三井不動産リアルティは3月16日、「中高年層の住みかえ等に関する調査」の結果を発表した。調査は1月30日〜2月14日、2015年4月1日以降に持ち家を購入し、住みかえした首都圏(1都3県)在住の45歳以上の男女1,126名を対象にインターネットで行われた。
住みかえ理由を尋ねたところ、1位「より広い家に住みたかったため」(27.4%)、2位「住まいの老朽化」(15.5%)、3位「交通利便性が高いエリアへの住みかえ」(15.1%)という結果に。住みかえ時の年齢別に見ると、65歳未満の人の理由は全体と大きく変わらない一方、65歳以上の人の住みかえ理由は、1位「自身の高齢化による、将来に対しての不安」(24.4%)、2位「子供や孫との同居または近居」(20.0%)、3位「バリアフリーの設備が整った住まいへの住みかえ」(19.3%)と、自身のシニアライフをより意識した結果が上位に浮上した。
住みかえによる物件や住環境の変化について聞くと、住みかえ時65歳未満の人の57.1%が「より広い家」に住みかえているのに対し、65歳以上の人の50.4%が「より狭い家」に住みかえているという結果に。また、部屋数も65歳未満の人の44.2%が「増えた」と回答しているのに対し、65歳以上の人の48.9%が「減った」と回答した。
さらに、住環境に関しても、住みかえ時65歳未満の人と比べると、65歳以上の人は「総合病院など大きな病院」や「商業施設」から近い立地を選ぶ人が増えていることが明らかに。これらの結果から、年齢を重ねるにつれ、家のサイズはコンパクトに、住環境は生活利便性の高さを重視する傾向があることが分かった。
物件購入金額を尋ねたところ、平均で4,768万円となった。物件タイプ別にみると、中古マンションが3,951万円、中古戸建てが3,628万円、新築マンションが7,462万円、新築戸建てが5,960万円となり、物件タイプによって差が出る結果に。そこで、住みかえ時の貯蓄額を尋ねると、平均貯蓄額は3,336万円。また、約半数(51.8%)は2,000万円未満であることがわかった。
また、住みかえ時に物件の資産価値(売却のしやすさ/値下がりのしにくさ)を意識したか尋ねたところ、およそ3分の2(65.9%)の人が「資産価値を意識した」と回答。現在の住まいを最終的にどうするかについて聞くと、どうするかすでに「決めている」という人は36.7%に留まり、より多くの選択肢を残すために資産価値を意識して住みかえている人が多いことがうかがえる結果に。また、最終的に「相続」を考えている人の割合は、住みかえ時65歳未満の人が18.7%に対し、65歳以上の人は40.7%と、約2倍の差がつく結果となった。