――さんまさんと大竹さんの夢のタッグも実現しました。肉子ちゃん役を大竹さんにオファーしたのは、ほかのスタッフさんの提案だったそうですが、大竹さんの声を聞いてさんまさんはどう感じましたか?

さんま:いろいろアニメもやっていらっしゃって力はある方ですし、芝居やセリフの部分は安心していました。「大阪弁が心配だ」と言っていましたが、「心配なの~」って言うときはできるときなんです。「私このシーン、ダメかもしれない」と言いながら全部できるってわかっていました。そこが好きで共演しているんですけど、そこが嫌いで別れました(笑)

大竹:よくほんとうに、次から次に言葉が出てくるよね(笑)。

さんま:次から次(笑)。でも本当に、大竹さんで正解だった。感謝しています。これは大竹さんしかできなかったなって。

――大竹さんは、現場でさんまさんからのリクエストに驚いたことはありましたか?

大竹:突然、セリフの前の少し空いているところに「一言ギャグを入れてくれ」、「なんか一言、言ってくれ」と言われて。監督はアドリブが大変だったと思いますが、私はそれがすごく楽しかったです。

――そのセリフはお任せで?

さんま:こう言うたらこうしてくれるとわかっているので。こっちの意図を汲んでくれるのでありがたい。途中、ノリだけ東京弁にしているところがあって、「さすが大竹しのぶ!」と思いました。「全部食べちゃったけど」というセリフのところで。俺もたまにコントで東京弁で乗ることがあるんですけど、いろいろ共演したり、一緒に暮らさせていただいたりした中で(笑)、肌で感じていただいていたというのはありがたかったです。

――声優初挑戦のCocomiさんの起用はさんまさんの提案だったそうですが、声を聞いていかがでしたか?

さんま:ほかのプロデューサーや監督とCocomiちゃんの声を聞いたときに、「鳥肌立った」「優しくていい」という声が上がり、(完成した作品を見ても)思った以上でした。共演者たちがみんなうまくて、力のある人たちをキャスティングしたので、この中でCocomiちゃんいけるかなという心配もありましたが、やればやるほどすごかったので驚いています。

渡辺監督:全然お世辞ではなく、少女の持つちょっとしたブレや儚さを感じたので、この声を大事にしたほうがいいと感じました。