「スタッフさんたちが集めてくださった、乃木さんの昔の映像や雑誌のインタビューを読んだり。また映像作品のインタビューシーンを見ながら、話す雰囲気、佇まいなどを吸収したりしました」と役作りを述懐する。

シーズン2の見どころのひとつとなるのが、森田望智演じる黒木香と、乃木真梨子の関係性だ。どちらも村西にとってのミューズだが、村西と徐々にすれ違っていく黒木に対して、乃木は彼と距離を縮めていく。

総監督の武正晴からは、新人女優の野望をつづった映画『イヴの総て』を「観てほしい」とのオーダーがあったという。「乃木真梨子が“悪い女”ということではなく、彼女の情熱や、女性の嫉妬心という点が重なりました。監督陣とは『今日はどれくらい“イヴの総て感”を出しますか?』と相談しながら、お芝居していました」とにっこり。「“大きな愛”を、言葉ではなく、立ち振る舞いなどで表現しなければいけない、とても複雑な役。挑戦的な役だったと思います」と語る。

大きな刺激となったのが、村西役の山田孝之との共演。早口でまくし立てる、エネルギッシュな姿が視聴者を釘付けにしたが、恒松は「台本にはセリフがたくさん書いてあるんですが、山田さんは、そこにどんどんセリフをプラスして、より村西さんという人物像を深く掘り下げていくんです。すると台本を読んで想像していた、何百倍も熱量のあるシーンになるんです」と感嘆。「借金を抱えた村西さんが、みんなの前で開き直るシーンがあるんですが、そこでの山田さんのお芝居は本当にすごくて! 私は村西さんにビンタをするんですが、対峙しているだけで、どんどん自分の思いが高まっていくのがわかりました。山田さんのお芝居を間近で見られたことは、本当に大切な経験になりました」。

熱量の高い現場で、共演者たちにも恵まれた。女優陣がストリップを披露するシーンもあり、恒松によると「1か月くらい、練習をした」そう。「みんなでストレッチをしたりして、部活のよう(笑)。そこで仲が深まったように思います」と笑顔を弾けさせていた。