東京・御茶ノ水の日本茶レストラン「レストラン 1899 お茶の水」では、夏の涼しさを感じられるスイーツとして、お茶尽くしのアフタヌーンティープレートや、ほうじ茶とフルーツを組み合わせたパフェを提供している。今しか味わえないこの2品をレポートしていく。

儚い口どけの"ほうじ茶かき氷"も 「1899 アフタヌーンティープレート」

「レストラン 1899 お茶の水」は、ミシュランガイド東京に7年連続で掲載される「ホテル龍名館お茶の水本店」の1Fに店舗を構える日本茶レストラン。日本茶を「淹れる」「食べる」をコンセプトに、お茶やお茶料理、お茶スイーツを提供する。 そんなお茶にこだわり抜いたレストランが手掛けるスイーツを盛り付けた一皿が「1899 アフタヌーンティープレート」(1,800円)だ。

  • 「1899 アフタヌーンティープレート」(1,800円)

テーマは「夏の涼」。和洋のスイーツや軽食10品が、夏の庭をイメージしたプレートに揃う。いずれも緑茶やほうじ茶を用いたスイーツばかりで、深い緑色が目にも涼やかだ。なかでもイチ押しは、新作の「ほうじ茶かき氷」。煮出してしっかりと味を抽出したほうじ茶かき氷を、凍らせて崩す工程を5~6時間かけて4度ほど繰り返し、やわらかく仕上げているという。

  • 「ほうじ茶かき氷」

ほろほろとした口どけの氷のなかには、ほうじ茶蜜と黒糖わらびもち、栗の甘露煮が忍んでいる。

薄いグリーンのゼリーに果物を閉じ込め、和食の技法「茶巾絞り」風に固めた「日本茶ゼリー茶巾絞り」はさっぱりした甘さの、見た目も夏らしい一品だ。

  • 「日本茶ゼリー茶巾絞り」

また、抹茶でレストランのロゴがかたどられている「抹茶ミニパフェ」は、抹茶プリンをベースに、ベリーソースやパイナップルなど季節の果物、ローストした「酒茶ケーキ」、そして抹茶あられとっいた様々な食材を重ねた和パフェ。甘酸っぱいベリーソースと軽やかな渋さの抹茶プリンがマッチする。

  • 「抹茶ミニパフェ」

他にも、抹茶と豆腐を使ったチョコタルト「抹茶タルト」や、抹茶の旨味を濃厚に感じる「濃茶アイス」、ねっとりと濃い食感の「抹茶芋羊羹」「酒茶ケーキ」、さっぱりとしたミニトマトのほうじ茶蜜漬けと季節の果物と、お茶好きにはたまらないラインナップ。

  • 左「夏野菜の生湯葉巻き」、右「抹茶タルト」

また、塩気のある軽食として、オクラやキュウリといった夏野菜をマスカルポーネと合わせて湯葉で巻いた「夏野菜の生湯葉巻き」、ほんのり温かい出汁巻き玉子と抹茶味噌を抹茶パンでサンドした「抹茶玉子サンド」も。抹茶や煎茶、ほうじ茶などをスイーツや料理に取り入れた、欲張りな一皿だ。

みずみずしさと香ばしさ「桃とほうじ茶の夏色パフェ」

夏季限定のもう一品は、国産の白桃とほうじ茶を合わせた「桃とほうじ茶の夏色パフェ」(1,700円)。様々な素材を17層に重ねた、淡いピンク色とほうじ茶のブラウンが目にも楽しい和パフェだ。

  • 「桃とほうじ茶の夏色パフェ」(1,700円)

グラスのトップにはほうじ茶かき氷、ジャージー牛乳アイス、生クリーム、そしてフレッシュな白桃が。じゅわっと果汁が溢れるジューシーな桃は今の季節ならではの美味しさだ。そして桃とほうじ茶のコンビは珍しいが、みずみずしい生の桃に、ほろ苦く薫り高いほうじ茶の相性はベストマッチ。ほうじ茶好きなら一度試してもらいたい組み合わせだ。

さらに、ほうじ茶アイスクリーム、自家製のピーチティージュレ、ラズベリー、そしておこし種、くるみ、抹茶あられ、あんこ、モチモチの白玉といった和素材が続く。その下にはローストした「酒茶ケーキ抹茶」、桃ピューレ、ヨーグルトソース、甘さ控えめの自家製ほうじ茶プリンが詰まっている。

ひとつのグラスで様々な味わいや食感が楽しめるパフェだが、「桃とほうじ茶の夏色パフェ」もまた色々な美味しさがたまらない。モチっとした白玉やあんこ、そして抹茶あられやほんのり塩気のあるおこし種といったカリカリ食感がアクセントになっている。

添えられたベリーソースをかけることで、また新しい味が楽しめる。いつ加えても良いそうだが、個人的にはピーチティージュレにかけるのがオススメ。甘さ控えめのジュレに甘酸っぱいソースがよく合う。

多様な味と食感の17種類の素材が楽しめる和パフェ。夏らしい美味しい要素がギュッと詰まっている夏のご褒美にぴったりだ。

また、スイーツと一緒にぜひお茶も堪能してほしい。「レストラン 1899 お茶の水」では、店舗専属のお茶の専門家「茶バリエ」が手ずから茶を入れてくれる。今の時期であれば、冷たい「深蒸し煎茶 六煎茶」(800円)をいただきたいところ。

茶匠が同レストランのために合組(ブレンド)したお茶で、静岡の掛川と本山、埼玉の狭山、福岡の八女、宮崎の串間と都城、鹿児島の知覧と、全国各地の6種類を組み合わせた一品だ。氷で急冷されており、爽やかな渋みと緑の香りが楽しめる。

なお今回紹介したスイーツには、650円で「本日のお茶」(内容はスタッフに要確認)の追加も可能。この夏は、老舗ホテルのレストランで、心ゆくまでお茶とお茶スイーツを楽しんでみては?

●レストラン 1899 お茶の水
東京都千代田区神田駿河台3-4
ランチ 11:00~14:00(L.O.13:30)、カフェ 14:00~16:30(L.O.16:00)、ディナー 平日・土曜日 17:30~22:00(L.O.21:00)
※ディナータイムは2021年7月11日まで臨時休業