――公開直前の今の心境もお聞かせください。

さんま:こういうのはキリがない。ちょっと悔いがあったり、ここをこうしたいと思ったり。でも、プロデューサーとしては想像以上の作品に仕上がったと思います。

大竹:映画館の状況がちょっと心配ですが、本当にたくさんの人と作った映画なので、たくさんの人に見てもらいたいです。で、ヒットした方が良いんだよね?

さんま:俺はもういい(笑)

大竹:でも、吉本としては。

さんま:吉本としては、小銭が入れば喜ぶと思う(笑)。俺の知らない間にグッズを作っているし! もちろん1人でも多くの方に見てもらいたいですけど、完成したことで僕はかなり満足しています。

渡辺監督:終わってしまうのかという思いが僕は強いです。夢のような方々とお仕事をともにできて。完成したからには、より多くの方に見ていただいて、いろんなものを感じとっていただけたらと思います。

――いろいろな世代がいろいろな視点で見られる作品だと思いますが、どういう風に見てもらいたいですか?

さんま:(試写を見て)Cocomiちゃんのお父さん(木村拓哉)が「全国の小学生に見せたい」と言ってくれて、ほんまにそうやなと思いました。

大竹:家族、親子で見てもらいたいです。実の親子の間でも、きちんと言葉を交わせなかったり、愛情を持てない親子関係がある中で、出会った人を必死に愛するというのは、人とのつながりが希薄になっている今の時期に見てほしいなとすごく思います。

さんま:いいこと言うでしょ?

大竹:(笑)

――“アニメ界のカンヌ”とも言われている、フランスの「アヌシー・アニメーション国際映画祭」から正式招待を受け、特別上映されることも決定しました。

さんま:そこまで考えてなかったですけど、ありがたいです。僕はジダンに会いたいので、フランスに行ける機会があればいいなと思っています(笑)

――監督はいかがですか?

渡辺監督:うれしいです。世界のさまざまな方たちが厳しい目で見てくださるので。面白いですよね。昨今のアニメのプログラムを考えても異質といえば異質な作品なので。

大竹:普通の日常の話だけでこれだけのアニメーションというのはすごいって言われました。

渡辺監督:そういう部分は挑戦ですし、さんまさんにいい機会をいただいたなと思います。フランスの声も聞いてみたいですね!

さんま:コロナが収まるといいんですけど、まあそれを理由にできるからね。「コロナ禍やったからな」とか、逃げ道に使える(笑)。でも、アニメはいつまでも残るものなので、1人でも多く見ていただけるチャンスに恵まれ、ありがたいです。

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