人に喜んでもらうことが何より好き

――瀧本さんだったら、本の代わりに何をおすすめします?

う~ん。そうだなぁ。私は子供の頃からB'zさんがすごく好きなので、相手の状態や気分に合わせて「いまのあなたには、B'zさんのこの曲がおすすめです!」みたいな感じでもよければ、是非やってみたいですね(笑)。

――ちなみにドラマで「菜々子」としておすすめした本の中で、瀧本さんご自身が特に気になった本はありますか?

「ウケる技術」という本が気になって、私も実際に読んでみたのですが、すごく切り口が面白いのでおすすめです。さすがに芸人さんほどはトークが上手くなれないかもしれないですが、割と日常生活にも活かせるテクニックが紹介されているのではないかと思いました。

――それこそ、先日フジテレビ系で放送されたバラエティ番組『全力!脱力タイムズ』では、瀧本さんが「中川家」礼二さんのネタを見事に完コピされて、まさに皆さんから「ウケ」てましたよね(笑)。

観ていただきありがとうございます(笑)。あの時はMCの有田哲平(くりぃむしちゅー)さんから「今回みたいな台本を渡すと大抵の女優さんに断られるんだけど、瀧本さんならやってくれると思ったんだよね」って言っていただけたのが何より嬉しくて……。期待されると応えずにはいられない性格なので「120%にしてお返しします!」という気持ちで、全力でやらせていただきました。他の人があまりやらないからこそ、光栄に思って頑張れるというのもありますし、人に喜んでもらうことが何より好きなんですよね。

――なるほど、瀧本さんの新たな魅力が開花した瞬間を見た気がします(笑)。旦那役の竹財輝之助さんや、出会い系で出会って意気投合する映像作家の遠藤役を演じた森崎ウィンさんとの共演はいかがでした?

お二人とも同じ事務所の先輩なのですが、お芝居で共演させていただくのは今回初めてで。竹財さんはあの甘いマスクから、たまにピリっとした一言が飛び出すギャップがすごく面白かったです(笑)。でも「撮影大変じゃない?」などいろいろ気遣ってくださって、とても優しい方でした。森崎さんとは以前バラエティ番組でご一緒したことがあったのですが、森崎さんご自身がとても明るい方なので、遠藤さんの役柄にすごくハマっていて。森崎さんが演じるからこそ、より遠藤さんが魅力的なキャラクターに見えるんだろうなと思いました。

――入れ替わり立ち替わり個性豊かなキャストが登場するのも本作ならではの特長ですね。

ゲストの方とはほぼ一日で撮影が終わってしまうので、菜々子さんの気持ちを疑似体験できたというか、濃厚な一日を共に過ごした感覚がリアルに味わえたんです。その日現場で初めてお会いして、お別れするときには本当に寂しい気持ちになって……。会話のキャッチボールを通じて菜々子さんの人生と自分の人生が共鳴したことで自然と涙も出たり、菜々子さんとして発する言葉に、私自身引っ張られたりする場面もたくさんあって、素直に感情が出せたのかもしれません。なかでも、加藤諒くんとのやりとりはかなり面白かったです。諒くんが心からお芝居を楽しんでいる感じが伝わってきて、私も自然と笑っちゃってました(笑)。