料理のレシピに「バター」と書かれていたとき、家にある「マーガリンではダメなのか」「何が違うのか」などと疑問に思ったことはないでしょうか。

見た目は似ていても、バターとマーガリンには違いがあります。バターとマーガリンの共通点や相違点を理解し、料理でうまく使い分けられるようになりましょう

  • バターとマーガリンの違いと共通点を知ろう

バターとマーガリンの違い

バターとマーガリンの違いについて、発祥や素材、製造方法、賞味期限などを紹介します。相違点からそれぞれの特徴も理解しましょう。

発祥国の違い

バターの発祥の地はインド、マーガリンの発祥の地はフランスだといわれています。バターの起源は明確に残されていませんが、紀元前2,000年ごろに記されたインドの経典に医薬品や化粧品としてバターらしきものの記録があるとされています。

マーガリンの起源は明確に判明しており、1869年にフランスで作られたのが最初です。戦争によるバター不足を解消するために考案されました。

原料の違い

バターは動物系、マーガリンは植物系の原材料から作られていると聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。バターの脂肪分は牛乳が原料となりますが、マーガリンはコーン油や大豆などの植物性脂肪のほか、牛乳以外の動物性脂肪が使われていることもあります。

製造方法による違い

バターは牛乳からクリームを分離して乳脂肪を固めて作りますが、マーガリンは食用油脂に水や食塩のほか、乳成分などを加えて乳化させ、冷やして固めて作られたものです。そのため、バターは乳脂肪分が80%以上含まれるもの、マーガリンは脂肪分が80%以上含まれるもの、などと定義されています。

冷やしたときの形状の違い

冷蔵庫から取り出したばかりのバターが固く、パンに塗れないという経験はありませんか。逆にマーガリンは冷蔵庫から取り出したばかりでも、バターナイフで薄く削り取れ、パンにも簡単に伸びるでしょう。

使われている原材料や製法の違いから、バターとマーガリンには、冷やしたときに固くなるかならないか、という形状の違いがあります。冷蔵庫で保管していて、すぐにパンなどに塗って使いたいというときには、マーガリンが扱いやすくて便利です。

味わいの違い

バターとマーガリンは、用途や見た目が似ているものの、原料や製造方法が異なるため、味わいにも違いがあります。バターは香りやコク、旨味が強く、マーガリンはバターに比べるとあっさりとした味わいです。

値段の違い

マーガリンはバターの代用品として考案されたという歴史があります。バターには牛乳が必要ですが、マーガリンは植物性の脂肪分であればよく、特別な植物が必須というわけではありません。そのため、バターよりも安定した供給が可能となり、価格も安く販売されています。

賞味期限の長さの違い

成分が異なるものバターとマーガリンですが、賞味期限に大きな違いはありません。それぞれメーカーや製品によって賞味期限は異なるので、購入時に確認しましょう。

保存方法としては、バターは乳製品のため周囲の匂いを吸収しやすいので、開封後は匂い移りがしないよう密封しましょう。また、マーガリンは未開封でも開封後でも、10℃以下で冷蔵保存するようにしましょう。

開封後の劣化の違い

バターもマーガリンも開封してしまうと徐々に製品が劣化し、変色したり風味が落ちたりしますので、どちらの製品も開封後早めに消費することがすすめられています。

バターは油の中の細かな水分が長時間空気に触れることで表面が乾燥し、橙色に変色します。マーガリンも表面の水分が蒸発し、表面部分がβ-カロテンの色である黄色が濃くなります。

  • テーブルとソファー

    バターとマーガリンの相違点を理解しましょう

ファットスプレッドとはどう違う?

