瀧本美織「変わらないでいい」という言葉の深さを噛みしめて

発売直後からSNSを中心に口コミで話題となり、ベストセラーとなった実録私小説を基に、瀧本美織主演で実写化したWOWOWオリジナルドラマ『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年のこと』(通称：であすす)が、2月26日夜11時半からWOWOWオンデマンドで第1話～4話が配信開始となり、3月26日からWOWOWプライムで放送される（23:30～ 第1話無料放送／全10話）。文字通り、出会い系サイトで出会った人たちにおすすめの本を紹介しまくる現役書店員・花田菜々子役を演じた瀧本に、本作の見どころや共演者とのエピソード、自身がおすすめしたいことなどについて、語ってもらった。

こんなに面白い人たちと出会えるアプリなら私も

――タイトルそのままの「異色の実録私小説」を題材にしたドラマで主演を務めた感想は?

原作本を読んで「こんな世界があるのか!」ってビックリしましたし、全て著者の花田さんが実際に体験されたことだと知って、とても勇気がある方なんだなぁと尊敬しました（笑）。台本をめくってもめくっても留まるところを知らない「自分史上一番多いんじゃないか」というくらい膨大な量の台詞を覚えるのは本当に大変でしたけど（笑）、台詞を喋りながら私自身も勇気づけられて、言葉が持つ力を実感しました。私は動きながら覚えた方が台詞が頭に入りやすいので、部屋の中をブツブツ言って歩き回りながら必死に身体になじませました。

――天職だったはずの書店員の仕事も次第に上手くいかなくなり、元同僚でデザイナーの旦那とは離婚寸前で別居中……。そんな「人生どん詰まり状態」の菜々子が、出会い系アプリを通じて出会ったかなりクセの強い人たちを前に、一人であれこれ妄想しながらその人に合いそうな本をひたすらおすすめしていく……というお話ですが、演じる上でどんなことを感じられましたか?

菜々子さんはいろんなことに悩んでいて、まさに「絶賛自分探し中」のような状態なのですが、「別に未完成なままでもいいんだ!」「人と真正面から向き合うことは、こんなにも素敵なことなんだ!」「こんなに面白い人たちと出会えるアプリなら、私もやってみたい!」と、思わされました(笑)。

――瀧本さんご自身は、初対面の人とも臆せず話せるタイプですか?

「聞き上手だね」と言っていただくことが多いので、自分のことをあれこれ話すよりは、むしろ相手の話を引き出す方が得意かもしれません。「菜々子さん」のようにあれこれ妄想して「この人はきっとこういう人だ！」とまではいかないですが（笑）、会話の中から相手のことを想像していくのは楽しいですよね。