ダンスロックバンドのDISH//が、28日に放送された日本テレビ系音楽番組『MUSIC BLOOD』(23:30~)に出演した。

  • 北村匠海=日本テレビ提供

結成当時、メンバー全員が楽器を弾けないのに所属事務所の意向でバンドを組まされることになったというDISH//。それまでダンスと芝居しか経験していないメンバーは戸惑ったが、当時中学生だったこともあり、反対することもできなかったと話す。

北村匠海は「最初は、弾けない楽器を持ちながら歌って踊っていました。途中から子ども用の楽器を持ったりして試行錯誤したのですが、踊りづらくなって余計に変になったり。楽器も演奏できないのにバンドと名乗っていたので、揶揄する声もたくさんありました」と、過去のVTRなどを観ながらしみじみ回想。

矢部昌暉は「当時は自分たちがやりたくないことをやって、周囲から批判もされて、本当に自分たちは何をやっているんだろうっていう感じでした」といい、橘柊生は「学生だったの学校の勉強もして、ダンスとお芝居のレッスン、さらに楽器の練習と、毎日がすごくハードでした。練習時間が足りないから事務所の人の前で演奏をしても全然できなくて、すごい怒られて。本当に悔しくて涙が出てきました」と振り返った。

3人の話を聞き、自身も同じような経験をしたMCの田中圭は「ドラマや映画の現場をやりながら楽器の練習をするって本当に大変。もう絶対にできないから、俺なんてすぐ仮病を使って楽器の練習サボっていたからね(笑)」と場を和ませながら、真面目なトーンで、「ただ俺の場合はギターを弾く役という最終的な目標があったからやり抜くことができたけど、みんなの場合はゴールが見えない分、余計につらかっただろうね」と思いやった。

常に手探り状態だったバンドも、地道な活動の甲斐あってデビュー2年後に武道館でのライブを実現。しかもチケットは発売5分で完売だった。そんな世間の人気とは裏腹に、メンバーの気持ちはまだ冴えなかったそう。「自分たちの中にまだ葛藤がありました。武道館でライブを開催するほどの実力がないことは、自分たちが一番わかっていたことですから。うれしい半面、まだ早いという気持ちでした。でも僕らが葛藤しながらライブをすることなんて、ファンの皆さんは望んでいませんから、その時は一生懸命パフォーマンスをさせていただきました」と語る北村。

さらに、映画『君の膵臓をたべたい』で、俳優としての人気がさらに高まるとともに、北村の気持ちもかなり不安定なものになっていったという。役者の仕事が激増し、バンド活動がままならなくなっていた。バンドの練習も疲れた姿を見せたり、メンバーに対してトゲのある言い方をしてしまったことを自戒を込めて回顧する北村だが、当時のメンバーは北村に同情していたそう。

橘は「発言などはトゲトゲしていましたが、すごく頑張っていたので『あ、疲れているんだな』と思う程度で、嫌ではなかったです。それよりも身体の具合の方が気になっていました」、矢部は「とにかく無理しないでほしいという気持ちだけでした」と本音を伝えた。

優しいメンバーの発言をうれしそうに聞き入る北村は「本当にいい奴らなんですよ(笑)!」とグループを自画自賛。最近は、ようやく俳優業とバンド活動のバランスが取れてきたというが、その大きな要因の1つが、バンドに途中加入したドラムの泉大智の存在だった。

北村は「大智はドラム経験者だったので、僕らとは比にならないくらい演奏が上手で。それに触発されて僕らも、もっと楽器が上手くなりたいと思わせてくれました。あと加入してくれたことでバンドとしての結束力が高まりました」と感謝した。