「ファットスプレッド」はマーガリンの一種です。しかし、マーガリンは脂肪分80%以上、ファットスプレッドは脂肪分80%未満という明確な違いがあります。

また、ファットスプレッドはマーガリンと違ってフルーツやチョコレートといった風味原料を使うことが許可されています。

バターとマーガリンの共通点

バターとマーガリンでは原料が根本的に異なるものの、用途や風味など共通点も多く、お互いに代用することも可能です。利用の幅を広げるためにも、違いだけでなく共通点も把握しておきましょう。

どちらの代用もできる

マーガリンはバターの代用食品として誕生しているので、トーストにバターの代わりにマーガリンを塗るなど、置き換えが可能です。

とはいえ、原料などに違いがあるため風味やコクも異なり、お菓子のレシピにバターと書いてあるものをマーガリンで代替しても、まったく同じ味に仕上がるというわけではありません。この点に注意し、必要に応じて使い分けましょう。

カロリーはほぼ同じ

バターとマーガリンでは、どちらも脂肪分がほぼ同量であり、カロリーにも大きな違いはありません。

マーガリンに分類されている製品の中には、脂肪分を80%未満に抑えた「ファットスプレッド」という商品もあります。ファットスプレッドは脂肪分が抑えられているため、一般的なマーガリンやバターよりもカロリーが低いのが特徴です。カロリーが気になる方は使用してみてはいかがでしょうか。

どちらもトランス脂肪酸を含んでいる

商品によって含有量は異なりますが、平成28年の農林水産省「食品中のトランス脂肪酸について」のPDFによると、100gのバターには約1.7~2.2gのトランス脂肪酸が、100gのマーガリンには約0.2~16gが含まれているとのことです。

  • ワンプレートのモーニング

    共通点を理解すれば、材料を置き換えてもおいしい料理が作れます

バターやマーガリンって健康に悪いの?

バターやマーガリンが健康に悪いという話を聞いたことがある人も多いでしょう。このように言われるようになったのは、前述の「トランス脂肪酸」が関係しています。

トランス脂肪酸とは脂肪酸の一種です。トランス脂肪酸は摂りすぎてしまうと悪玉コレステロールを増加させ、善玉コレステロールを減少させることが報告されており、心臓病のリスクが高まるとされています。

このことから、トランス脂肪酸が含まれるバターやマーガリンは健康に悪いと言われるようになりました。

しかし、農林水産省によると日本人が普通の食生活で日々摂取するレベルのトランス脂肪が健康に悪影響を及ぼすと確実に言えるかどうかは、まだ明らかになっていないようです。

参照:
農林水産省「すぐにわかるトランス脂肪酸」

おすすめのバターとマーガリンの使い方

バターとマーガリンには相違点だけでなく共通点もあることが分かりました。では、上手に使い分けるにはどうすればいいのか、それぞれの特徴を活かした使い方を考えてみましょう。

バターの使い方

炒め料理や煮込み料理など、コクや風味を求める料理では、バターが使われることが多いです。カレーの食材を炒めるときにバターを使ったり、仕上げにバターをのせたりするのもそのためでしょう。

また、バターのコクや旨味はお菓子作りでも活かされます。ケーキやクッキーなどのレシピを見ると、ほとんどがバターです。とはいえ、最近では風味を補ったお菓子作り用のマーガリンも販売されています。必要な量や価格を踏まえ、使いやすいものを選びましょう。

マーガリンの使い方

マーガリンはバターに比べるとコクや旨味があっさりとしているため、一緒に使う食材の風味や味わいを引き立てるのに使えます。

サンドイッチを作るときにはマーガリンがおすすめです。食材の味を引き立てるのはもちろん、バターに比べるとやわらかいため、パンに塗りやすいというメリットもあります。

  • おしゃれに飾られた食卓の様子

    バターとマーガリンそれぞれの特性を活かした料理に利用してみましょう

バターとマーガリンの違いを理解して使い分けよう

バターとマーガリンの共通点や相違点について紹介しました。バターの代用品として造られたマーガリンは、料理などでも代わりに使うことができます。とはいえ、原料や製造方法に違いがあるため、コクや旨味など味わいに違いがあります。

バターとマーガリンの違いをしっかりと理解して、料理やお菓子作りでうまく使い分けていきましょう。