インターFMで放送中のラジオ番組『My Wedding Story』(毎週月曜 21:00~)。番組では、価値観の多様化や新型コロナウイルスの影響などで変化する結婚観をベースに、現代の新しい結婚式のカタチや、結婚式が本来持つ喜びや楽しさにフォーカスした内容に加え、LGBTや国際カップルの結婚などについても紹介している。パーソナリティを務めているウエンツ瑛士に、今の彼が思い描くリアルな結婚観について聞いた。

ウエンツ瑛士

――まずは番組についての感想をお聞かせ下さい。

結婚している友だちは僕の周りにもいますが、これから結婚に踏み出そうとしているとか、今の結婚式のスタイルはどういうものなんだろうっていう話を聞くことはあまりないんですよね。ですから、番組やリスナーの方からいただくメッセージを通じて、結婚前の人ってこういう心境なんだな、っていうのをリアルに知ることが出来るのが楽しいです。

今は結婚がすべてではない、という風潮もあるので、もちろんそれも尊重します。でも、それがいきすぎてしまって結婚の話自体がしずらくなるのも窮屈なので、両方の意見を汲みつつ、その中で、結婚する人はよりベストな方向を取ろうよ、というスタンスというか。聴いてくださるみなさんにとって有益な情報もあるのではないかと思います。

――番組ではウエンツさんの結婚に対する考えが垣間見えるのも興味深いです。

僕は正直、何の予定もなく話してますけどね(笑)。やっぱり結婚って当事者である二人が作っていくものだと思うから、自分の価値観を話したところでどうなんだっていう気持ちはあります(笑)。ただ、自分の中で結婚が昔より身近になっている気はします。

むしろ、結婚しないと思っている人でも結婚の話をしてもいいんじゃないかなって僕は思うんですよ。それによって結婚に対するハードルが下がったり、古い価値観にとらわれない、いろいろな結婚の形を模索出来たりする状況が出来ることは良いのではないかと。

結婚の予定がある人が考えるのは当たり前なんだから(笑)、予定がない人も考えることによって気持ちが前向きになるかもしれない。実際、番組にも「結婚願望がなくなっていましたが、番組を聴いているうちに出てきました」なんていうメールをいただくこともありますし、結婚について話すことはもっとカジュアルでもいいんじゃないかなって。

――先日もバラエティー番組での結婚前の同棲生活に関する発言がネットニュースになりましたが、ウエンツさんの中で今、結婚に対する気持ちが高まっているのでは?

でも、僕は今、母親と二人暮しをしているので、スタートはそこからですよ(笑)。「あんた、そろそろじゃないの?」みたいな空気感も僕自身は全然嫌だと思ってないですけど、そういうことを母が僕に素直に言える親子関係は築きたいなとは思っています。変に気を遣われるより。

――ウエンツさんの中で結婚に対する考えが今、少しずつ形作られている感じでしょうか。

どちらかというと、形作らないようにしている感じですね。最初からこうだと決めつけず、どんなことでも柔軟に受け入れられるようにしたいです。

――結婚観は若い頃と比べて変化してきているのですか?

たとえば年齢や仕事といった分かりやすい目標に到達したら結婚しよう、みたいなものは圧倒的に無くなりましたね(笑)。そういうことは関係ねえだろ、と。自分が「結婚したい」と思った時や、そう言ってくれる人を大事にしたいなと今は思っています。振り返れば、若い頃は相手もいないのにいろいろなことを決めすぎてましたね。「結婚」というものを一大イベントとして捉えすぎていたのかもしれないです。結婚に限らず、決めてもその通りにいかないことの方が人生、多いじゃないですか(笑)。

――そう考えると逆に、明日にでも結婚する可能性もあるということですよね。

まぁ、そうですね。

――では、パートナーに求めるものは?

現状、何も浮かばないです(笑)。自分のことをパートナーとして求めてもらえるだけでもありがたいと思います。

――結婚生活のイメージみたいなものはどんな感じでしょう。

あんまり何を分担するとかは考えてなくて、無理なく相手が喜んでくれることをしていけば継続しやすいし、続いていくのかなと思います。しんどいことも楽しいことになっていけばいいですよね。笑い話に出来る状況を作ることが出来たらいいなって。

極楽とんぼの加藤浩次さんが言っていたんですけど、今の時代、結婚してもしなくても自由だし、どっちが幸せなんてのもない。ただ、自分は結婚した方が1%幸せだと思うからそっちを選んでそうしている、と。確かに選択肢は自由だし、すべての差なんて微々たるものだし。いい言葉だなって思います。結婚の素晴らしさを伝えつつ、他の考えも受け入れるという気持ちも同時に持って臨まないと伝わらないのかなって。その意味では、何か答えを提示するのではなく、バランスの取れた番組にしたいですね。

――ウエンツさんの身近にいる夫婦や家族で、いいなと思う方はいらっしゃいますか。

どんな夫婦でも見たら全部いいなって思いますよ。子どもは可愛いですし。ただ、夫婦も子どもも、僕の前では一番良い瞬間しか見せてないと思うんですよ、間違いなく(笑)。僕の前では大ゲンカしないだろうし、夜泣きする場面にも立ち会わないですから。それぞれの意見や考え方も違って当然だし、それも含めて楽しいですけど。

誰かと何かを「共有」することって絶対楽しいはずなんですよ。それが結婚する人だと「旦那さん」「奥さん」「子ども」になるだろうし、結婚しない人だと「友だち」だったりするわけで。自分以外の誰かと何かを「共有」する瞬間ってきっと一番の幸せだと僕は思います。

――話を聞けば聞くほど、ウエンツさんはいい旦那さんになりそうですけどね。

いやぁ、感情はまた別ですから(笑)。自分がいい旦那さんになるとか思ってませんよ。ただ、衝突すらも一緒に楽しめるといいですけどね。今は相手と結婚について話せるところに行くまでが楽しいんだろうとは思います。相手も結婚願望があれば話は早いでしょうけど、なければそこに対するすり合わせが必要になってくるだろうし。たとえば子どものことにしても、欲しいのか欲しくないのか二人の間であらかじめ共有出来ていれば、結婚する前に自分たちの親にも説明することが出来るじゃないですか。

――では最後に、ウエンツさんの理想の結婚式を教えて下さい。

僕はあんまり新郎新婦と出席者を分けたくない結婚式(披露宴)がしたいなと思っていて。一般的なものだと、どうしても新郎新婦が壇上に座って出席者のみなさんと別物みたいな感じになってますけど、いっそのこと席順とかも決めず、もっとごちゃ混ぜでもいいんじゃないかなって。もちろんコロナ禍の今の状況では難しいですが、そういう自由な感じが自分に合ってるのかなって思います。