俳優の東山紀之が主演を務める人気時代劇シリーズ『大岡越前』のスペシャル版第3弾『大岡越前スペシャル~初春に散る影法師~』が、2021年1月1日(NHK BSプレミアム21:00~22:29)に放送されることが決定した。主演の東山が22日、東京・渋谷の同局で、同心の新たなメンバーとして出演する室龍太とともに取材に応じた。

  • 東山紀之(左)と室龍太

今回の見どころは、東山の一人二役。病魔におかされ余命いくばくもないその身を、哀れな遊女の復讐のために使い切ろうと刃を振るう剣鬼。瓜二つでありながら境遇のまったく異なる浪人・月嶋左内(東山)に対し、忠相(東山)はどう立ち向かい、如何にして裁くのか。華やかな吉原、越前VS越前を思わせる一騎討ちなど、正月らしく見どころ満載に届ける。

東山は「8年も『大岡越前』をやらせていただき、今回初めて一人二役。新鮮な役を演じさせていただくことになりました。新春にふさわしい感動モノになっていると思います」と手ごたえ。「今回は後輩でもある室が参加してくれて同心部屋の一員になって新たな風を吹かせてくれるということなので、それも含めてたくさんの方に見ていただきたいと思っています」と見どころを紹介した。

一人二役を楽しんだようで、「境遇が違う侍。信念が違うところがありますけど、お互いなんとなくわかる。表裏一体という意味で、やりがいがありました」と振り返り、殺陣のシーンについても「僕と僕が戦うややこしさはありましたが、そういう機会はなかなかない。スタッフの方がきちんと計算もしてくれていたので、思いっきりしたほうが楽しいだろうなと…」と説明。「月嶋佐内という役は肺を患っているので吐血するシーンがあり、分けやすかった役ではありました」と付け加えた。

また、「『大岡越前』が素晴らしいなと思うのは、人の気持ちを汲んで裁きを行うということ。どんな人でも間違いは起こすし、その中でどうやってさまざまな人の気持ちを汲んで、良き裁きをしていくのか」と同シリーズの魅力を説明。「人間は誰かを支え、そして支えられるというのが大事。特に時代劇はそういうのが如実に出ると思っている。今のようにつながるツールがほとんどないので、そういう意味でも人の原点、つながりを深く見せられるのが時代劇なのかなと思います」と時代劇の良さも語った。

室は前回も参加していたが、今回は新米同心の相良大介として本格的に出演。「同心として参加させていただけるのはうれしいことですので、東山さんがおっしゃってくださったように、新しい風となれるように頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。

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