新型コロナウィルス感染症により、大きな打撃を受けた業種もある中、日本政策金融公庫の調査によると、高校入学から大学卒業までの教育費は前年度より26万円増加しているそうです。同時に子供への1年間当たりの仕送りは12万円減少しています。新型コロナにより進路などに影響を受けた割合は13.7%となっています。

それでなくても、先行きを不透明に感じている世代にとって、まさに収束の見えない現状は生活設計上、不安が多いと思います。特に教育費は削減が難しい分野です。今までを振り返ってみても、世の中が不況でも値上がりするのが教育費なのです。子供の望む教育を受けさせるために、早くから対策を立てておきたいものです。

義務教育期間の比較

文部科学省によると、保護者が1年間子供一人当たりに支出した学習費総額は下記の表のようになっています。全体に占める私立に通う比率: 小学校1.2%、中学校7.4%ですので、大半は公立に通わせていることになります。

小中学校の9年間の総額を、すべて公立に通わせた時と私立に通わせた時の教育費の総額を単純計算してみると、公立の場合は約339万円、私立で通すと約1,391万円となります。

9年間を公立に通わせたときの学費=321,281×6+488,397×3=3,392,877≒339万円
9年間を私立に通わせたときの学費=1,598,691×6+1,406,433×3=13,811,445≒1,381万円

  • 小学校と中学校の学習費総額(年額)

高校・大学期間の比較

高校のデータは上記文部科学省のものを採用しています。高校の給食はありませんので、除外しています。その分、別途弁当代は必要です。単純計算すると……

3年間を公立に通わせたときの学費=457,380×3=1,372,140≒137万円
3年間を私立に通わせたときの学費=969,911×3=2,909,733≒291万円

  • 高校の学習費総額(年額)

大学のデータは日本政策金融公庫のデータを採用しています。入学金や在学費用のほかに、大学の場合はアパートを借りて通学するケースもあり、その比率は27.4%となっています。その際の初期費用の平均は約40万円で、年間の仕送りの平均額は約90万円です。全く仕送りなしの比率は10.6%です。少なくとも生活費は自前で賄っている大学生も1割強いることになります。自宅外から通学する場合はその分の費用も計算に入れてください。

4年間を公立に通わせたときの学費≒537万円
4年間を私立(文系)に通わせたときの学費≒704万円
4年間を私立(理系)に通わせたときの学費≒863万円

  • 大学の入学金と授業料

小学校から大学までをすべて公立、私立に通わせたら?

小学校から大学までを公立、私立で通したら、教育費にどれほどの差が出るかを合計してみると、下記の通り、倍以上の開きがあります。

公立 義務教育339万円+高校137万円+大学537万円=1,013万円
私立(文系) 義務教育1,381万円+高校291万円+大学704万円=2,376万円
私立(理系) 義務教育1,381万円+高校291万円+大学863万円=2,535万円

もし生活が苦しく、子供に十分な教育を受けさせられないと予測できるようであれば、負の連鎖にならないように早くから対策を立てる必要があります。親の収入のアップと日々の節約による教育費の確保は当然ですが、子供にも早くから自立させて、ある程度は自力で賄うだけの力をつけさせることも大切です。そのほうが競争力のある子供に育つと思っています。奨学金制度もありますが、問題の先送りになりかねず、社会に出てから返済に苦しむケースが問題になっています。

ただし、個人的にはだれもが大学に進学する必要があるとは思いません。高校を出て社会人になった後で、どうしても大学で学ぶ必要を感じたら大学に進めばよい、そうしたケースが広く世の中に認知されるとよいと思っています。