JR九州熊本支社は、3月12日をもって運行終了する特急「有明」の記念企画を行うと発表した。第1弾として「さよなら特急『有明』号記念きっぷ」を発売し、第2弾として特急「有明」にまつわる思い出コンテストを開催する。

  • 特急「有明」。国鉄時代、キハ82系で運転されたこともあった

「有明」は1950(昭和25)年に準急列車でデビューした後、1967(昭和42)年に急行列車から特急列車に格上げされ、門司港駅から西鹿児島(現・鹿児島中央)駅までの区間を走った。1975(昭和50)年の山陽新幹線博多開業を機に、博多駅と熊本駅・西鹿児島駅を結ぶ連絡特急として活躍してきたという。

九州新幹線(博多~鹿児島中央間)の全線開業後は徐々に本数を減らし、現在は平日に上り1本のみ、大牟田駅から博多駅まで運転されている。JR九州が2021年3月に実施するダイヤ見直しで運転取りやめが決まり、デビューから約70年、特急列車としては54年の歴史に幕を下ろすことになった。

  • 国鉄時代の特急「有明」。ボンネット型先頭車も「有明」の代名詞といえた

  • JR九州の発足後、赤い485系「RED EXPRESS」車両で運転された「有明」

  • 787系の特急「有明」

「さよなら特急『有明』号記念きっぷ」は、特急「有明」の定期列車が始発・終着となった門司港駅、小倉駅、吉塚駅、博多駅、大牟田駅、長洲駅、熊本駅、八代駅、西鹿児島(現・鹿児島中央)駅、水前寺駅、武蔵塚駅、光の森駅、肥後大津駅の入場券各170円(博多駅・小倉駅は150円)と、熊本駅から博多駅への片道乗車券2,170円、熊本駅から水前寺駅への自由席特急券310円をセットにした商品。台紙とヘッドマークをデザインしたオリジナル缶バッジ3種類が附属する。

入場券はB型硬券、乗車券はD型硬券(準常備片道乗車券)、特急券はA型硬券で、今回作成する記念乗車券は在来線でのみ使用可能。缶バッジは「82系ヘッドマーク」「絵入ヘッドマーク」「準急時代ヘッドマーク」のデザインで作成する予定となっており、台紙には「有明のヘッドマーク」や、選抜した「歴代有明の列車の写真」「有明の歴史等」の掲載を予定している。発行日付は「2021年3月12日」、有効期間は「2021年5月31日までに1回限り有効」とのこと。なお、水俣駅は現在、肥薩おれんじ鉄道の駅となっているため、入場券ではなく行先字幕を硬券に印字予定としている。

販売については郵送(現金書留)のみの受注生産とされ、「JR九州熊本支社さよなら特急『有明』号事務局」にて受け付ける。発売額は1セット5,500円(台紙・送料込み・1人5セットまで)。申込み期間は2月12日から3月12日まで(消印有効)。商品の発送は4月中を予定している。

  • 乗車券・特急券・入場券イメージ

  • 記念きっぷ台紙イメージ(表面)

  • 記念きっぷ台紙イメージ(裏面)

  • 缶バッジ3種イメージ

特急「有明」にまつわる思い出コンテストも開催。「有明」にまつわる思い出の写真やエピソードを募集する。「写真部門」と「エピソード部門」を設定し、どちらか一方でも両方でも応募可能。作品は専用サイトに掲載され、4月5~30日に投票が行われるほか、「くまもと森都心プラザ」で実施する「さよなら特急有明号展示会」に展示される。各部門の優秀賞には、オリジナル「有明」グッズのプレゼントも。応募受付期間は2月12日から3月31日まで。郵送とメールにて受け付ける。