新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、在宅勤務やリモートワークがクローズアップされるなど、働き方にも大きな変化が訪れている。それにつれて、職場の人間関係にもこれまでとは異なる状況が生まれているかもしれない。

ただ会社員、それも部下の立場の者にとっては、上司との関係は今も昔も避けられない大きなテーマとなる。特に、合わない上司を持ってしまった場合には、なにかと苦労を強いられるということもあるかもしれない。そこで今回はマイナビニュース会員500人に「合わない上司との付き合い方」などを聞いた。

  • 合わない 上司

    合わないと思った上司の特徴や付き合い方とは?

Q.この人、合わないなと思った上司はいますか?

「はい」(83.2%)
「いいえ」(16.8%)

  • 合わない上司 アンケート

    合わないと思った上司はいますか?

Q.合わないと思った上司の特徴を教えてください(自由回答)

■「パワハラをする」

  • 「パワハラ。気に入らないことがあると無視する。他人には厳しいが自分には甘い」(38歳男性/放送・新聞/営業関連)
  • 「外見的特徴を馬鹿にするジョーク。評価が明確に贔屓目(実績よりも、上司とどれだけ付き合いが良いかか鍵になっている)」(36歳女性/広告・出版・印刷/事務・企画・経営関連)
  • 「感情の起伏が激しく、それを顔や態度に出す。えこひいきが激しい。人の手柄を横取りする。話がほぼ全て嘘か大げさ」(34歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
  • 「仕事のできる先輩にパワハラして、仕事せずに媚びを売っている人を信頼してた。人を見る目が全然ない」(34歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)

■「自分の考えを押し付ける」

  • 「自分の考え、価値観が一番正しいと思っているタイプで、こちらの意向はまったく汲み取ってくれなかった。チームワークを乱すだけで、まとめることのできないリーダーだった」(36歳女性/繊維・アパレル/販売・サービス関連)
  • 「とにかくがむしゃらに働くことを求める人。長時間働く人が評価されて、合わなかった」(32歳男性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
  • 「残業しなければ頑張ってないと判断する人なので、早く仕事を終わらせて帰りたい私には合わないと思った」(32歳女性/人材派遣・人材紹介/事務・企画・経営関連)
  • 「いちいち指示を出してくる上司で、自分と考え方が合いませんでした。あとは、話しかけづらくて相談しづらい上司でした」(36歳男性/ビル管理・メンテナンス/その他・専業主婦等)
  • 「逐次仕事の情報を聞いてきて、文章の"てにをは"まで細かく修正させられて、ガチガチに管理されて息苦しいと感じ、合わなかった」(37歳男性/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)

■「マネジメント能力がない」

  • 「『言わなくても考えればわかるだろ』と、指示をしっかりしないくせに後から文句を言ってくる上司とは合わなくて、ストレスが半端なかった」(33歳女性/医療・福祉・介護サービス/販売・サービス関連)
  • 「部下の進捗を全く把握しておらず、マネジメントできていないところがすごく嫌だった」(39歳男性/その他電気・電子関連/事務・企画・経営関連)
  • 「こちらの業務の煩雑さを知りもしないで、状況を報告しても『普通はそうです』としか答えは返ってこず、他のセクションの調整を一切してくれなかった」(37歳男性/インターネット関連/事務・企画・経営関連)
  • 「仕事の最終的責任を部下に負わせるタイプの人は無理だと思いました」(38歳女性/教育/専門サービス関連)

■「コミュニケーションが取れない」

  • 「コミュニケーションが取りづらい、無口なタイプの上司。どう接していいのかわからず、合わないなと思った」(31歳女性/海運・鉄道・空輸・陸運/営業関連)
  • 「挨拶をしてもめんどくさがられて、挨拶をしなくても文句を言われる上司がおり、合わなかった」(34歳男性/輸送用機器/販売・サービス関連)

■「その他」

  • 「アメリカ育ちの社長がいる会社で、とにかく数字。上司は数字しか頭になく、私はこんなピリピリした会社は無理だとすぐに退職した」(35歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)

