朝ドラではこれまでさまざまな職業の主人公が描かれてきたが、第104作となる今回は気象予報士が選ばれた。

吉永氏は「なるべくこれまでの朝ドラと同じ仕事にはしたくない、なおかつ現代のドラマの中でどんな仕事をしている人がいいか考えたときに、多くの人と接点があり、今の時代の息遣いを感じられる仕事がいいと思いました」と説明。「気象予報士、天気は、みなさんにとって非常に身近なものでありながら、それをどういう風に仕事や生活に生かせるかそんなに意識していないと思う。ヒロイン・百音を通して、そういったところを考えることにつながっていくのではないかと感じ、気象予報士を選びました」と語った。

気仙沼と登米の豊かな自然も見どころ。「自然はすごく天気と関わりがあり、いろんなことにつながっている。私たちは『循環』ということをドラマの中で意識して描いていくのですが、山に降った雨が川に流れ、海で太陽の光を浴びて雲になって空に戻り、また雨となって陸に降る。物事は循環していくということを描くために、山や海をドラマの舞台にしました」と述べ、「ロケで、山や海などいろんな場所に行って撮影したものが映像に出ていますので、期待して見ていただければ、感じていただけると思います」と自信をのぞかせた。

時代としては、東日本大震災から3年経った2014年から現代までを描く。これは制作陣にとって一つの挑戦とのことで、吉永氏は「朝ドラは時代が前のものが多い中、これまでの朝ドラとはやや違う、新しい朝ドラを作りたいという挑戦でもある」と明かす。

そして、「現代を描くときには、より登場人物がリアリティーをもって見える。出来上がった映像を見て、自分たちと同じ時代を生きている人という感じがすごくありました」とリアリティを特徴として挙げ、「いかに自然でリアルな人物として描いていくかということが、このドラマにとって大事だし、ここ最近の朝ドラとかなり違って見える部分。視聴者の方も、今の自分と登場人物を重ねたり、同じような気持ちで見たり、そういう目線になると思います」と語った。

17日から放送される第1週のサブタイトルは「天気予報って未来がわかる?」。2014年春、宮城県気仙沼市の離島・亀島で育った永浦百音(清原)は、高校卒業を機に、内陸の登米市の大山主・新田サヤカ(夏木マリ)の家に下宿して、森林組合の見習い職員として働き始める。そんなある日、東京から人気の気象キャスター・朝岡(西島秀俊)が登米にやって来る――。新たな朝ドラが幕を開ける。

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