映画やドラマで引っ張りだこの名バイプレイヤー、津田寛治。最新主演ドラマは、チャンネルNECOオリジナルドラマ『ラーメン刑事』(第2話3月6日23:30~)だが、ラーメンが大好きなベテラン刑事・本郷台泰介という点が実にユニークだ。彼は初主演のドラマ『食の軍師』(15)でも食に強いこだわりを持つ主人公を演じていたが、ひと癖ありのキャラクターが実によくハマる。

  • 『ラーメン刑事』で主人公・本郷台泰介を演じている津田寛治

『ソナチネ』(93)で北野武監督に見い出され、映画デビューをした津田だが、その名を世に知らしめたのは、森田芳光監督作『模倣犯』(02)での悪役だったのではないだろうか。人を見下すゲス男である栗橋浩美役は、津田が出演するバラエティ番組『痛快TV スカッとジャパン』の嫌味キャラと同類項だ。

そんな強烈な役柄とは相反して、温厚な人柄で知られる津田。常に笑顔を絶やさず、同業者やスタッフからの人望も厚い。津田を直撃し、嫌われ役を演じるうえでのこだわりについて聞くと「その役の正義を探し出すこと」だと答えてくれた。

「悪役でも正義を見つけることができれば、薄っぺらな役にならず、深みが出る気がしますし、たとえどんな悪役であっても、自分が感情移入できるんです。そうやって役にアプローチをするようになってから、悪役を演じることが辛くなくなりました」

津田は「もともと自分は、勧善懲悪な物語が好きでないのかもしれませんが、悪役には悪役の道理があると思っています」と持論を述べる。

「現場で監督が、悪役を演じている先輩俳優さんに『もっと腐ったヤツでいってくれ』と言った時、その方が『そんなに悪いヤツは世の中にいないですよ』とぼそりと言われていたのを聞いたんです。当時、まだ若かった僕は、先輩に対して『なんて往生際が悪いんだろう。悪役なんだから、ふりきって悪いヤツを演じればいいのに』と思っていたんですが、この年になってようやく、先輩の気持ちがわかるようになりました」

さらに自分が演じる悪役について「演じる僕までその役を憎んでしまったら、その役に立つ瀬がないというか、役への虐待になってしまう。また、悪役自体も輝かないし、そうすると物語全体が損をしてしまう気がしていて。だから今は、ちゃんと役の正義について考え、演じるようにしています」と役への熱い想いを口にした。