2016年10月期に放送され一大ブームを起こしたTBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の続編『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類! 新春スペシャル!!』が、2021年1月2日(21:00~23:25)に放送される。『逃げ恥』ファン待望の4年ぶりとなる新作。新春スペシャルとして復活させた理由やタイトルに込めた思いを那須田淳プロデューサーに聞いた。

  • 『逃げるは恥だが役に立つ』森山みくり役の新垣結衣(左)と津崎平匡役の星野源

連ドラでは、森山みくり(新垣結衣)と津崎平匡(星野源)が“仕事”として契約結婚し、同じ屋根の下で暮らすうちに恋愛関係に発展していくストーリーが描かれ、回を重ねるごとに視聴率は右肩上がり。最終回では平均視聴率20.8%を記録した(ビデオリサーチ調べ・関東地区)。

那須田氏は連ドラ放送時に感じた手ごたえを、「夫婦で見たり親子で見たり、家族で見ていただいている方が多かった。契約結婚で一緒に暮らし始めた2人が、家事の分担など、どの家庭でも起こるようなことを2人で議論し、普段、ご家庭内では少し話しづらいようなことも、ご視聴いただいたご家庭それぞれで会話のきっかけになったり、こういう風に考えればいいのかというヒントにもなっていたという声をたくさん伺い、手ごたえがありました」と語る。

そして、放送しているときから結婚後を描く続編に意欲。「2人が結婚して家庭を持っていく中で、どの家庭にも起こるような問題にどう向き合っていくのか。結婚後を描くドラマが作りたいと思いました」。原作の海野つなみ氏にも「2人に孫ができるまでドラマにしたい」と思いを伝えたという。

海野氏による漫画は、2020年4月13日に最終巻となる第11巻が発売され完結。新春スペシャルドラマでは、原作の10巻と11巻をもとに、連ドラのその後、結婚生活3年目に入ったみくりと平匡の2019年初夏から2020年初夏までを描く。脚本は引き続き野木亜紀子氏が手掛けた。

物語には「今年起こった重大なこと」も反映。「思ってもみなかった出来事が起こって世の中が大きく変化し、家族の在り方など、いろんなことを考え直すきっかけがたくさんあった。生活や家族のピンチに2人はどう向き合うのか。それを作品に取り入れることは『逃げ恥』ならではであり、『逃げ恥』というドラマを作っている意義を深めることになったと思う」と、さまざまな社会問題も取り上げてきた『逃げ恥』だからこそ今現在起こっている問題にも触れるべきだと感じたという。

そして、「世の中で起こっていることに登場人物たちが向き合う姿は、今もまだ、これからどう乗り越えていくか世の中の人たちが一生懸命になっている中で、ヒントや勇気を少しでも届けられるのではないか」という思いで制作。「意見が違ったとしても家族と話すことは大事。今回も、さまざまな問題と向き合う2人を見て、話し合うきっかけになったらうれしい」と願った。

新春スペシャルとして放送すると決めた理由も、「今年起こったことを取り入れることになり、そうであれば早くお届けしたい。新年を迎えて今年はどんな1年になっていくのかなという、年の初めに放送するのが一番ふさわしいと考えました」と説明。家族そろって見やすいタイミングであることも理由の一つだという。

サブタイトルは「ガンバレ人類!」とド直球のメッセージ。これは野木氏が初稿段階でさらっと書いていたものだそうで、「今年起きたことを踏まえたタイトルにしたいと考えていた中で、ぴったりだなと。まさにこれが自分たちの伝えたいメッセージであり、描かれていることはそういうことだと思い、これに決めました。『ガンバレ人類!』。すごく大きく出ていますが、それぞれの家庭の中にも通ずることだと思います」とタイトルに込めた思いを明かした。

そして、「『ガンバレ人類!』としか言えませんが、どう向き合ってどう乗り越えていくか。こういった事態になった中で、ヒントや勇気を少しでも与えられたら」と願いを込めた。

(C)TBS