お笑いコンビのラランドが4日、都内で「会社設立緊急記者会見」を行い、個人事務所「レモンジャム」の設立を発表。併せて、“大阪進出”を表明した。

  • ラランドのサーヤ(左)とニシダ

2019年の『M-1グランプリ』にアマチュアとして唯一準決勝まで進出し、昨年一気にブレイクしたサーヤとニシダのコンビ・ラランド。サーヤは会社員と、ニシダは大学生(現在は中退)との二足のわらじでフリーランスとして活動してきたが、仕事がみるみるうちに増加し、ついに拠点となる事務所を設立することになった。

サーヤは「フリーで活動していくのも性格には合っていたんですけど、これから大きなお仕事をさせていただく可能性が出てくるにあたり、非常に税金周りが怖いなと思いましたし、あとは社会からの信用を得るためには会社という形が非常にやりやすくなるんじゃないかということで、会社を作ってしっかりやっていこうとなりました」と経緯を説明。サーヤは社長、大手事務所を辞めてラランドを支えてきた橋本拓哉マネージャーが副社長に就任し、ニシダは正社員として採用した。

設立の経緯を把握していないニシダは「詳しいことは僕もあまり分かっていません。大学を2回退学しているんですけどやっと社員になれるということですごく喜んでおります」と笑顔だが、一方で「夢にまで見た正社員なんですけど、給与面やお休みなど、足りなければ春闘やストライキなども辞さない覚悟です。相方ではなく雇用主と労働者ですので、これからいろいろな調整も行っていきたいと思います」と宣言。

ニシダは今年に入り、仕事の現場に連絡なしで来ないという“ストライキ”をすでに2回行っており、サーヤは「とにかく現場にさえ来てくれればいいなと思ってます。“現れない”というのがどれほど恐怖か。そこは社会人としての自覚を彼には持っていただきたい」と釘をさした。

社名の「レモンジャム」について、サーヤは「名前を決めるに当たって尊敬している占い師さんに『こういう配置がいいですよ』というルールを聞いて、1か月くらい悩んで、そのルール全部無視してこれにしました」とのこと。結果、サーヤが思いつきで言った言葉から命名したが、「レモンのようなフレッシュさで、ジャムの中でもあまり選ばれないマイナーな“レモンジャム”という位置でいいかな」という意味を後付けした。

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そして、4月から大阪にも進出することを発表。大阪での単独ライブを隔月で定期開催し、関西のメディアにも積極的に出演する意欲を示した。

この背景について、サーヤは「東京で全国区のメディアに出させてもらうことが増えまして、毎日のように収録がある夢みたいな状況になってきたんですけど、“二足のわらじ”とか“OL芸人”みたいなタレントの“側”が作られていく一方で、自分たちが本来やりたかったお笑いからどんどん遠のいていく感じが実感としてあったので、もっとお笑いと向き合える環境を意地でも作らないと、このまま私たちは変なタレントでふわふわやっていくことになるぞという危機感が結構ありまして。なので、西の方で台本ペライチで自由にロケやらせてくれる番組だったりとか、ストロングに大喜利ばかりやる番組とか、お笑いの英才教育を受けさせていただいて、しっかり修業させていただいて、お笑いをちゃんと上達させた状態で東京でいろんなお仕事ができたらいいなと思って、この決意に至りました」と説明。

関西の芸人は“東京進出”を目指しているが、「お笑いに関しては“大阪進出”のほうが自分としてはしっくりきてまして。お笑いの土壌がしっかりしてるし、お笑いと向き合うんだったら大阪でもちゃんと活動しなきゃと思いました」と狙いを明かした。

最後に、今後への意気込みを聞かれると、ニシダは「いろんなものが経費で落ちるといううれしい情報を聞きましたので、今すべての領収書をとっております」とご満悦の様子。サーヤは「趣味でやってるんじゃなくて、仕事としてやってるんだということが、“経費”という形で彼に刺さったんだとしたら良かったなと思います」と、早くも会社設立に手応えを感じていた。