Q.合わない上司との付き合い方を教えてください(自由回答)

■「深入りをしない/表面的な付き合いにする」

  • 「あまり深入りせずに、ときには席をはずし関わらないようにする」(34歳男性/輸送用機器/販売・サービス関連)
  • 「特に深い付き合いはせず、言われたことは丁寧に返事して表面上の付き合いにとどめました」(36歳男性/ビル管理・メンテナンス/その他・専業主婦等)
  • 「納得できなくてもとりあえず指示には従い、自分なりに早めに仕事をこなしていた」(39歳女性/ガラス・化学・石油/その他技術職)
  • 「普通に返事しつつ、頭の中で受け流す。もちろん仕事は手を抜かずにやる」(32歳女性/医療用機器・医療関連/専門サービス関連)
  • 「期待を裏切られたと思うからストレスが溜まるという思いに至り、何も期待しないことにした」(34歳男性/ガラス・化学・石油/その他技術職)
  • 「無視する。結果、飛ばされるけど、その上司の下にいるよりずっとまし」(35歳女性/専門コンサルタント/事務・企画・経営関連)

■「タイミングを見て交渉する」

  • 「返事はすぐにして速やかに対応しているフリをし、怒りが覚めた頃に交渉にいく」(32歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
  • 「とにかく相手に合わせる。言葉を慎重に選ぶ(話しかける前にシミュレーションしてから、端的に話すなど)」(33歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/営業関連)
  • 「言われたことは受け流し、自分の気持ち優先で動いた。あまりにも理不尽な場合はおかしいと素直に伝え、周囲にも報告し同情を買うよう努めました」(28歳女性/インターネット関連/IT関連技術職)

■「結果を出して、相手の考えを改めさせる」

  • 「テレワークをしていいので、積極的に利用している。『売り上げが下がらなければ出勤と同じ評価になるのでは』と思っているからです」(37歳女性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
  • 「合わない上司よりも上の人達に認められる仕事をして、合わない上司の言動を改めさせる」(39歳女性/医療・福祉・介護サービス/事務・企画・経営関連)

■「周りを味方につける」

  • 「他のセクションとの調整をしてくれなかったので報告は最低限とし、他のセクションへの働きかけは自ら行った」(37歳男性/インターネット関連/事務・企画・経営関連)
  • 「極力、関わらないこと。社内には他に自分に合う上司もいることに気づき、社内の人間関係を合う人中心にシフトした。もちろん、合わない人と全く関わらないわけにはいかないが、必要最低限のコミュニケーションしかとらなくなった」(36歳男性/サービス/その他・専業主婦等)

■「その他」

  • 「どんな人にもいいところはあるので、なるべく見つけるよう努力した」(30歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
  • 「とことん詰める。実務はこちらがしたとしても、管理監督責任を理由に逃げ場を無くす」(35歳男性/銀行/営業関連)
  • 「とにかく犯罪や不正の証拠を集めて、上や警察にいつでも提出できるようにしています」(39歳男性/サービス/その他・専業主婦等)

Q.合わない上司との関係性で最終的に何か対応や行動をされましたか?(自由回答)

■「特に何もしない/我慢する」

  • 「特に何も対応してもらわなかった。やっても無駄なため」(30歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
  • 「相談できる相手もおらず、理解してもらえる人もいないため、一人で我慢している」(37歳女性/繊維・アパレル/事務・企画・経営関連)
  • 「いずれ社内人事で異動になるのはわかっていたので、周囲に愚痴をこぼすにとどまり何もしなかった」(34歳男性/ガラス・化学・石油/その他技術職)
  • 「特に何もしなかったが、店の売り上げが落ちて上司が別店舗へ異動になった」(32歳男性/家電・AV機器/販売・サービス関連)
  • 「どちらかと言うと自分の考え方を変えた。合う人中心に仲良くすれば、自然と合わない人とはドライな関係になった」(36歳男性/サービス/その他・専業主婦等)

