関西ジャニーズJr.の室龍太が、きょう1日に放送される『大岡越前スペシャル~初春に散る影法師~』(NHK BSプレミアム 21:00~22:29)に、新米同心・相良大介役で出演する。放送を前に室にインタビューし、同シリーズに参加した心境や主演・東山紀之との共演の感想を聞いた。

  • 『大岡越前スペシャル~初春に散る影法師~』新米同心・相良大介役の室龍太

本作は、東山が主人公の江戸南町奉行・大岡忠相を演じる人気時代劇シリーズ『大岡越前』のスペシャル版第3弾。室は前回第5シリーズの6話に参加していたが、本作が本格出演となり、「同心として参加させていただけるのはうれしい。新しい風となれるように頑張っていきたい」と喜んでいる。

取材会で東山も「非常にかわいがられていたので安心しました」と話していたが、現場にすんなり馴染むことができたという室。「休憩時間に金山(一彦)さんが話しかけてくださったり、同心の方たちとお話しする時間があったので自然に馴染むことができました。今度一緒にダーツに行こうというお誘いもいただき、本当に家族みたいな雰囲気でした」と振り返った。

同心を演じることは、台本を最初に読んだときに実感が湧いたという。「けっこうしゃべるなと思いました(笑)。そして、同心なんやと思い、改めて事の重大さに気づき、本当にありがたいなと思いました」

相良大介役の演技は「新人」であることを強く意識。「一番若くて右も左もわからない、ザ・新人! それが伝わるように、ハキハキしゃべるようにしたり、一生懸命さを出したりするようにしました。周りの方たちは何年もやられている熟練の方たちばかりなので、そこに勝とうということではなく、新人です! というのを売りにしていこうと思いました」

監督の提案によって、相良はよくくしゃみをするキャラクターに。劇中で実際にくしゃみをする場面があるが、「人間ってくしゃみをしようとしてくしゃみしないので、難しかったです」と苦戦。「東山さんが『くしゃみといったら加藤茶さん』とおっしゃっていたので、自然なくしゃみができるように映像を見て研究したいと思います」と笑った。

江戸弁にも苦労したそうで、「イントネーションが難しくて。1回先生に教えていただきましたが、撮影のときにところどころ違っていたので難しいなと思いました」と振り返る。また、「(日常的に)刀に手を置くのはNGだそうで、『人を斬るときに手をかけるところだから、かけないように』と教えていただきました」と、時代劇ならではの所作も学んだ。

数々の舞台に出演している室だが、2019年に参加した『オリエント急行殺人事件』は俳優として転機に。演出の河原雅彦氏に演技の基礎を叩きこまれ、役作りの方法も変わったという。

自分の未熟さに気づいて悔し泣きしたという室だが、「1人で芝居するな」と河原氏に指摘され、「自分の中では人のセリフを聞いていたつもりでしたが、聞けてなかったんだ」と自覚。それまでは自分のセリフの直前を覚えるのみだったが、すべて覚えたほうが気持ちを作ることができると教わり、台本を全部覚えるようになった。

そして、「稽古でそれまで流れなかった涙が勝手に流れて、そういうことなんやって! そこで実感しました」と、より感情を表現できるように。それ以降ずっと河原氏の教えを大切にしているそうで、『大岡越前』にも生かされている。