回転寿司でサイドメニューを頼む人ってどれくらいいるのだろうか。
昨今の回転寿司チェーン店では、茶碗蒸しやタコのから揚げといったお寿司屋さんでもなじみある商品に限らず、スイーツやラーメンなどのサイドメニューもすっかり定番化している。回転寿司で寿司だけを楽しむ時代は終わったのか、そう思うほどだ。
しかしそんな中でもぶっちゃけ、筆者はサイドメニューを頼まない派だ。「頼むことが悪」と思っているわけではないのだが、「寿司屋では寿司食うやろ」的な考えを持っているのだ。
……とはいえ、そんな前時代的な価値観を拭い、サイドメニューに一歩を踏み出すきっかけが欲しいなと思っているのも事実。そこで今回、そんな思いを回転寿司チェーン店「くら寿司」さんに話してみたところ、"ある企画"が生まれた。
私だけの回転寿司フルコースを作ってもらった
取材では食べてもプライベートではサイドメニューを断固食べない……なんてくら寿司さんと話していたところ、特別なフルコースを作ってくれることになった。
まず、普段筆者がどの回転寿司でも必ず注文する"マイ王道メニュー"がこちら。これをくら寿司さんがフルコースにしてくれるというのだ。
Before
とろサーモン
味付いくら
えびアボカド
まぐろ
はまち
えんがわ
なんとも子ども舌なラインナップだが、どのお寿司屋さんでも絶対的な美味しさを誇る品々だ。
そしてそれをくら寿司さんが"フルコース化"してくれたメニューがこちら。
after
ブロッコリーサラダ
乳酸菌ウォーター
とろサーモン
味付いくら
中とろ
えびアボカド
とうもろこしのかき揚げ
特製茶碗蒸し
極み熟成まぐろ
くら出汁しゃぶしゃぶ(はまち・えんがわ)
うな丼にぎりのだし茶漬け
かけうどん+えび天
なめらか豆乳アイス バニラ+お茶粉 コーヒー
サラダから始まりスイーツで終わる、しっかりとコースの体裁をなしたメニューだ。今回はサイドメニューの人気どころから意外な品まで用意してくれたとのこと。
「これならくら寿司のサイドメニューを楽しめるはずだ」とくら寿司さんが息巻いていた。
くら寿司オリジナルフルコース、いざ実食。
一皿目 ブロッコリーサラダ
一皿目の「ブロッコリーサラダ」(110円)は、くら寿司唯一のサラダメニュー。軍艦としても売られている「えびマヨ」が添えられた品になっている。せっかくコースとして提供するのだから、まずは前菜としてサラダを食べてほしい、そういって提供された。
"ブロッコリー×マヨネーズ"の最強タッグ改良版といった感じで、えびの甘みとマヨネーズの酸味が、ブロッコリーのシンプルな味わいを彩ってくれる一品だ。上からかけられた和風ドレッシングはオリジナル商品とのことで、このサラダのために作られているんじゃ……と思うほどに相性抜群だった。和食店の料理長をしていた商品開発の石澤さんが作った「石澤 ドレッシング」というのだそう。
えびマヨといえば、たっぷり盛られたネタと海苔の香りを堪能できる満足感◎な「えびマヨ軍艦」も文句なしに旨いが、シャリと海苔お腹がいっぱいになりやすいネガティブな側面もあるのだ。そういった点を考慮しつつ、さまざまな品を楽しみたいという人は、えびマヨ軍艦の代わりにこちらを頼んでみるのもありだろう。
乳酸菌ウォーター
続いていただいたのが「乳酸菌ウォーター」(110円)。すっきりと仕上げられたソフトドリンクだ。
「なんで今?しかも乳酸菌?」と、かなり謎なセレクトに疑問を覚えるが、爽やかな味わいでお寿司と高相性だそう。食前酒的なかたちで飲んでほしいとのことだ。
"乳酸菌飲料"を飲んだ時に気になりがちな独特のもったり感や甘すぎる感が全くない、爽やかな飲み口が心地よい一品。お寿司と一緒に飲んでも邪魔しない味わいのナイスな商品だ。
お寿司ネタをいただく!
続いては筆者が絶対に注文する定番の4皿と、くら寿司さんピックアップの「中とろ」をいただいた。
なんでもくら寿司に訪れる人たちは、お寿司の合間にサイドメニューを注文する人が多いんだとか。今回は、そういった消費者動向を参考に、コースの合間にサイドメニューを配置してくれたそうだ。
二皿目 とろサーモン
「とろサーモン」(110円)は、ピンク色の華やかな色味が食欲をそそる一皿。脂がたっぷりとのったこちらはわさび醤油との相性が抜群で、いつもと変わらぬ"安定の美味しさ"を堪能できた。
三皿目 味付いくら
「味付いくら」(110円)は、朱色の小粒とフレッシュなきゅうりのコントラストが鮮やかな一皿。醤油を数滴たらして口に含むと、いくらが弾けてじゅわっと旨みが広がっていく。きゅうりの食感がいいアクセントとなり、さらに美味しさを引き立ててくれる。
四皿目 中とろ
「極み熟成 中とろ」(一貫 220円)は隠し味として"漬けだれ"を表面に塗り、一貫だけで提供される贅沢皿。こちらは期間限定の商品としてたびたび登場する、安定の人気メニューだそうだ。
くら寿司の売れっ子商品には、脂がたっぷりのったお寿司が多くラインアップされているとのこと。同商品はそんな中でも特に人気な品らしく、出会った際にはマストで食べるべきだといわれた。
わさびをたっぷりのせてみたのだが、その選択は大正解。中とろの脂とわさびが口の中で混ざり合い、双方の旨みだけが残る感覚を堪能できた。
まぐろは体の中心にいくほど赤身になっているらしく、中とろは通常、皮目から7cmぐらいの身を使用しているのだそう。しかしくら寿司の中とろは、皮目から4cmの油を多い部分を使用しているそうだ。
また、醤油よりもやや薄味の"漬けだれ"は、中とろの味わいを殺さぬよう設計されているようで、それがさらに美味しさを底上げしていた。もしこれまで「極み熟成 中とろ」に醤油をかけていたという人は、一度わさびのみで味わってみてほしいところだ。
五皿目 えびアボカド
「えびアボカド(フレッシュアボカド使用)」(110円)は、茹でたえびにアボカド、スライスオニオン、マヨネーズをのせた一皿。
えびとアボカド、マヨネーズのマイルドな甘みにスライスオニオンのシャキシャキ食感が合わさり、食感・味わいともに楽しい仕上がりだ。ボリューミーなルックスに負けない満足感が得られるので、子どもから大人にまで愛される一皿ではないだろうか。