■「より上の役職や他部署に相談する」

  • 「話がわかる、他部署の上司に助け舟を出してもらえるよう仕向けに行く」(36歳男性/クレジット・信販/営業関連)
  • 「以前からやりたかったプロジェクトに声をかけてもらい、異動した」(36歳女性/広告・出版・印刷/事務・企画・経営関連)
  • 「合わなすぎて体調を崩してから、同じ部署の違うグループに異動させてもらい、上司を変えてもらった」(37歳男性/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)

■「退職・転職をする」

  • 「我慢を続けても病気になるよりも、自分でいられるように環境を変える決意をし、転職した」(38歳女性/旅行・観光/販売・サービス関連)
  • 「大喧嘩になって一方的にこちらが悪いことになり、会社を解雇された」(34歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
  • 「上司よりも立場が上の人に相談した。ただ、結果的に私が転職した」(33歳男性/生命保険・損害保険/営業関連)

■「積極的にコミュニケーションを取る」

  • 「一応下だったので、積極的に無視されても話しかけるようにしてました。自分がやめる頃には、会話を少ししてくれるようになるまでいきました」(38歳男性/サービス/専門職関連)

■「その他」

  • 「あまりにも言うことがコロコロ変わるので、一度先輩を交えて3人で話し合った」(33歳女性/医療・福祉・介護サービス/販売・サービス関連)

■総評

調査の結果、83.2%の人が、「合わないと思った上司」がいると回答した。合わないと思った上司の特徴としては、「パワハラをする」「自分の考えを押し付ける」「マネジメント能力がない」「コミュニケーションが取れない」などが主な意見として寄せられた。

やはり、口うるさかったりコミュニケーションが取りづらかったり、あるいはパワハラ的な言動がある上司は敬遠されている。また、上司としての業務を果たさなかったり、現場を理解していないなどマネジメント能力に問題があるケースや、過度な成果を要求したり、自分の考えを押し付けたりする上司も現場からは不評だ。

それでは、そんな合わない上司とはどうやって付き合っているのだろうか。まず、目立った回答としては「深入りをしない/表面的な付き合いにする」というものがある。これに「特にない」も加えると、かなりの人たちは合わない上司に対して特別な対処をせずに、その場をやり過ごしているという実態が見える。

また相手に合わせた上で、「タイミングを見て交渉する」というコメントもあった。間合いをはかりながら、上司に具申をするというかたちだろうか。仕事を頑張り、「結果を出して、相手の考えを改めさせる」という戦略を選ぶ人もいる。正攻法のストロングスタイルで自分の主張を認めさせるということだろう。

そのほか、「周りを味方につける」ことで上司と対峙していくという意見や、言質や証拠を集めて相手を詰めていく、というコメントもあった。

さて、そんな合わない上司との関係性だが、最終的にどんな対応や行動をしたのだろうか。ここでも、最も多かったのは「何もしていない」あるいは「我慢する」という回答だった。状況を打開するために行動を起こして摩擦が生じるよりも、じっと息をひそめて状況が変わるのを待つ方が得策ということだが、これはこれで合理的な判断と言えそうだ。

「より上の役職や他部署に相談する」という声もあった。その結果、本人もしくは上司が異動となり、不満は解消されたという報告が寄せられている。一方で、そうした行動にも関わらず効果がなく、結局なにも変わらないというケースもあった。

「退職・転職をする」という決断をした人もいた。合わない上司との関係性を解消するのには極めて有効だが、当人にとってもリスクを伴う。実行にはかなりの決意が必要な方法となるだろう。

今回のアンケートでは、全体の8割以上が合わない上司と出会い、ストレスを抱えながら仕事をしている実態が明らかとなった。ただし、その状況から脱しようというよりは、多くの人はうまく折り合いをつけながら、上手に業務をこなしている現実がうかがえる結果となった。

調査時期: 2021年1月19日~2021年1月22日
調査対象: マイナビニュース男女会員
調査数: 500人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません