「縦横無尽」という四字熟語は耳にしたことはあっても、正確な意味や使い方を理解できているのか気になるという人もいるかもしれません。間違えた理解で使えば意味が通じないこともあります。

この記事では、縦横無尽の意味や使い方を解説。類語や対義語、英語表現について例文も交えて紹介します。

  • 縦横無尽の意味、正しく理解していますか?

    縦横無尽の意味、正しく理解していますか?

縦横無尽の意味

縦横無尽は「じゅうおうむじん」と読み、自由自在に物事を行っているという意味の四字熟語です。一般的に「縦横無尽に仕事ができる」と言えば、どのような仕事にも対応できる優秀な社員であるという意味になります。

またビジネス以外でも、「縦横無尽にボールをコントロールする」など、思うままにボールを操るスポーツ選手などを指す際に使われるケースもあります。

縦横無尽の語源

縦横無尽の語源は、縦横と無尽をそれぞれわけて考えると理解しやすいです。

縦横とは縦と横で四方八方のすべての方向を意味し、無尽は尽きることがないという意味です。その両方を合わせると、制限なく自由自在に行動できるという意味になります。

縦横無尽の使い方

ここからは、縦横無尽の使い方を例文とあわせて紹介します。正しい使い方を知って表現の幅を広げましょう。

基本の使われ方は「縦横無尽に」

「縦横無尽に」というように副詞として使われるケースが一般的です。例文は以下の通りです。

  • 「あの選手は縦横無尽に動き回り、チームを勝利に導いた」

  • 「彼は縦横無尽に世界を飛び回り活躍している」

主に褒め言葉として使用

縦横無尽は相手を褒めるときに使用します。他にも意識的に褒める言葉はたくさんありますが、自由に物事をこなすという意味を持つ縦横無尽を使えば、普通の褒め方よりも印象が強く残るでしょう。

縦横無尽の類語

縦横無尽と同じ意味の四字熟語はいくつかあります。類語とはいえ、ニュアンスや意味が異なるのでしっかりと理解しておくことが重要です。

ここからは、縦横無尽の類語について例文を交えて解説します。

■縦横無碍

縦横無碍とは「じゅうおうむげ」と読み、どの方面に対しても妨げるものがなく、自由自在なことを指します。

縦横無尽と同じ意味ですが、「無碍」が何者にも縛られないことを表すので、縦横無尽よりも「好きなようにふるまう」様子が強く感じられる言葉でしょう。

例文は以下の通りです。

  • 「彼女は、縦横無碍に駆け回り遊んでいた」

■自由自在

自由自在は「じゆうじざい」と読み、思いのままにできるという意味です。縦横無尽と同義であり、普段の生活でも使用頻度が高く、多くの人が言葉にした経験がある四字熟語でしょう。

例文は以下の通りです。

  • 「この機械は赤ちゃんでも自由自在に操れる」

■縦横自在

縦横自在は「じゅうおうじざい」と読み、思き切り自分のしたいことをするという意味を持ちます。自由自在と似ているニュアンスのある言葉ですが、普段使用する頻度は低い言葉でしょう。

例文は以下の通りです。

  • 「自分の心境により縦横自在に変化する」

■三面六臂

三面六臂は「さんめんろっぴ」と読みます。あまり馴染みのない言葉ですが、「顔を三つ、腕を六つ備えている仏像」から転じた言葉で、1人でも数人分と同じ動きができるという意味です。

例文は以下の通りです。

  • 「彼は三面六臂の働きができる、有能な人材である」

縦横無尽の対義語

縦横無尽にはいくつかの対義語があります。複数覚えておくと表現の幅が広がるので、意味をしっかりと把握しておきましょう。

ここからは、縦横無尽の対義語の使い方を例文も合わせて解説します。

手枷足枷

手枷足枷は「てかせあしかせと」と読みます。「枷」は自由に動けないようにする昔の刑具のことで、そこから転じて、自由に動けないよう束縛するものや様子を表す言葉です。

使い方としては「恩が手枷足枷になり身動きが取れない」「同僚を手枷足枷と感じたことはない」などがあります。

八方塞がり

八方塞がりは「はっぽうふさがり」と読みます。元々は、陰陽道でどの方角で何をしても不吉だということから転じ、打つ手がなく途方に暮れた状況を意味する言葉です。

例文としては、「道に迷ってしまったうえに、誰とも連絡がつかず八方塞がりの状態だ」などと使用できます。

縦横無尽の英語表現

国際化の進む現代では、ビジネスシーンにおいて英語を用いる場面が多々あります。そのため、縦横無尽の英語表現を知っておくことは役に立つ機会もでてきます。

ここでは、例文を交えて縦横無尽の英語表現の使い方を紹介します。それぞれのニュアンスや日本語との違いを理解して、ビジネスに活用しましょう。

as free as a bird

直訳すると「鳥のように自由」という意味で、鳥のように何にもとらわれず自由であるということを表し、縦横無尽と同じ意味で使用できます。

<例文>

  • He is always happy and free as a bird(彼はいつも縦横無尽で幸せだ).

freely

「freely」は自由に・勝手にという意味の単語です。直観的にも理解しやすい英語なので、チャンスを見て積極的に使用してみましょう。

<例文>

  • Butterfly flies in the garden freely(蝶は花畑を縦横無尽に飛んでいる).

縦横無尽の意味を正しく理解しよう

「縦横無尽」という言葉の意味や使い方について解説しました。縦横無尽は頻繁に使用される四字熟語なので、使う場面を間違えてしまうと恥ずかしい思いをすることもあります。

ビジネスの場を円滑に進めるため、この記事を参考に正しい意味や使い方を理解しておきましょう。