そして、林役をしっかりつかんだ大西の演技を現場で見て改めて魅力を感じていると言い、「モニター越しに林役を演じている大西さんを見ると、『悠然とその場にいる姿』『見透かされているような瞳』がとても印象的です。その上、大西さんが演じることで、その瞳の奥に感じる『優しさ』が滲み出て、人間的な魅力が増している気がします」と称賛。

話題となったパンダの着ぐるみ姿の撮影は、原作の世界観を大切にしたという。「原作の世界観が独特で、その雰囲気を壊さないように、現場では監督陣、スタッフ、キャストと共に、原作を片手に臨んでいました。脚本づくりでも、原作にない世界観を付け足すのはやめようと決め、脚本家の喜安(浩平)さんとは、エピソードの前後を想像して、オリジナルを入れ込みました」

また、林と二階堂の友人たち、出てくる小物など、細かく丁寧に描かれている和山氏の描写を見落とさないように意識していると明かした松本氏。第1話については「林くんと松屋さんの下りは、再現度が高いと思っています。ツイッターや、お芋を食べるところ、『鉄と鉄』の本、松屋さんの髪形など」、第2話については「運動会の借り物競走で、網に絡まっている林は、髪形まできちんと再現できるよう工夫しました」と、細部まで忠実に再現した。

さらに、第3話は「美術室でも、ガラスに映る美しい林は、カメラマンや照明さんと話し合い、明かりがいい時間で撮影できるようスケジューリングしました」、第4話は「女子部屋で怪談をしている奥の枕におばけが小さく書いてあるのですが、そこはやろうと思っております! 視聴者の方が見つけれるか…? ここも見どころです!」、第5話は「カフェオレも原作通りのデザインになってます。マサヒロの制服の下に着ているハイネックの色味なども、リアルに馴染むよう衣裳さんと話しました」と各話のこだわりを説明。制作陣が力を入れた細部にも注目して見てほしい。

(C)「夢中さ、きみに。」製作委員会・MBS