「下世話」という単語を知っていても、どのような場面でどう使えるのかご存知でしょうか。 「下世話」は下という漢字がつくためか、「下ネタ」「下品な話」と認識している人もいます。しかし、これは間違った使い方です。

この記事では、「下世話」の意味や由来、正しい使い方について紹介します。また類語や英語表現についてもまとめているので覚えておきましょう。

  • 「下世話」の由来と基本的な意味

    下世話という言葉について知りましょう

「下世話」とは

「下世話」の基本的な意味や由来を紹介します。

「下世話」の意味

「下世話」の意味は「世間の人々が口にしている話」です。「平民的な」という意味もあり、「世間一般に」「世間ではこのように言われている」といったことを伝えたいときに使われます。

「下卑様の話」が由来

「下世話」はもともと、「下卑様の話(げびさまのはなし)」という意味が由来となっています。「下卑」は「下品で卑しいこと、意地汚いこと」を指し、昔の「一般の人々」つまり現在の「世間」に近い意味となったようです。

下世話の類語は「世間話」「噂話」

「下世話」の類語には、「世間話」「噂話」のような言葉が該当します。一般的な人々が話しているという意味を持っているのが共通点といえるでしょう。他にも「井戸端会議」や「ゴシップ」などもあてはまります。

下世話の対義語は「高潔」「高貴」

「下世話」の対義語には、「高潔」「高貴」といった位の高さを示す言葉があります。「下世話」の由来である「下卑」に対する対義語という意味合いのほうが強いかもしれません。昔から高貴な人々にとって世間一般の人は「下賤の者」「卑しい者」とされてきたことも背景にありそうです。

下世話の英語は「gossip」「common saying」

「下世話」を英語に直訳すると「common saying」となります。「common saying」は「人が話すこと」という意味で、「下世話」はあくまでも「世間一般の話」を意味するため、話の内容の良し悪しにかかわらず訳すのであれば適しているでしょう。

しかし、日本人でいうところの「噂話」は悪い噂であることも多いです。その場合の英訳は「gossip」が適しています。

  • 「下世話」の由来と基本的な意味

    下世話の英語は「gossip」「common saying」

「下世話」の正しい使い方

「下世話」の意味がわかったところで、実際にどのような場面で使うのが良いのか、正しい使い方を知っておきましょう。

人から聞いた世間話

話の内容の良し悪しにかかわらず、単純に人から聞いた話という意味で使うときは、下記のような使い方になります。

<例文>

  • 下世話に聞いた話だと、あの二人は結婚するらしい。
  • 専門的な話ばかりしているので、たまには下世話な話もしたくなる。
  • 下世話にいわれているけど、例のプロジェクトが成功したらしいね。

一般的な話

「下世話」には「平民的な」「世間的な」という意味から派生して「一般的な」という意味も含まれます。そのためよく知られた話を意味する「一般的に」という前置きと同じような使い方をすることが可能です。

<例文>

  • 下世話な質問ですが、営業の仕事にノルマはありますか?
  • 下世話な話になりますが、近年の業界の動向を教えてください。

世間一般的に

「下世話」には「世間」「一般的な」という意味が含まれているので、下記のような使い方をすることもできます。

<例文>

  • 下世話のことわざにも『弘法も筆の誤り』というではないですか。そう気を落とさないでください。
  • 「下世話」の正しい使い方はこれだ!

    「下世話」の例文を紹介します

「下世話」の誤用に要注意!

「下世話」は間違って使われることが多い単語です。ついやってしまいがちな「下世話」の誤用例をまとめました。

「程度が低い」という意味にとられると失礼

上述した通り、「下世話」には「平民的」という意味があります。これは本来の「程度が低くて取るに足らない」という意味からくるもので、昔は高貴な位の人に対し平民が卑しいもの、程度が低いものと考えられていたことと繋がっています。

しかし現代では「平民的=一般的」という意味合いのほうが強く、「下世話」を本来の意味の「程度が低い」「卑しい」という意味で使うと、場合によっては差別的な表現になってしまうため注意が必要です。

「下ネタ」「下の世話」は大間違い

「下世話」の意味を「下品」と勘違いして、「下品な人」「下品な話」という意味で「下世話な人」「下世話な話」と使っているケースがありますがこれは間違いです。

確かに「下世話」は「世間一般な」「俗な」話をすべて含めるため、中には下品な話や下ネタもあるでしょう。その印象と「下」という文字が連想させてしまっているのかもしれませんが、「下世話」が必ずしも「下品」を意味するわけではないので注意しましょう。

また、読んで字のごとく「下世話」を「下の世話」と捉えてしまっている人もいるようですが、「下世話」の「世話」は「世間の人たちの話」という意味です。こちらも間違って覚えないよう気をつけましょう。

お金の話に使うときは注意

「下世話」は「俗な」話をすべて含めるため、中にはお金の話もあるでしょう。お金の話をするときに「下世話な話ですが」と前置きすることはよくありますが、この時話す内容が一般的なことであれば問題ありません。しかし、お金の話など個人的な事情に踏み込むことをはしたない、と感じる人もいます。

例えば「下世話な話になりますが、公務員の給料はどれくらいですか?」と聞くのであれば、「一般的な公務員の給料」を聞いており不躾な感じがしないため、正しい使い方といえます。

一方、「下世話な話になりますが、給料はどれくらいですか?」と聞くと、個人的な事情に土足で踏み込む「低俗な」意味合いが強くなります。基本的にプライベートなことを聞くときには使わないほうがいいでしょう。

  • 「下世話」の誤用に要注意!

    「下世話」の誤用に注意しましょう

よく似た言葉「野暮」と「下衆」

「下世話」とよく似た言葉に「野暮」「下衆」といった言葉があります。具体的な違いを知って、使い分けできるようにしておきましょう。

「下世話」と「野暮」の違い

「野暮」は世の中に対して融通が利かないこと、人の情に疎いことを指し、「野暮な人」というと「雰囲気が読めない人」「世の中を知らない人」を意味しています。

空気が読めない発言に対して「野暮なことをいうものではない」と言ったり、服装のセンスがなく垢ぬけていない人のことを「野暮ったい」と表現したりすることがあるでしょう。

一方で「下世話」は「世間一般の」を意味しているため、「野暮」はほとんど逆の意味になります。

「下世話」と「下衆」の違い

「下衆」は本来「身分が低い人」「下賤な人」を指す言葉です。転じて「心根が卑しい」「下品である」といった意味も含んでおり、これも「下世話」の誤用と同一と考えられてしまうことがあります。

「下世話」も確かに「程度の低い」「低俗な」という意味を含みますが、あくまでも「平民的な」という意味なので、「下衆」とは異なることに注意しましょう。

  • よく似た言葉「野暮」と「下衆」

    よく似ているけれど違う言葉です

下世話の意味を正しく理解しましょう

「下世話」の意味や由来、正しい使い方や誤用例について紹介しました。「下世話」は使い方を間違えると失礼にあたります。特にビジネスシーンにおいては、「下世話」の意味や由来を知って、正しく使うように心がけましょう。