フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション 放送1000回SP 前編』が、あす11日(14:00~ ※関東ローカル)に放送される。

  • 98年8月16日放送『段ボール拾い 逆風人生』より=フジテレビ提供

関東ローカルながら、今や“日曜日の午後は『ザ・ノンフィクション』”と言われるほど世間でも知られる存在となった同番組は、18日に放送1,000回目を迎える。この大きな節目を迎えるにあたり、番組では2週にわたり「放送1000回SP」と題し、四半世紀を超える長い歴史の中で『ザ・ノンフィクション』が何を描いてきたのかをたどっていく。

1日放送の「前編」では、95年10月15日の記念すべき第1回放送から90年代、2000年代の番組の歩みをたどる。阪神・淡路大震災やオウム真理教で日本が激震する年に始まった番組は、今でこそ市井の人々を取り上げる番組というイメージが強いが、第1回の主人公は野茂英雄。日本人メジャーリーガーの“パイオニア”となったアスリートの挑戦から『ザ・ノンフィクション』の歴史はスタートした。

折しも “平成の大不況”と呼ばれた時代。被写体は、苦しい時代を懸命に“生きる”人々へとシフトしていく。ホームレスの夫婦、うず高く積まれた段ボールをリヤカーに乗せて日銭を稼ぐ人、借金にまみれて社会からドロップアウトしていく人…。そんな“きょうを懸命に生きぬく人々”の姿をとらえた番組は、視聴者の心をつかんでいき、97年9月に放送した「借金地獄物語」は、日曜の午後としては異例の歴代最高視聴率15.9%(世帯、ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録した。

そして時代は21世紀へ。閉塞感漂う時代の中で、今を生きる人々の姿をとらえた人情あふれるヒューマンドキュメントが多く制作され、数々の話題作を生み出していく。そんな人々の背中を押すように、2003年に誕生したのが“生きてる。生きている。”のフレーズでおなじみの番組テーマ曲「サンサーラ」だ。

最初の放送では、ボーカルのないインストゥルメンタルで始まった楽曲は、その後8組のミュージシャンに歌い継がれ、今や『ザ・ノンフィクション』の代名詞となっている。

そんな「放送1000回SP」の“語り”を担当するのは、女優・宮崎あおい。最初にこの番組のナレーションを読んだのは18歳の時。以来、最多の34回の放送を担当してきた彼女の“語り”とともに『ザ・ノンフィクション』の軌跡をたどる。

  • 95年10月15日・第1回放送『すべてはあの一球から…野茂英雄2982球の真実!』より=同

  • 宮崎あおい

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