必要条件と十分条件はどちらも高校数学で習ったはずですが、改めて違いを求められたら説明できますか? 実はこの2つ、マーケティング戦略を練るときに役立つ考え方なので、会議やプレゼン資料でさりげなく使えたらかっこいいですよね。

本記事では考え方や使い方を、具体的に説明していきます。難しい数式は抜き! ぜひ参考にしてみてください。

  • 必要条件と十分条件とは

    必要条件や十分条件は高校で習ったきり、日常ではなかなか使わないですよね

必要条件と十分条件とは

高校数学に出てくる必要条件と十分条件について、まずは復習から始めましょう。

必要条件と十分条件の定義

2つの条件pとqにおいて、「pならばq」が成り立つ(真である)とき、

qは、pであるための必要条件である
pは、qであるための十分条件である

となります。

「すでに難しそう…」と不安になったとしても、安心してください。わかりやすいよう、例を使って説明します。

例1「リンゴならば果物である」

りんごと果物の関係を例に挙げて考えてみます。先ほどの「pならばq」にあてはめてみましょう。

「りんご(p)ならば果物(q)である」は成り立つでしょうか。

りんごは果物であり、ほかにも「食べ物」「植物」とも表現できます。しかし、りんごが果物であることは揺るぎない事実であるため、「りんご(p)ならば果物(q)である」は真で成り立ちます。

この際、

果物はりんごの必要条件
りんごは果物の十分条件

となります。

逆を考えてみましょう。「果物(p)ならばりんご(q)である」は成り立つでしょうか。

果物にはりんごのほか、ぶどうやバナナなどたくさんあります。つまり「果物(p)ならばりんご(q)である」は、そもそもの前提が偽で成り立たないのです。

例2「人間ならば哺乳類である」

続いて人間と哺乳類の関係を例に挙げます。

「人間(p)ならば哺乳類(q)である」は成り立つでしょうか。

りんごが果物だったように、人間は哺乳類であることは間違いありません。つまり「人間(p)ならば哺乳類(q)である」は真で成り立ち、

哺乳類は人間の必要条件
人間は哺乳類の十分条件

となります。

その逆について考えてみます。「哺乳類(q)ならば人間(p)である」は、哺乳類は人間のほかに犬や象、キリンなどたくさんいるので、「哺乳類(q)ならば人間(p)である」は前提が偽で成り立っていません。

例3「渋谷区民ならば東京都民である」

最後にもうひとつ。渋谷区民と東京都民の関係を例に挙げます。「渋谷区民(p)ならば東京都民(q)である」は成り立つでしょうか。

渋谷区は東京都の一部であることは間違いありません。つまり「渋谷区民(p)ならば東京都民(q)である」は真で成り立ち、

東京都民は渋谷区民の必要条件
渋谷区民は東京都民の十分条件

となります。

その逆はどうでしょう。「東京都民(p)ならば渋谷区民(q)である」は、東京都民には杉並区民や三鷹市民もいるわけですから、「東京都民(p)ならば渋谷区民(q)である」は前提が偽で成り立っていません。

だいたいわかっていただけましたか。頭の中で「必要条件は大きくゆるやかなもの」「十分要件は具体的に限定したもの」だとイメージすれば、理解しやすいと思います。

  • 必要条件と十分条件との違いと覚え方

    頭の中でイメージしてみましょう

必要条件と十分条件の違いと覚え方

理屈ではわかっていても、いざ必要条件か十分条件かと聞かれれば頭はこんがらがってしまいますよね。以下にヒントを紹介します。

必要条件と十分条件の覚え方「言葉の意味で覚える」

「必要」と「十分」の言葉の意味や語呂で覚える方法です。

  • 必要条件と十分条件との違いと覚え方

    語呂で覚えましょう

「pならばq」→「pが成り立つにはqが必要」
「pならばq」→「qが成り立つためにはpが成り立てば十分 」

十分条件の「十」と必要条件の「要」を合わせて「じゅうよう」と覚えるのがおすすめです。

必要条件と十分条件の覚え方「矢印の向きで覚える」

「pならばq」を矢印で表すと、pとqの関係がイメージしやすくなります。「矢印の先は“必要”である」と覚えましょう。

  • 必要条件と十分条件との違いと覚え方

    矢印を使えば頭もすっきり!

「pならばq」を「p→q」と置き換えます。このとき、矢印の先であるqは必要条件、その反対は十分条件だと機械的に覚えてしまうのです。

必要条件と十分条件の覚え方「ベン図で大きいほうが必要条件」

図に書いて考えてみるのも手です。上記の「渋谷区民ならば東京都民である」を例にしましょう。

  • 必要条件と十分条件との違いと覚え方

    実際に書き出してみるのもおすすめ

外側の円、つまり大きく広いほうが必要条件です。「広いの“ひ”は必要の“ひ”」と覚えるのもいいですね。

頭をすっきりさせるためにも、図に書いてみるのはおすすめです。

必要条件と十分条件との違い

違いを見分ける早見表を作成しました。

  • 必要条件と十分条件との違いと覚え方

    必要条件と十分条件の見分け表

〇がついた欄は、前提が真で成り立っているもの
×がついた欄は、前提が偽で成り立っていないもの

を指します。〇が2つ並ぶものは「必要十分条件」と呼びます。

必要十分条件とは

必要十分条件とは、ある事柄が成立するための必要にして十分な条件。命題「pならばq」と命題「qならばp」が同時に成り立つとき、qはp(またはpはq)の必要十分条件と呼びます。