われるほうが相当増えてますよね? 激しく行かないんだったらこっちっていう代名詞になってる。

矢作:やっぱり速いの難しいから、だいたい怠け者が諦めてこっちに来るんですよ(笑)。あと「一生懸命ネタやってると思われるの嫌だな」という恥ずかしがり屋とかね。『M-1』のスタッフって、ネタ合わせしてるところを撮るの大好きでしょ?

小木:努力してる姿がカッコいいと思って。

矢作:演出家はそういうの好きなんだろうけど、こっちはもう大嫌いだから、そのカメラが来るたびにふざけてたもんな。そうするとやっぱ練習量が足りなくて本番失敗するんだよ(笑)

小木:4分なのに3分で終わっちゃったから(笑)

矢作:本当に迷惑なんだよ、努力を撮ろうとするおかげでさ、俺たち練習できないんだから。

藪木:練習したくないわけじゃない(笑)

小木&矢作:したくないわけじゃないんですよ。

浅田P:“っぽい”芸人さんがいるって言われるのが、ご本人としてはうれしいのであれば、この番組もアーティストさんも喜んでくれますかね?

矢作:そうですね。たぶん笑っちゃうんじゃないですか? 自分たちっぽいネタ作られたら笑っちゃうし。超えてこられたら嫌だけど、超えることはないだろうからね。

小木:本人の意図してないことを俺らが言ったときに、腹立つかもしれないけどね。

矢作:でも、基本的にリスペクトしてるからね。

藪木:愛情を持って、大事にやってますから。