今年2月23日に20歳を迎えたばかりの久間田琳加が、女優として新たな作品に挑んだ。地上波連ドラ初出演で初主演を務めた『マリーミー!』(ABCテレビ)に続き、『お茶にごす。』(Amazon Prime Videoで全12話配信中/テレビ東京系で放送予定)では、“中学最強の不良”と恐れられた主人公・船橋雅矢(鈴木伸之)を茶道部に勧誘する部長・姉崎奈緒美を演じる。共演者の中では最年少でも、役柄では最年長という難役だ。

人を見た目で判断せず、誰にでも優しく接する人格者。そんな部長を、久間田は「教科書みたいな人でした」と自身からは遠ざけ、自らのコンプレックスを明るく打ち明ける。「後ろ向きでも前向き」な生き方とは。そこには、過去のある出来事も関係していた。

  • 久間田琳加

    久間田琳加 撮影:宮川朋久

――20歳を迎えて、心境の変化はありますか?

何かが変わったというより、実感がちょっとだけ出てきたような感じです。お祝いの言葉をいただいたりしてやっと、「二十歳になったんだな、私……」と思えるようになったというか。でも、率直にうれしいです! 4月生まれの同級生たちにやっと追いついくことができました(笑)。

――20歳の記念にファンイベントも開催されたそうですね。

会場の人数はいつもの半分に制限して、オンラインでも参加して頂けるようにしました。第1部が今までの私について自分の年表を見ながら振り返る企画。第2部は、「これから始めたい10のこと」という未来をテーマにした内容でした。

去年はスタイルブックを発売したり、地上波連ドラ初主演をさせて頂いた『マリーミー!』もあったり、新しく私を知ってくださった方もたくさんいらっしゃったので、1度原点に返る意味でもそういう企画にしました。この世界に入っていろんな環境の変化がありましたが、去年からドラマやバラエティでテレビに本格的に出させて頂くようになったので、やっぱり19歳が一番濃かったような気がします。

――『マリーミー!』に続いて、『お茶にごす。』にも出演。コロナ禍でのドラマ撮影は大変そうですね。

『マリーミー!』と比べて登場人物が多いこともあって、現場ではかなり注意して撮影していました。フェイスシールドをすることもそうですが、毎回食事の前には手洗いやうがいをしたり、繰り返していくうちにルーティン化していきました。

――そういう環境下での演技は、問題なく集中できるものなんですか?

フェイスシールドをしてのリハーサルは、季節によっては暑かったり、あとはやっぱりちょっと聞こえづらかったりもします。ただ、私が本格的に女優業を始めたのが『マリーミー!』からで、コロナ禍前提での撮影がスタートなので、「これが普通」という意識で現場に入ることができています。

――『お茶にごす。』のドラマ化の発表で、原作の西森博之さんが「配役で一番大切なのは、まークンを差し置いて部長だと思っています」とコメント出されてましたね(笑)。

部長は私の役なので、ドキッとしましたね(笑)。とてもありがたいお言葉ですが、そのコメントを見たのが撮影終わってからだったのでよかったです。撮影前だったら、「ヤバい!」と焦ってたんじゃないかなと思います(笑)。原作を読んでいる時点でかなり鍵を握るキャラクターであることは分かったので、大事な役だなと思いながら演じていました。

――外見で人を判断せずに、船橋を受け入れた部長。誰しもがそうありたいと思う人物ですね。

「教科書」みたいな人でした。私自身は少し人見知りで、いきなり人の心に飛び込むのは得意ではないんです。鈴木(伸之)さんに初めてお会いしたときも、体が大きくて背も高いので「迫力がすごい!」と内心では驚いてしまって(笑)。でも、話していくうちにすごくお茶目な面が見えてきて、話しを合わせてくださるような優しい方で、良い意味でのギャップを感じました。

共演の皆さんは年上で、役では私が年上。最初にお話を頂いたとき、「これって合ってますよね?」と確認してしまいました(笑)。何とか先輩っぽく見える工夫をして、もちろん鈴木さん、萩原(みのり)さん、瀬戸(利樹)さんも後輩になりきってくださったのがうまく組み合わさったような気がします。監督も、役柄の関係性に見えると褒めてくださいました。

――先輩っぽく見える工夫とは?

学生時代、たった2つ差の先輩とかもすごく大人に見えたんですよね。なので当時かっこよく見えていた先輩のことを思い出して、参考にしていました。あとは茶道部の部長でもあるので、着こなしだったり指先をそろえたりとか、ちょっとした所作がきれいになるように、そういう細かいところにも気をつけました。

――主人公は過去の自分を変えるために一歩を踏み出すわけですが、ご自身でそういう経験はありますか?

今回のドラマで思ったのは、学生もののドラマが初めてだったので、カメラが回ってないときのコミュニケーション能力をもっと高めないといけないなと改めて感じました。さっきも言いましたけど、ちょっと人見知りで(笑)。心を開いたら早いんですけど、そこまでがちょっと人より遅いというか。もう20歳になりましたし『Seventeen』でも先輩の立場になってきたので、もっとコミュ力を高めたいです!