映画『いのちの停車場』(5月21日公開)の完成披露試写会が14日に都内で行われ、吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、南野陽子、小池栄子、みなみらんぼう、泉谷しげる、中山忍、石田ゆり子、田中泯、西田敏行、成島出監督が登場した。

  • 田中泯

    田中泯

  • 吉永小百合

    吉永小百合

同作は都内の終末期医療専門病院に勤務する現役医師でありながら、作家として活躍する南杏子の同名小説の実写化作。救命救急医として、長年大学病院で患者と向き合ってきた咲和子(吉永)は、とある事情から石川県にある父の住む実家へと戻り、在宅医療を通して患者と向き合う「まほろば診療所」に勤めることになる。

吉永の父親を演じた田中は、「吉永小百合さんというスターのお父さん役、本当に驚きました。同い年なのに」と、ともに1945年生まれで76歳の2人で父娘役となったことに苦笑する。「ちょっと不安になって、『大丈夫ですかね』と言ったら、監督が『大丈夫、大丈夫』と。映画をご覧になって、大丈夫かそうでなかったかみなさんが決めて下さい」と客席に語りかけた。

さらに田中は「本当に本当に必死の思いでした。本当に記憶に残り続ける映画になると思います」と振り返り、「吉永さんの居方が、僕をお父さんにしていたんだと思います。感謝です」と心境を表した。

成島監督は「映画ご覧になっていただけるとわかる通り、すばらしいお父さん」と太鼓判。「病に倒れているんですが、撮影の前に『5kg痩せたい』と言っていて、泯さんはダンサーで絞る理由はないし、泯さんのお年で一体どこ絞るのか……命にかかるからやめた方がいいと言ったら、『やります』と本当に5kg以上痩せられて。その気迫が映ってると思うし、命を削って役を作ってくれたことに感謝の言葉しかありません」と驚きのエピソードと共に感謝を表した。