えちごトキめき鉄道は23日、JR西日本から購入した455系・413系を使用し、「昭和の急行列車」を体験できる気軽な観光列車「観光急行」の運行を開始すると発表した。運行日は「原則として7月4日からの土日祝日」とされた。

  • 455系・413系の「観光急行」は7月4日から運行開始し、455系(クハ455-701)にヘッドマークを装着する

使用車両は「クハ455-701」「モハ412-6」「クモハ413-6」の3両編成。「クハ455-701」は1971(昭和46)年完成、1986(昭和61)年に車体改造された「最後の国鉄急行形電車」ともいえる貴重な車両で、国鉄時代に製造された急行形電車455系の現役車両は「クハ455-701」を残すのみとなっている。「モハ412-6」「クモハ413-6」は1987(昭和62)年に車体を新造し、急行形電車の走行装置などを組み合わせて作られた車両とのこと。

455系・413系の「観光急行」は種別を急行、列車名を「急行1~4号」として、直江津駅から糸魚川駅・市振駅まで2往復運転。「急行1号」は直江津駅11時26分発・市振駅12時52分着(途中停車駅は糸魚川駅のみ)、「急行2号」は市振駅13時10分発・直江津駅14時31分発(途中停車駅は糸魚川駅のみ)、「急行3号」は直江津駅15時3分発・糸魚川駅15時51分発、「急行4号」は糸魚川駅16時40分発・直江津駅17時8分発となる。455系には複数種のヘッドマークを装着する予定。車内でワゴン販売を行うほか、観光案内放送や見所での徐行運転も予定している。

利用する際、乗車券の他に急行券が必要となり、料金はおとな500円・こども250円。直江津駅と糸魚川駅の窓口にて、国鉄時代をほうふつとさせる硬券で発売される。「観光急行」の車内でも車急式補充券で発売する。1枚につき「観光急行」1列車に1回限り有効。駅窓口での販売は有効期間開始日の1カ月前から当日までとなる。

  • 455系・413系は「観光急行」として日本海ひすいラインを運行(写真提供 : えちごトキめき鉄道)

  • 妙高はねうまラインでは455系・413系の快速列車が運行される(写真提供 : えちごトキめき鉄道)

なお、455系・413系は日本海ひすいラインでの「観光急行」としての運行に加え、7月4日から妙高はねうまラインの快速8350M(直江津駅8時43分発の妙高高原行)・8347M(妙高高原駅9時44分発の直江津行)でも運行される。「観光急行」は7月4日以降、当面は全車自由席で運行され、指定席については別途案内する。秋頃から車内での飲食サービスも予定している。「観光急行」の運行期間について、「2022年度までを予定しております」とのこと。

えちごトキめき鉄道では、「観光急行」の利用にお得なきっぷとして、「ホリデーツアーパス」を6月28日から通年で販売(利用日1カ月前から発売)。おとな3,000円・こども1,500円で発売され、土休日に利用可能。同社全線の快速・普通列車と特急列車、「観光急行」の普通車自由席が1日乗降り自由となる(「えちごトキめきリゾート雪月花」は乗車不可)。「国鉄形観光急行 運行開始記念乗車券・記念急行券」(全4種)も7月4日に発売(発行枚数各3,000枚。なくなり次第、発売終了)され、発売額は記念乗車券が各900円、記念急行券が各500円となっている。