「新年の頭にネクストブレイク候補を発掘する」、マイナビニュース恒例の年始企画を今年も実行。年々、他サイトで似た記事も増えてきたが、ここでは「とびきりフレッシュな先物買い」という観点から10人の若手俳優を紹介していく。
セレクトのポイントは、最近の出演作品で見せた可能性、出演予定のラインナップ、業界内の評価。近年、若手俳優の躍進が目立つだけに、早い段階からチェックしておきたい。
■『恋する母たち』で輝いた“3人息子”
1人目は、昨年あまりの大抜てきと熱演に業界内が沸いた超新星・奥平大兼(17)。演技経験ゼロでオーディションすら初めてながら、長澤まさみ主演映画『MOTHER マザー』で祖父母を殺害する17歳の少年役に起用され、圧倒的な存在感を見せた。
秋には『恋する母たち』(TBS系)でドラマ初出演。「成績優秀だが引きこもり」「キャリアウーマンの母とは不仲だが、血のつながりのない父親とは仲がいい」「実は同性愛者で同級生に好意を抱いている」という劇中随一の難役をこなしてさらに評価を高めた。「全国武道空手道交流大会 形」で優勝した経歴があり、さらにピアノも弾けるなどの多才さも含め、ブレイクしない理由が見当たらない。
2人目は、同じ『恋する母たち』に出演していた“3人息子”の1人・宮世琉弥(16)。同作では、家庭をかえりみないエリート弁護士の父に反発する一方、母に優しく振る舞い離婚をすすめたほか、ラッパーとしての才能に目覚める高校生を演じた。
昨年は『レンタルなんもしない人』(テレ東系)、『言の葉』(フジテレビTWO)、『あのコの夢を見たんです。』(テレ東系)に出演。今年は1月から『青のSP―学校内警察・嶋田隆平―』(カンテレ・フジテレビ系)、『FAKE MOTION ―たったひとつの願い―』(日本テレビ系)に出演するなど順風満帆だ。東日本大震災の被災者だけに、ちょうど10年となる今年に期するものがあるだろう。
3人目も、同じ『恋する母たち』に出演していた藤原大祐(17)。同作では、名門高校の落ちこぼれ生徒で、父が不倫相手と駆け落ちし、母の新たな恋に複雑な思いを抱く高校生を演じた。
昨年は、『おじさんはカワイイものがお好き。』(読売テレビ・日テレ系)では主人公の部屋に居候する甥でアメリカ帰りの大学生、『中3、冬、逃亡中。』(ひかりTVチャンネル+)では虐待を受けた両親を殺害して孤独な30代女性と逃亡する中学生役も演じた。
さらに『痛快TV スカッとジャパン』(フジ系)、『栄光ゼミナール』CM、配信舞台『青春cm2』などにも出演して経験を積み、今年も『愛のまなざしを』で映画デビューが予定されている。
■ドラマよりも劇的な人生を送る23歳
4人目は、2018年に『怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(テレビ朝日系)で主演を務めた結木滉星(26)。昨年は『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(読売テレビ・日テレ系)、『私たちはどうかしている』(日テレ系)などにゲスト出演したほか、秋には『危険なビーナス』(TBS系)の主要キャストに抜てきされ、「あのイケメンは誰?」と話題を集めた。
さらに配信ドラマ『僕だけが17歳の世界で』(ABEMA)、『安全なビーナス』(Paravi)、映画『青の生徒会 参る!season1花咲く男子たちのかげに』、『カルピスウォーター』CMにも出演。今年は1月から『ミヤコが京都にやってきた!』(ABCほか)への出演が決まっているが、これは序の口であり、どれだけ作品数を重ねられるか楽しみだ。
5人目も、スーパー戦隊シリーズの『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(テレ朝系)で主演を務めた一ノ瀬颯(23)。デビューからわずか2か月、もちろん俳優デビュー作となる快挙だった。「浪人生活を経て合格した大学に手続きミスで入れず、専門学校生活を経て、再受験して受かった青山学院大学の入学式でスカウトされる」という紆余曲折も含めて、ドラマティックな人生にスターらしさを感じさせる。
さらに驚くべきは昨年、『特捜9』(テレ朝系)で刑事ドラマ、『アンサング・シンデレラ』(フジ系)で医療ドラマ、『この恋あたためますか』(TBS系)でラブコメ、『麒麟がくる』(NHK)で大河ドラマと、連ドラの主要ジャンルを次々に経験したこと。名前通り、はやてのように現れた超新星であり、今年もその勢いは衰えないだろう。
6人目は、年をまたいで2クール放送中の『監察医 朝顔』(フジ系)に鑑識役で出演している藤原季節(27)。昨年は映画『his』『佐々木、イン、マイマイン』での演技が評価されて、第42回ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞を受賞した。
今年は『青天を衝け』(NHK)で大河ドラマ初出演。吉沢亮が演じる主人公・渋沢栄一に影響を与える藤田東湖の子で水戸藩士の藤田小四郎を演じる。さらに主演作『のさりの島』と『くれなずめ』の映画2作が控えるなど順調そのもの。抑えた演技も熱情を表現することもでき、自然体もトリッキーもこなす役者肌であり、ドラマでの大役がもっと増えていくはずだ。