新年度や新生活から1カ月経ち、生活に慣れることから、徐々に生活の中のお金を整えるタイミングに来ている方も多いかと思います。

新社会人の方は、特に早いうちにお金を貯める基盤づくりをすることをおすすめします。その理由は、限られた収入の中でのやりくりをしながら、貯蓄や投資をすることは、後々の結婚、養育、住宅、老後などかかる出費の助けになります。また、これらお金を貯めたり、やりくりをする行動を先送りするほど、結婚や住宅購入といったイベントが近くなってから、その資金に困ることになりかねません。今回は、お金を貯めたいと思ったときに、今すぐにできるポイントを紹介します。

その1. 家計と向き合う

お金がなかなか貯まらない家計の特徴として、毎月の出費に使途不明金が多く、ボーナスやクレジットカードの利用などで帳尻を合わせているケースがあります。つまり、その月に使える生活費を割り出すことが、お金が貯まる家計への第一歩なのです。

紙に書き出してみましょう。

調べるお金:給与振り込み口座、口座引き落とし分やクレジットカード払いの明細を見ながら書いてみましょう。

  • 月の手取り収入
  • 家賃など毎月定額支払う固定費の合計(1)
  • 電気、ガス、水道、通信費といった金額に変動はあっても毎月支払うべきお金のおよその合計金額(2) ・毎月の積み立てている貯蓄や貯蓄性のある保険や積み立てながら投資をしている場合は、その合計金額(3)

毎月の収入から、(1)、(2)、(3)の合計を引いた金額が、その月に使える生活費です。

ここで算出された生活費で、食費や日用品、服や美容費、交際費、医療費などの出費をやりくりします。

その2. 先取り貯蓄は必須

お金を貯めたいのであれば、給与やボーナスが生活費に回る前に貯蓄や投資に回しましょう。これら積み立てたお金は、始めから無かったものとして生活します。おすすめは、給与から天引きされてから振り込まれる、財形貯蓄、社内預金、持株会などです。これら制度を実施しているか、総務部などに問い合わせしてみましょう。

このような制度が勤務先に無い場合でも、給与振込口座から給料日に積立定期預金口座へ振り替えるように手続きをしましょう。取引銀行のアプリから申し込みができるので、あらかじめ、給与振込口座を持っている銀行のアプリを登録しておくとよいでしょう。

ほかにもiDeCo(個人型確定拠出年金)のように掛金が全額所得控除となる制度を利用しながら老後に備えるのもいいですね。

毎月の貯蓄の目安は?

毎月の先取り貯蓄の目安は、手取り月収の1~3割ですが、ほとんどお金を使わなくても生活できる方はそれ以上でももちろん大丈夫です。手取り月収の1割を貯蓄に回すのが難しい場合でも、5,000円、1万円でも、できる限りの中で先取り貯蓄をしましょう。

その3. 生活費を管理、やりくりする

毎月の固定費や公共料金は、口座引き落としやクレジットカード払いにして、あらかじめ引き落とし分を口座に入金しておきましょう。できるだけ現金で管理する費目は少なくするのがコツです。

生活費は、食費(外食費含む)と生活費、予備費の3つに分けます。生活費の予算を、食費、日用品、美容費、交際費など細かく分けて管理する方法もありますが、手間がかかるため、初心者さん向きではないためおすすめしません。

おすすめの管理方法

食費(外食費含む)と生活費をそれぞれ1カ月の予算を5週に分けて、1週間の予算を守りながら生活をする。

例えば、1カ月の食費(外食費含む)が4万円、生活費が8万円なら、食費は1週間8,000円×5週、生活費は1万6,000円×5週でやりくりします。

これら5週に分けた予算は、毎週日曜日もしくは月曜日に予算を入れ替えて、前週の残金は繰り越しをせず、封筒などに入れて取り置きします。毎週一定額の予算でやりくりすることがコツです。

予備費は、どんな出費にもオールマイティーに使える予算です。2万円程度用意して、1カ月で管理します。

例えば、交際費がかさんでしまって、生活費が足りないというときに使える予算です。この予備費があることで、家計と心にゆとりを持つことができます。

予算を守るコツ

コロナ禍においては、キャッシュレス決済が推奨されていますが、しっかりと管理をするのなら、現金払いがおすすめです。キャッシュレス決済を使う場合は、利用分を現金で取り分けるなどの工夫が必要です。

また、予算内に収めるコツは、優先順位を考えながら購入の選択をすることで、無駄遣いを減らすことができるでしょう。そして、自炊をする際に菓子パンやお菓子1袋を買うよりも、キャベツ1玉で何食分になるのか? など同じ支払うお金でも、より価値のあるものを選ぶようにすることで、予算を守りやすくなります。

この3つの方法は基本中のきほんです。ただ、この基本を知っていたとしても実践できていない場合も多々あります。まずは実践をして、お金が貯まる仕組みと考え方を身に付けていきましょう。過去に戻ってお金を貯め直すことができないからこそ、思い立ったときからできることをやってみることが大切です。