不器用でモテない男子3人が恋愛インフルエンサーの助手になって恋のキューピッドとして奮闘する、読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『イタイケに恋して』(7月1日スタート、毎週木曜23:59~)。渡辺大知、菊池風磨(Sexy Zone)とともに主演に抜てきされたのが、お笑いユニット・超新塾のアイクぬわらだ。

母国・アメリカの大学でITを専攻していたが、たまたま見た日本のバラエティに衝撃を受けたことをきっかけにお笑いに憧れて来日し、外資系企業勤務を経て本当に芸人になってしまったという異色の経歴の持ち主。日本の漫画に衝撃を受けて来日するという今作で演じるキャラクターに通じる部分もあるが、どのようにして芸人になる夢をかなえたのか。日本のお笑いの魅力、今後の活動の構想も含め、根掘り葉掘り聞いてみた――。

  • 『イタイケに恋して』に主演するアイクぬわら

    『イタイケに恋して』に主演するアイクぬわら

■異ジャンル同士だからこそ平等で楽しい撮影現場

――今回がドラマ初主演ということですが、このお話を聞いたときの心境はかがでしたか?

もういろんな感情がありましたね! 一生懸命頑張りたいってワクワクしながら、ちゃんと結果出せるかどうかって心配もあるし。でも、一緒に主演する渡辺さんと菊池さんに会ったら、めちゃくちゃ面白いドラマになりそうだなと思いました。

――お2人の印象はいかがですか?

めちゃくちゃ面白いです! なぜかというと、俳優、アイドル、お笑い芸人と、それぞれジャンルが違うじゃないですか。だから、誰が上とか下とか感じなくて、すごい平等で楽しくできる現場になってるし、お互いに知らない分野を勉強できるんですよね。ドラマの中でもキャラがそれぞれ違うから、本当に良いスパイスになるんですよ。

――ドラマ出演は何作か経験されていますよね。

戦隊もの(『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』)に1年間出たんですけど、これは大きかったですね。もちろんまだ勉強中ですけど、あの作品で今回、僕のことを選んでくれて、本当にうれしくて。

――今作の脚本を読んでみての印象は、いかがですか?

僕が演じるのは、マリック・ジョンソンJr.というニューヨークからやってきた少女漫画ヲタクで、ゆみちゃんとななちゃんという登場人物に恋するって本当に面白そうなキャラですよね(笑)。中学生のときに読んだ『放課後エターナル』っていう日本の漫画に衝撃を受けてめちゃくちゃ好きになって、日本のカルチャーに興味を持って勉強して、でもやっぱり日本に行かないとダメだと思ってやってくるんです。

  • 『イタイケに恋して』第1話より (C)ytv

■あの時出会わなければ今頃シリコンバレーで…

――それって、学生時代に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』に衝撃を受けて、日本のお笑いを目指して来日されたアイクさんと全く同じですよね。

そうなんです! 大学のときに暇で日本のDVD屋さんに入ったら、テレビに高田純次がバズーカで芸能人を起こしてるのが映っていて、化け物だと思いました(笑)。当時は日本語が分からず、字幕も出てないので、「なんだこの人!?」みたいな。でも、それがすごく衝撃で日本のお笑いをもっと知りたくなって、ダウンタウンさんとか、おぎやはぎさんとか、くりぃむしちゅーさんとか、アンタッチャブルさんとかのDVDを見まくって、「俺もやってみたい!」と思ったんです。

――そのとき、なぜ日本のDVD屋に入ったんですか?

本当にたまたまなんです。大学はITを専攻してたんですが、9歳のときから独学で勉強してたから先生が教えることもすでに知ってて、あんまり授業に行かずブラブラしてたんです。そしたら、日本のDVD屋があって。

――高田純次さんの早朝バズーカはその構図で理解できると思うのですが、他の芸人さんは字幕がなくても分かったのですか?

よく分からないので、全部ポカンとしながら見てました(笑)。アメリカの笑いとは全然違くて、漫才だと1人が相方にめちゃくちゃぶん殴られてるのに「なんでケンカにならないの?」とか「なんでみんな笑ってるんだろう?」と思ってました。でも、めちゃくちゃなことやってる感じが面白かったんです。『(ダウンタウンの)ごっつええ感じ』のアホアホマンとか『リチャードホール』とか、ビジュアルが面白かったんですよ。そこからです。

――もし、そのとき高田純次さんに出会わなかったら、今どうされていたと思いますか?

たぶんGoogleとかCiscoとか、シリコンバレーで働いていたと思います。Googleが大好きで絶対働きたいなと思ってたんですけど、高田純次さんで変わりましたね(笑)

――ものすごい路線の大転換ですね(笑)

でも、その頃は若かったから、結構天狗でした。「俺、IT詳しいから、日本に来てミスしても、アメリカに戻ってITの仕事すればいいじゃん」って思ってたんです。