――永瀬さんが演じる及川亮は、高校卒業後、すぐに漁師見習いとして漁船に乗り始めるという人物です。漁師という職業はなじみがないと思いますが、役作りはどうされましたか?

NHKのスタッフの方からもらった漁師についての本を読んだり、ネットで調べたり、動画を見たりして、漁師の大変さは想像以上だったので、だからこそちゃんと気合を入れて知識を入れようと思いました。

――運動神経抜群かつ気配りのできる性格のため、とにかくモテるという人物ですが、その部分は役作りしなくても大丈夫ですか!?

役作りは別にいらなかったですね~(笑)。というのは冗談で、作るというより、りょーちん(亮)の優しさからなので、監督さんと相談しながらちゃんとりょーちんを演じれば、そこは表現できると思ったので、特に意識していません。

――監督からはどんなことを言われているのでしょうか。

例えば、細かい優しさがたまに抜けていて、「りょーちんなら、百音が階段を下りるときちょっと気にかけてあげると思うんだけど、どう?」と言ってくださるときがありました。

――永瀬さん自身は、亮の魅力をどのように感じていますか?

自分がつらかったり苦しい状況でも、一番に周りのことを考えていて、自分のことよりも幼なじみの子たちが苦しんでいたらそちらに気を回す。また、百音が悩んでいたら、「どうした?」と聞かずに、百音自身がしゃべりたくなるような雰囲気を出して、しゃべりたくなったら相談しておいで、というスタンスが優しくていいな、余裕があっていいなと思いました。

――本作は現代の宮城県が舞台で、東日本大震災も描かれます。亮は、震災を経験して漁師になるという役ですが、震災に関して何か準備したことがありましたら教えてください。

実際に震災を経験した方にしかわからない苦しみが絶対にあり、経験していない僕たちの想像を絶するほどのつらさ、怖さを体験されたと思います。そこをどれだけリアルに表現するかというのは、僕もそうですが、ほかのキャストさんやスタッフさんもたくさん悩んでいたところで、いろいろな映像や写真を見て少しでも気持ちを理解できたらと思いました。

――本作において、ご自身の中で挑戦だなと思うことは?

宮城弁です。方言をしゃべる役を今までやったことがなかったので、方言でのお芝居が1つの挑戦でした。方言担当の方が発音を録音してくださって、それを聞いて覚えてしゃべるという感じでやっています。

――好きな宮城弁はありますか?

「おやじ」です。インタビュー受けるときも「おやじが…」としゃべるんですけど、勝手に「おやじ」と発言していて、相当好きなんだなと思います(笑)

――18歳という若さで亮は漁師という職業を決断します。永瀬さんも若くからアイドルという人生を決断されましたが、そういった部分で共感するところはありましたか?

若いときから仕事を決めるというのは勇気がいりますし、「本当にこれでいいのか」とたくさん考えた上での決断なので、仕事に対する向き合い方がまっすぐになるのではないかなと思います。決断したからには、アイドルとして成功したいですし、漁師だったら「ずっとこれで食っていくんや」という気持ちになる。(亮は)お父さんのようになりたいというのがモチベーションとしてあり、僕もデビューしたいという夢を持ち始めてからモチベーションがすごく上がったので、そこは共感できます。